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GCA NewsLetter Vol.2
ゴルフルールとコース設計 川田太三
−設計手法の進化による問題


我が国のゴルフコースは、既に2000の大台を突破した。決っして広いとは云えない国土の、然も、平地はその4分の1に満たないという条件の中で、よくも、ここ迄、増えたものだ。海外の事情通と話しをしていても、正確な数字を当てるものは、殆んど、いない。この中の、少くとも、3分の1、即ち、700コース前後が、この10年間に出来たもので、バブル経済の遺産として残っている。もち論、我々、コース設計家にとっては、バブルの恩恵を存分に受けたことを否定するものではないのだが、それだけに、日本全国の3分の1になんなんとするコースの大部分が、設計者協会の会員によって設計されているという事を考えると、その責任の重大さを感じないわけにはいかない。ゴルフの普及と、好調な経済がマッチしてバブル経済初期には、ゴルフ場建設の計画が林立した。会員券の販売が好調で、工事費についての注文は少い。従って、軒並み、他の計画との差別化、高級化が進んだ。植栽に40億、クラブハウスに50億といった常識外の現象も、そのひとつと考えていいだろう。コースのデザインについても同じ様な事が云える。より魅力的に、より高級にということであろう。それまでの日本のゴルフコースのイメージとは一風変わったデザインが急増した様に思える。ティーから、グリーンの緑まで池を大きく採り入れる、ラフのマウンド、枕木の導入等、海外の著名設計者の影響を少なからず受けている事はさておき、より景観を重視し、設計者の自己主張を強調したことは、進歩と云っていい。ともすれば、各ホールのヤーデージや地形に関係なく、唯、ティーがあって、グリーンがあって、バンカーがあるといったコースが一人歩きしていた時期があったことを考えると、この10年間で、日本のコース設計学は、一歩も二歩も前進した様に思える。海外のゴルフ先進国では、初めてプレーするコースでは、必ずと云っていい程、『誰の設計が…』ということが話題となる。それだけ、設計者の存在は大きく、名前が永久に残ることを考えると、責任の重さを痛感する。日本も同じ方向に進んでもらいたいと思うのは、私だけではないだろう。実は、この原稿を書こうとした動機は、そこに、ひとつ心配な点が見えてきたためである。

日本ゴルフ協会のルール委員会には、地区連盟を通じて、加盟各クラブから、種々のルールに関する質問が寄せられる。殆んどは、プレーヤーが、ボールを扱う際の人為的なケースの問題が多いのだが、最近、コースの設計自体に問題があると思われる様な質問が多くなった。正確に憶えているわけではないが、同意のケースとして理解していただき、今後のコース設計の際の参考にしていただければ幸いである。

〈ケース1〉カート道路、管理道路等をはさむスルーザクリーンのスペース

図1の様な人工の表面を持つ道路にボールが止まるか、又は、近接しているために、プレーヤーのスタンス、又は、スイングの邪魔になる場合は、救済が受けられるが、動かせない障害物の救済の処理と違って、ボールの止った位置によっては、図1の様に、リリーフポイントが、道路のセンターに対して、逆側になることがある。正しいリリーフポイントにポールをドロップして、1クラブレングス以内にボールが止まれば、インプレーとなるが、この際、充分なスペースがないと、スタンスが、OBライン、1ウォーターハザード、或いは、バンカーにかかってしまうことがあり得る。従って、この様なケースでは、プレーヤーは、ゼネラルルールによる救済が受けられないことになり、プレー上の不公平が生じる。カート道路や管理道路は、コース保護や、便利さだけを考えて作られることが多いが、ルール上の問題を第一義に考えることが必要だろう。もち論、左打ちのプレーヤーに対する配慮も忘れてはならない。

