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GCA JOURNAL No.2
林地開発許可の行政指導に望む 新井剛
 

現在ゴルフ場の開発に対する、林地開発行為の許可基準について、各都道府県毎にその運用方針が異なり、この対応に全く困惑させられていることが多々あります。

残置森林率の問題は可として、問題は各コース毎のセパレート部分の残置森林の幅の問題です。林野庁通達では、「原則としておおむね20mの残置森林と造成森林を含む30m以上」となっていますが、コース造成の際、各ホールのインターバル、グリーンからティグランドへの歩経路部分も30m厳守させられる県が多いのです。このことにより地形の起伏の激しい場所では、必要以上の森林伐採をさせられることとなります。

また、残置森林に対して一切の間伐・下刈を禁じている県もあります。現在、わが国の山野の森林地帯は、松・杉・檜・落葉松・トド松・トウヒなどの建築資材用の林産木の植林が全国的に展開され、ほとんどの里山は林産木の植林地となっています。

しかし、この植林地は間伐もされず、林産木に必要な手入れもされず、完全な放置されたブッシュ林と化して釆ています。このため前記のコースセパレートの残置林を、現状のままで放置しておくと、台風などの強風の際には、壁のような形で風を受け止めるために、折角残した樹木が薙ぎ倒される憂き目を見ています。

ゴルフ場開発として許認可を出した以上、もっとも人間と自然が調和可能な樹林帯の造成を指導して欲しいと思います。風当たりの強い場所には風に強い樹木を、また、その土地の土質に合った樹木の選定と造成方法を指導していただきたいものです。

法定植栽のヘクタールあたり、1mもの2000本、2mもの1500本、3mものでは1000本という指導書には前文として、「修景効果を期待する造成森林にあっては、出来る限り大きい樹木を植栽するよう努めるものとする」とありますが、本数に対する説明がなく、既存の樹木を移植して造林しても、この中に1〜3mの法定植栽をするよう指導されますが、大木の下に低木を植栽しても、それなりの陽当たりが無ければ、折角植栽した樹木も枯死してしまうでしょう。

出来れば、完成3〜5年後に太陽光線4000〜5000ルックスの環境にするよう配慮しろ、とか、不可能な場合はセパレート部分を30mから、それ以上に拡大して設計するようにするとか、将釆ゴルフコースとして造形美が讃えられるような植栽指導が欲しいものです。

法面の切り盛り勾配にしても、防災・排水について充分配慮されなければならないのは勿論ですが、造形美を醸し出す勾配として施丁可能な指導が欲しいものです。

コースの法面が、5m毎の犬走りによって、プレー上は勿論、修景上においてもあまり芳しい景観でない場合が多々あります。これらもホール間の残置森林の強制指導により生じる場合が多いと思います。この点を考慮した指導が成されるべきでしょうし、設計者側の意見を聞く耳も欲しいものです。

「松喰虫に荒らされた森林でも残置林に手を加えるな」と、指導する県もあります一方で、「木が立派に育つよう気配りして欲しい」といわれる県もあります。

一度、提出した設計は変更はなかなか認めて貰えません。限られた予算と条件で現地の踏査、調査も出来ないままに2000分の1以下の縮図で設計し〈許認可後に用地買収となるため)調査後土質や景観・樹木保存の上で一部変更となる場合でも、認められない県もあります。

すべての植物はそれぞれの性質に合った環境に生育しているのが自然であり、現在わが国の森林は、幾度となく人の手が加えられた人工林が放置されたブッシュ林といっても過言ではありません。遠くから眺める山の姿はきれいですが、近づいて見ると、また林の中に入ってみると完全なブッシュです。特に針葉樹の植林された放置林は、すべての動物を駆逐してしまっていることに気ずかれていません。

特に常緑針葉樹の植林地においては、山野草はほとんど生えず、このために花も実も成らない森林からは、餌も無く、小動物や鳥類に適した隠れ場所も無くなり、もちろん、昆虫までもが駆逐されてしまっています。

最近東北のある県では、うさぎの姿が見られないため、ハンターにうさぎの確認届けをするよう通達しています。狐・狸・鼬などの食肉動物の隠れ場所はあっても、雉・山鳥・うさぎなどが、自由に逃げ回れる山野が無くなってしまったことは確かです。

