永続的なコースにするために
ゴルフコースは、本来、個性的でメモラビリティに富み、難度、戦略性の存在が重要であることは論をまたない。それは、ゴルフコースのルーツを探り、ゴルフ先進国から学ぶ姿勢があってこそ成り立つものであり、その欠如は永続的なコースの存続につながらない。
私たちは今、1950年代以降に誕生させたゴルフ場の設計を含めた開発に対して、反省を込めて見直しをする時機にきているといえないだろか。
好スコアを求める一般ゴルファーを対象としたゴルフコースは、もうこの辺でいいだろう。見てくれのよいコースも欲しくない。
狭い国土ながらも、地形的にはそれほど恵まれなくても、私たちが学んできたことを、これから各コースの見直しに生かしていかなければならない時代となってきたことは事実である。
ひとつひとつのコースを見直し、正すべきところを正していく姿勢が、私たちに求められるのであると信じる。
世界のフロジェクトに仲間入り
21世紀になると、世界のゴルフ後進国のゴルフ場開発がはじまるだろう。この時、私たちは指をくわえて見ていることはない。世界のコース設計家たちの中に入り、積極的にそのプロジェクトに参加していかなければならないのである。
これまで培ってきた豊かなアイディアの発揮に加えて、日本人特有の真面目さや繊細さ、そして大きな技術力の確かさをもってすれば、必ず果たせるものがあるはずなのだ。
日本ゴルフコース設計者協会の会員ひとりひとりの自立性はもちろんだが、それだけにとどまらない。理論と実践を踏まえ、誇りをもって評価を得ていかなければならないのである。
21世紀のビジネスプランを練る
ゴルフは衰退しているのではなく、ゴルフ本来の持つ楽しさが、今、見失われているときなのではないかと思われる。コースに戦略性が出て、面白さが理解された時には、また新たなゴルファーの回帰があるだろう。
世界のゴルフ文化に正しく貢献できる設計家集団として、私たちは21世紀のビジネスプランを練り、醸成させるべきだろう。
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