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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2012 Sep. 協力:一季出版(株)
私のゴルフコース改造設計指針
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 海津 康志
 

序文

ゴルフ場のコース改造にはいろいろあるが、今回は2グリーンの1グリーン化などについての設計指針とする。(1)旧コースを考慮せず、新たにグリーンを設計する方法、(2)現状の2グリーンを1グリーンとし主グリーンを拡幅する方法、(3)現状の主グリーンをそのまま利用しサブグリーン跡地にバンカーの新設や造形、植栽などの方法を記載する。また、ゴルフコース全体を把握し現況より美しく戦略性に富み、誰もがまたプレーしたくなるコース改造が目標である。

第1条 現況調査

コース改造は新設コースと違って現在あるコースの把握、旧設計図、竣工図の把握・現況地形図の詳細調査(1/500及びグリーンは1/200〜1/300の詳細図が必要)を実施して設計する。特に上記(2)(3)の改造は現況詳細調査を重要視する。また、改造コストを削減するため、現況の詳細把握が最大の条件となる。

第2条 改造計画

(1)問題ホールの箇所を解消し、評判の良いコースにする。(2)ホールの戦略性が確認でき、ティから視認できるサイドバンカー、美観池などの計画。(3)IP付近からガードバンカーが確認でき、グリーン面の見えないホールはグリーン幅が分かるように両サイドにバンカーまたはグラスバンカーを設ける。(4)プレーヤーの印象に残るホールを造る。(5)現在のゴルフ事情に合わせ各ホールの距離を伸ばす。(6)現状のベント、コウライの2グリーンをベント1グリーンに転換する。(7)飛球距離に合ったバンカーの増設と撤去。(8)オープン時に植樹した樹木の整備。(9)コースを戦略性に富み、美しく見せる美観池・クリークの増設。(10)グリーンの面積・アンジュレーション・グリーン周辺・グリーンの形の改造。

第3条 ティと距離

JGAのコースレートの第1IP地点は現在250Yだが、プロ競技の第1IPは300Y前後を考慮して計画する。もしティ後方に用地があればバックティを下げて距離を伸ばす。現在のバックがレギュラーティとなるため面積を拡幅する。但し、長いホール・短いホールと変化のあるコースセッティングが必要。一般的にパー72で6,800〜7,000Yのコースが多く、最近のプロ競技仕様にするには、パー72で7,200〜7,400Yぐらい必要。

第4条 フェアウェイとバンカー

改造により距離を長くすると、打ち上げホールの第1IP付近からグリーン方向が確認できなくなることもあるので、フェアウェイを下げる必要があるが、但し旧設計の仕様・戦略性は考慮すべきである。またバンカーの必要性を重視し、現況バンカーより前方(バックティから250〜280Y地点)に増設バンカーが必要になる、またプレーヤーがティから確認できるようにバンカーの面積を大きく(200平方メートル以上)することも、計画に入れること。

第5条 コースの樹木

コース改造計画の中で、現況の大きく成長した樹木の把握も大きな課題である。オープン当事植栽した樹木がコースを圧迫していることも多く見られる。特にグリーン周辺の樹木は、日照を遮り風通しを悪くしてゴルフ場で一番大事なグリーンに支障を来すこともある。大きくなっても戦略性のある魅力的な樹木もあるので、十分検討すべき。プレーヤーがティに立ち打つ方向を確認するバンカーも、樹木が覆い被さり確認できなくなっているケースが多々あるが、これは戦略性のある魅力的な樹木ではない。また樹林帯としてホール間にある樹木も下枝を剪定して風通しを良くし、プレーしやすくするのも検討の一つである。コースを大事にするあまり、延び放題では樹木がかわいそうである。

第6条 美観池とハザード

古いコースは美観池・ハザードは少なく、ティ、フェアウェイ、バンカー、グリーンだけで構成されているケースが多い。それなりに味のある戦略性に富むコースも多くあるが。コースの改造を試みるのであれば、現代向きに美観池・ハザードを増設する方法を取りたい。旧コースの良さを考慮し美しく設計したい。美観池は18ホール中4カ所ぐらいが適切。美しく戦略的に、常に池の水面はいっぱいにする。水面が下がると見苦しく美しさに欠けるので重視すべき。ロングホール1カ所、ミドルホール2カ所・ショートホール1カ所。打球線上にかかる池を地形的に良ければ最終18番ホール打ち下ろしに設計したい。

第7条 カート道路と事故

最近、プレー代を安くするため、乗用カートでノンキャディのコースが増えている。カート道路を設置するにはコースの美観をできるだけ考慮し、ティからのプレーに支障にならないように設置する必要がある。また、カート事故のニュースを多く見る。カートは人間に当たらないと止まらないので、ゴルフ場側はプレーヤーに注意事項を徹底し事故防止に努めることが必要である。カート道路設置計画の注意点は(1)ティからできるだけ舗装面が見えないルートの検討、(2)安全確保のためプレーヤーからカートが常に確認できること、(3)コースと高低差を付けない。以上の注意点を考慮し計画のこと。

第8条 1グリーン化

改造目的は現状のベント、コウライの2グリーンをベント1グリーンに転換することである。グリーン面積は設計的に450〜500平方メートルが最良だが、グリーン管理面では600〜700平方メートルが良い。面積が増えた分、斜めに細長いグリーンで変化を付ける。グリーン面は手前をやさしく後方を難しくして、グリーン奥の手前側にバンカーを計画する。事例1=原設計でベントグリーンは平均面積が600平方メートル以上あれば拡張する必要はなく、サブグリーンを撤去し跡地を造形、植栽で整備することで大半のホールをワングリーン化できた。事例2=現状ベント、コウライの2グリーン、ベントのグリーン面積が450平方メートルと小さく600平方メートルの計画。ホールセンター側に150平方メートル増設し、バンカー設置や周囲の造形、植栽にて1グリーン化。事例3=現在ある2グリーンの上にベント1グリーン化を計画する場合、3事例の中で一番建設費が掛る、旧設計家の設計思想はほとんど入れることができないが、新たなコースの歴史となる。グリーン改造においてコース全体のバランスをとることも大きな課題の一つである。改造に力が入りすぎて、あまり難しいホールばかりできてはバランスに欠ける。18ホールの中を楽しく苦戦して回れる魅力あるコース造りが改造の目標である。

第9条 日本のゴルフコース改造(まとめ)

コース改造の中には格調ある事例も多々あるが、最近は外人設計家が多く使われている。そのコースの歴史・コースの設計理念を把握しているのか不安になる。古いコースは日本のコルフ場の歴史であり、貴重な遺産である。私の見る限り、貴重な歴史と遺産を失わせているように思う。そのゴルフ場が新しく生まれ変わって出発するのであればそれは別問題だが、そのゴルフ場の関係者のみの検討以外に、日本のゴルフに関する多くの知識人の意見も取り入れて計画すべきだ。また、集客のためにコースを易しく改造する傾向もある。しかし当初は歓迎され来場者は増えるかも知れないが、すぐに飽きられ、客離れが始まるだろう。何回プレーしても飽きない、挑戦意欲の湧くコース造りを目標にすべきだ。そして設計家のコース改造方針は、設計家が満足しても、お客様が満足しなければ何の意味もない。コースの難度が上がりお客様のスコアが悪くなっても、自然と対話し未来に残る調和のとれた芸術性豊かなコースに仕上げ、そして何回でも回って見たいと思えるコース造りを目標にすべき。私は、コース改造の魔術師と言われるよう、またなれるよう努力したい。

 

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