イギリスのゴルフ場ではプレー中に多くのうさぎや小鳥を見かけます。自然と都市が融合しているのですが、日本の場合は河川の堤防をブロック積みにして、ひどいところは三面コンクリート張りで魚も住んでいません。このようなところに水辺の鳥を寄せようとしても、鳥の習性上寄らない事は明白でありますが、ゴルフコースに設けた池には、工事中でも水鳥がすぐ飛来して釆ます。

自然環境の保護を強く叫び、守らせようとすることはよく理解しますが、植物の性質、動物の習性を無視した、余りにも偏見され片寄ったゴルフ場開発の規制指導には、我慢出来ないのが現状です。


コース設計依頼者に望むこと

バブル経済が崩壊して、ゴルフ場開発の話は急激に減少し、ゴルフ場用地の転売話が時々聞かされます。

転売の良否については、行政サイドのご意見にお任せしますが、ゴルフ場建設に適する用地の選定については、開発規制の上からも、周辺環境ならぴに住民の意見を、まず充二分に調査してから取り組んで欲しいものです。

用地選択の際には、事前に設計者は、もちろん、その道の専門家(この場合プレー上からではなく、ゴルフ場建設の規制・土木工事上の問題などのノウハウを持つ人)の意見を尊重されることを望みます。

例えば、山の起伏高低差・土質・岩石の有無・立木の様子・樹木の種類・水の有無・水質の良否・水の確保の可能性・気象上の問題(風向き・霧発生の有無・用地全体の日照方向など)・進入路の取付位置・クラブハウス建物の位置・ゴルフコースのホール毎の方向・調整池の位置・防災施設の必要数・補助造林の有無・残置森林の割合・保安林の有無・農地の面積・農振地区の指定の有無・作業道・林道の設けられた年度・既存砂防工事などの関係・農業用の灌漑施設への影響・漁業権・水利権の問題・保護動物一鳥類・昆虫を含む・保全樹林帯・保全植物群落・古墳遺跡の有無・汚水処理の条件・汚水の流末排水先などなど、事前に調べられるものを徹底調査されないと、後日に大変な問題や負担となって被さってまいります。

一般的に設計者サイドで、このような初期の必須条件は満たされているものとして対処しておりますが、すぐに「こんなことが!」といった未解決な問題が出てくることが毎度です。

コンサルタント業者・施工業者は一通り認識しておりますが、都道府掲毎に規制の内容が異なりますから、開発する地区の自治体とよく協議してから取り組まなければ、地域の開発総量規制などもあり、もっと良いコースが建設可能と思われても、限られた用地となり、初期計画後拡張した場合、用地の確保も認められないことがあります。

ゴルフコースの格調、景観などは全て設計者の感受性によるものですが、まず、規制の問題をクリヤーしているか、地域住民の同意は取れるか、この点に付き充分把握して後に、設計を依頼するコースのグレードの問題・建設コストの問題について、設計者に現地調査を依頼されるようお勧めします。

既に許認可を受けているコースでも資金面でなく大きな難題のために、事業が進まず転売されるケースを見受けます。ゴルフコースの建設は多大な資金と年月を必要として、しかも、自然保護の観点で社会から厳しい眼で注目されます。留意して当初よりしっかりした調査研究が必要です。

現在、ゴルフ場の残置森林率は50%以上で、しかも、15年生以下の樹木はカウントから除外されます。ゴルフ場建設のための面積は18ホールで
コース延長8000m×コース幅50m+コース法面用地+建物・駐車場・道路敷地・調整池などの用地50,000m8=550,000〜600,000u

これに前記の残置森林率50%+幼齢木比率およそ15〜20%=600,000u

合計して1,200,000uが必要となります。

この数字はきわめて恵まれた地形であって、ゴルフ場の施工の上でも、全体の地形がまず問題であり、次に土の移動量と切り盛りの許可される勾配、切り盛り土の高さ探さの規制、つまり法面長の問題を各自治体、地区ごとで規制していますから、数割増しの用地が必要となります。

今後ゴルフ場の開発に取り組む方々には、現況の規制について当協会としても、後日依頼者が禍根を残さないような指導をして行くべきかと思っております。

掲載順不同
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