今年の西海岸PGAショーで発表されたノンメタル・スパイクの新製品で、脱着が容易(クリップオン)で、磨耗するとスパイクの色が変わるタイプが発表されました。この種のスパイクで世界をリードしている米国では、次々に新製品が開発されている模様です。あるメーカーの説明では、全米9ホール以上の約33%にあたる(NGF'97年12月現在)4,600コースでメタルスパイクが禁止されているともいわれ、ますますニーズが高まっているのは間違いないと思われます。
本でも、グリーン保護、ゴルフ場施設保護のため注目は高まっており、関東地区の幾つかのコースでメタル・スパイクを禁止する記事を良く見かけるようになりました。ノンメタル・スパイクはグリーンやコース施設の保護のみならず、プレーヤーの疲労感や腰痛も軽減する効果もあるといわれています。
しかし、米国とは異なり日本ではノンメタル・スパイクは必ずしも万能といえない面もあり、メーカーとして充分留意してマーケティングをする点がある事も見逃せません。比較的平坦で乗用カートが発達している(ノンメタル・スパイクはカートの内部にも優しく運転もしやすい)米国のコースでは発生し難い事象ですが、山や斜面を切り開いて造成されるコースが多い日本で、斜面の芝が伸びていて、しかも雨、露、霜などで濡れている場合、土の層がグリップできずに滑りやすい場合があります。事故や怪我に繋がる事のないようにユーザーが充分認識した上で使用していただく事が、メリットを生かすポイントと思われます。
さらに、ユーザーである(ゴルフ場のユーザーでもある)ゴルファーにとってノンメタル・スパイクの真のメリットは何かを明確にする事が肝要と思われます。さもないと、単にコースサイドのメリットのための出費がユーザーに負荷され、普及が阻害される事にもなり得ます。
ノンメタル・スパイクは上述のように、ユーザー、コースサイド共にメリットが多々ありますが、グリップ力では、メタル・スパイクには及びません。グリップ力を向上させようとしますと、固く鋭利な形状となってしまい、構造的にメタル・スパイクよりもゴルフ場施設やグリーンを傷める構造のスパイクになる危険性もあります。
ゴム関連のメーカーとしての当社は、オリジナルのソフトスパイクとしてゴム製「ラバースパイク」を開発し、NETNEWS(ネットニュース)ブランドでSHNN81(¥18,000)に装着、交換も扱っています。このラバースパイクは、クッション性・グリップ力を向上させ、ユーザーメリットを高めています。また、ソフトスパイクと共にノンメタル・スパイクのラインアップ強化を計るため、スパイクレス(ラバーポイント)シューズも拡充させています。高グリップ性のプロ仕様、スパイクレスSH601Rや人気商品のパラディーゾにもメンズ、レディースのスパイクレスを8月に発売しました。今後の商品企画についてもユーザーメリット(=コースメリット)を高めたノンメタル・スパイクのラインアップを強化して行く予定です。
メーカーとしても、またゴルファーとしても順調にノンメタル・スパイクが普及する事を望んで止みません。
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