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GCA NewsLetter Vol.3
用具、コース、競技  
−進歩しているのはプレーヤーの技術−


●ジョンデイリーとジ・オールドコース

一九九五年の全英オープンは、セント・アンドルースのジ・オールド・コースで開かれた。優勝は、超ロングヒッターのジョン・デイリーだった。イタリヤのコンスタンティーノ・ロッカとのプレイオフ自体は、あっさりした幕切れだった。しかし、ロッカのプレイオフまでの十七、十八番は、このコースならではの奇妙なゲーム展開だった。ジ・オールドコースは、コース設計者にとって聖書であり、教科書である。私は、確かにこのコースには、汲めどもつきぬゴルフのエッセンスが多過ぎるほどあると思う。しかし、今日、世界の強豪を一堂に集め、ゴルフをテストする場としての条件が揃っているかどうかに、大きな疑問をもたされた。優勝したデイリーが、超人的な長打者であったことも、その思いを大きくした一因だったとは思う。しかし、セベ・バレステロスが言ったように「デイリーにとって、このコースにパー5はないしぃ……、パー4もないようなものだ。」という感じがあった。三、九、十、十二、十六、十八の六ホールスが、パー3でもないのに、ワン・オンのチャンスが十二分にある。しかも、アイアンクラブで、グリーンをとらえるのだから、従来の考え方が通用しなくなってしまった。もっとも、セント・アンドルースは、強風というハザードがある。しかし、どれほどの風が吹いても、本当に芯でとらえた強いボールは影響を受けにくい。イリゲレーション(散水施設)を導入し、コース全体の乾燥は昔よりは改良されたが、このコース独特のランの多いフェアウェイは変らない。デイリーに限らず、ニュージーランドのキャンベルのような若手もパー4とパー3と混同するほどグリーン近くに来ていた。ポギーを叩くのは、グリーン上でのミス。すべてのホールではなかったが、まるでパッティング・コンテストの様相を見せていた。十七香ロードホールは、最も難しいホールとなっていた。一九六〇年以前には、背の低い石炭小屋の煙突を日標にティーショットしていた。その場所に、大きなホテルがゴルファーを圧迫するようにそびえてしまった。しかも、従来は、パー5だから、グリーンもきびしく、グリーン背に道路があり、壁がある。本来は、第二打をグリーン手前の右に置き、旗を狙ったホールである。それが、パー4となってから、アマチュアゴルファーでさえ、ロードバンカー(中島バンカーと呼ぶ人もある。)が気になるようになった。そのパー4を、デイリーはプレイオフの時、余裕が十分あったにせよ、9番のラン・アップショットで旗を狙い成功している。十八番に至っては、一流プロでグリーンに届かない方が珍らしくなってしまった。三番アイアンで、ピンハイに来てしまうのだからパー4としては、困る。グリーンのまうしろは、OBだからウッドを振り回す愚か者はいないのである。大競技の最終ホールは、本格的なドラマが見たい。十五番から十八番まで、ティーショットから第二打、第三打、アプローチショット、パッティングと様々なショットを私たちは期待する。それがなかったのが、一九九五年のジ・オープンだった。同じスコットランドでも、ミュアフィールドとかターンベリーでは、見ごたえのあるゲームが展開する。平凡なコースといわれるトルーンでさえ、劇的な要素は高い。このように見ると、ジ・オールド・コースは、古典としての価値は、ますます高いが、近代ゴルフのテストの場としては、強い条件が失われてしまったように思えたのである。それをボールやクラブの進歩として片づけるのは、短絡し過ぎている。むしろ、技術の進歩と考えるべきだろう。ボールやクラブが進歩し過ぎ、ゴルフが変ってしまったという意見は多い。トッププレイヤーであるジャック・ニクラスやアーノルド・パーマーもその意見だ。設計界のドン、R・T・ジョーンズ、シニヤも「このような状況が続くなら、フェアウェイバンカーとティーの位置を変えねばならない。」と言っている。米国ゴルフ協会が、安易に許可したり、黙認していることが非難され始めている。しかし、実際には、どうなのだろうか。ボールは重量、サイズ、初速の制限は、従来通りであり、科学的テストでは、不変である。