〈ケース2〉ラテラルウォーターハザードの救済ポイント

最近流行のアイランドグリーン、又は、類似した形状のグリーンでは、ハザードからの救済ポイントの決定が非常に難しい。図2のケースで打球1のボールがC点を通過して池に落ちた場合、罰打1を加えて、最後に境界線を横切ったC点から、ホールに近ずかず、2クラブレングス以内にドロップする事が出来る。唯、Aに村し ては斜線の部分が救済ポイントとなるが、Bの旗に対しては、角度的に同じ救済ポイントは見当らない。従って、プレーヤーは、B点とC点とを結んだ後方線上の対岸に行くか、又は、そのボールを打った元の位置に戻るしかない。実際に、ボールが最後に境界線を横切った地点に行ってみないと救済ポイントが決まらないのは、プレー進行上、大変面倒なことで、ついつい、適当にその辺から……ということになり、正しいルールに則ったゴルフから、どんどん、遠ざかることになりかねない。造成の際に、グリーンの形状、ハザードラインの線型を少しでも考慮に入れてデザインすることが出来れば、余分な問題が後にひかないで済むのだが……。

〈ケース3〉ハザードラインを水際に設定する間違い

一時期、アメリカのツアーで、ウォーターハザードのラインを水際に設定したことがあったが、種々の問題が発生し、早々に、元通り、赤抗又は赤線に修正したことがあった。恐らく、その時の名残りか、日本では、特に新設のコースに、多く見られる。実は、あるコースで実際に体験したことだが、図3−Aの様なホールで、左からの強い向い風のため、ティーショットがグリーンをガードしている枕木の柵に当って池に落ちた。ここは、水際をハザードのラインに設定しているのだが、図3−Bの様に、グリーンは水面より2m以上も高い。打ち直しの第3打を打とうとすると、キャディーが、『お客さん、ラテラルですから向こうから打って下さい』と云う。確かに、水面をハザードのラインに設定しているから、一度、インバウンドにはずんで池に落ちていることになるのだが、だからと云って、キャディーが教育されている様に、グリーンエッジが救済ポイントになることは、あり得ない。ラテラルウォーターハザードからの救済で規定されている“最後に境界線を横切った地点から、ホールに近ずかず、2クラブレングス以内に……”と書かれている2クラブレングスは、垂直にも及ぶので、実は、水面から、グリーンエッジ迄は届かないことになる。従って、グリーンエッジにポールをドロップすることは間違いで、このケースでは、あくまで、ティーから打ち直すか、然るべき対岸を探さなくてはならない。日本ゴルフ協会が指導している様に、このケースでの、ハザードラインは、赤抗又は、赤線で、グリーンエッジに示すのが正しい。となると、200ヤードの距離で、然も、このホールは、常に、左からの風が吹いているそうだから、プレーの進行を考えると、造成時に、もう少し、配慮出来なかったのかなと思わずにはいられない。事実、この時も、ティー附近で、3組が待っていたのだから……。

同じ水際の設定でも、今、流行の渚バンカーの場合は、もっと複雑で、実際には、ルール上の不公平が生じる。最近の池は、殆どが人工で、底にゴムマットを敷き、オーバーフローを設けて、水位が変らない様にしているものの、雨次等では、バンカー内のカジュアルウォーターが、ハザードのライン、即ち水際と、区別がつかなくなることがある。カジュアルウォーターの区域がはっきりしている時は、無罰で、同じバンカー内にドロップ、雨足が強くなって区別がつかなくなると同じところにボールが止っても、ハザード内ということになり、罰1打(図4)。これではルール上の公平は保たれない。従って、バンカー内に赤線をひくか、又は、この、渚バンカー自体をウォーターハザード扱いとするかの撰択になる。

コース設計者の責任範囲は、グリーンの形状やバンカーの位置だけでなく、実際のプレーを想定した上での、OBラインの設定、ティーマークの位置、ピンポジションの指導、芝の撰択、砂質、その他、広範囲に亘るものだが、ゴルフというゲームをする場である以上、ルール上の疑義を生じない、全てのプレーヤーが公平にプレー出来る様な、充分な配慮が、コースに充分に反映されることを、まず、第一に考えたいものである。

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