●道具の進歩はゴルフを変えてはいない

米国ゴルフ協会の技術担当フランク・トーマス氏は「一九六八年〜九五年、テストを続けているが、ドライバーの距錐は、五〜八ヤード伸び、正確性は0.2%だけしか上昇せず。グリーンヘの確率は、若干、落ちてさえいる。」と証言している。問題は、トーナメントでのコース整備にも関連している。プロ(ないしは、プロに匹敵するアマチュア)は、フェアウェイは、サッチのない、固い土に芝生が短く刈ってあるものを要求する。フェアウェイで、スティンプメーターを使うと、三十年前のグリーンのスピードに近い。フェアウェイの芝生が、緑したたり、水気があるのは、中級者、初心者用のフェアウェイである。日本のフェアウェイは、コーライ芝ということもあるが、ブルーグラス、ベントを使っていても、一般的に刈り高が高い。世界一流が来日して、フェアウェイの芝が長く、スピンがかかりにくい(ラフと似たような具合になる)と嘆くことが多い。ということは、コース整備が、競技用と一般使用と差別化されると、プロのボールはますます転がり、一般の方は、転がりが少くなる。距離は、ますます差が出るということになる。一九九五年のリビエラでの全米PGAを久しぶりで見たが、私の印象は、距離に関しては驚くほど変っていないというものだった。マスコミの報道だけに頼っていると、かなりバイアスがかかってしまうことに気づいたのである。確かに、向上はしている。平均的に技術が高くなっていることは否定できない。それは、競争の結果であって、ボールやクラブのせいではないという事実を見過してはならないと思った。ボールは、二昔前までは、球型を心配せねばならぬこともあった。微妙に形がゆがんでいたボールもあった。しかし、現在では、糸まきであろうと、ツーピースであろうと、そうした誤りはない。デインプルの形状、数、あるいは、材質で球質に差はあるが、それは意図して造っているのだから誤りではない。初速度は、秒速二五〇フィートの制限は変っていない。ということは、ボールが二十年前に比べて飛んでいると思っているだけなのだろう。一つだけ言えることは、昔のようにバラツキがなくなった点である。シャフトの問題は、三十年も前から、米国ゴルフ協会専務室のジョー・ダイ氏(後年、PGAの初のコミッショナーで活躍きれ、プロ界の水準を引きあげた。)は、関心を払っていた。「ボールは、コントロールし易いが、シャフトは、これから十年先になると制限する必要性も出て来るだろうね。」と言われていた。勉強家だったから、シャフトが進歩することを知っていたし、新素材の登場にも関心をもっていた。現在のような長尺物は、論外だったが、45インチはおろか、48インチを振り回すゴルファーが増える可能性は高い。シャフトの長さだけは、確かに“距離”を伸ばす条件になる。ただし、一年ほど前に発表されたデータでは、45インチが、距離と正確性という二条件を満たす限界のようだった。距離と方向性という二つの条件を大切にするのは、プロか上手なアマチュアで、かなりの数のアマチュアは、距離至上主義者が多いようだ。コース設計者が考えられないような“猛球”を打つゴルファーが増えていることも事実である。米国では、自分がジョン・デーリーになったつもりで、クラブを振り回すゴルファーが増えているというし、飛ばし屋の人気はどこでも高い。残念ながら、アマチュアの場合、プロほど新用具の恩悪を受けていないように思える。

●実験室では出てこない人間の力

十数年前、エール大学のコースを同大のゴルフコーチ、デービッド・パタソン氏(PGAのプロ)とプレイした時である。十番パー3、池超えの面白いホールがある。旗が奥で二一○ヤード。デービッドは、三番アイアンで、私はウッド四番で打った。その時、学生が後からやって来た。グリーンへの途中、デービッドは「あの若い連中が何を使うか考えられないよ。あの後の組だと六番か七番だからね。」と言うのである。教えているプロが、若い連中の距離に舌を巻いてしまう。「なんでそんなに飛ぼすのだろう。」と尋ねると、答は「体を完全に使っているからで、私たちのように古いスイングを覚えた人間には出来ないね。」という何とも悲観的な話だった。要するに、技術なのである。大きな筋肉を使うスイングだけしか知らないから、彼等は普通に振れば、驚くような距離が出てしまう。私は、ヘッドにも漸く大きな革命が起きて来たと思う。特に、ウッドの場合、天然材の柿(果実はさくらんぼほどで、日本の柿とは全くイメージが違う。米国は、テネシー州に多い。)は、優秀である。しかし、天然材の中では、柿が優秀なだけで、メタルやグラスファイバーのような人造材とは比較にならない。新素材は、組織も一定しているし、重量の配分も設計通りに出来る。クラブフェースの硬度も、昔よりは高い。こうしてみて来ると、確かに実験室では、大差ないかもしれぬが、現場では心理的要素も加味されて来る。技術と片づければ技術かもしれぬが、一緒にプレイしているプレイヤーとの競争心とか、何か目標が生れると人間は驚くほど力を発揮する。トーマス氏によると「実験して明白に進歩したら、当然、制限を変え、ゴルフのあるべき姿を失わないようにする。しかし、現在のところ、それほどの違いはないのだがね。」という。現在のクラブ、ボールが飛び過ぎると言っているのは、ヴェテラン連中だけで、若い人は全くコメントしないのも面白いことである。

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