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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2018 Jan. 協力:一季出版(株)
第6回 林 弘之
 

ピーター・トムソンとの出会い

今回登場いただいたのは林弘之氏。林氏の設計家としてのキャリアに大きな影響を与えたのが、ピーター・トムソン氏だった。
大手のゴルフ場建設会社に所属していた林氏が最初のコース工事技術者として従事したのがトムソン設計のコースだった。
設計監理補佐という立場で、「トムソンが工事進捗状況に応じて来日した折に、彼の通訳を担当しました」と林氏。
当初はつたない英語で通訳には大分苦労されたというが「難しい所は筆談でなんとか済ませたが、結局ゴルフ専門用語での指示であったために徐々に理解できるようになった」というのだから、トムソンとは馬が合ったのだろう。
時代は第二次ゴルフブームの真っ最中で、名手トムソンの設計者としての人気も高く、その後いくつかのコースを設計している。愛知県の藤岡CCや三重県のスリーレイクス、岩手県の南部富士など、現在でも名コースとされるコースも多い。このことが林氏の設計家としてのキャリアに大きな影響を与えたことは確かだろう。
その後10年近くトムソンとの関係は続く。トムソンといえばアジアサーキットの創設者でもあり、全英オープンを5回制覇してエリザベス女王からサーの称号を授与されたほどの名手。日本でも中日クラウンズを始めいくつかのトーナメントで勝っている。設計者としてもオーストラリア、アジアを中心に活躍して、依頼が多くなったのも当然の話だろうか。
いずれにしてもピーター・トムソンとの出会いが、林氏の大きな財産となったことは間違いない。

開発ラッシュの中で…

そして時代はバブル経済期に入る。ゴルフ場開発は第三次ゴルフブームの影響とバブルの勢いで、爆発的な建設ラッシュ期に入る。ゴルフ場会員権は投機の対象となり、新規開発のパンフが刷り上がれば即完売というコースも現れた。
「まさに“狂乱”といっていい状況でしたね。私は当時ゴルフ場の設計・申請業務に従事していましたが、会社が引き受けた数コースの設計監理補佐となって忙しくしていました」
1947年、愛知県出身の林氏、30代から40代半ばまで、まさに脂がのりきる頃の話。
1975年の大甲賀CC、名阪国際CC(現・奈良OGMGC)、千草CC(同アイランドGガーデン千草)の造成工事に従事したのを皮切りに1977年には前述したトムソンのスリーレイクスCCの設計監理補佐。1979年には改造設計監修補佐として名古屋GC和合の工事にも従事している。
設計の仕事の内容については「トムソンから学ぶことが多かった」という林氏だが、多くのコースの設計監理補佐の仕事の中から、コース・ディレクションのノウハウを学んでいったといえる。

開発ラッシュの終焉、コース改造の時代へ

バブル崩壊後も5年間くらいは新設コースの設計・監理業務は継続されたという。
「こうしたコースの大部分のものは、コース開発を断念した場合損失が甚大なために、やむなく継続された事業だった」と林氏は語る。
むしろそうした新設コースの仕事よりも、コース改造の仕事が多くなったというのが事実だろう。
林氏の仕事にしても実時間数として改造設計が多くなった。

数多くのコースでトムソンらの仕事を見てきた林氏は、コース設計の基本は習得しており、加えて仕事を通じて培った人脈によって改造" の依頼が多くなった。
当時のコース改造のポイントは、コーライグリーンからベントグリーンへの変更。加えて2グリーンの1グリーンへの改造。いずれもグリーン関連の改造だが、1級芝管理技術者でもある林氏にとってはお手のもの。
しかし、芝に精通といっても、ニューベントの品種については「私はそのゴルフ場のキーパーが希望する品種を尊重した」と林氏。
グリーンは生き物であり、現場の状況を最も理解しているグリーン・キーパーが「その場のグリーンに適した芝を選定することがベター……」と考えていたからだ。

コース改造のポイントとは

さて、現在ゴルフ場はいわば冬の時代に入っている。そんな中では、経営に直接影響を及ぼすコース運営の効率化が求められていると林氏は考えている。
したがってコース改造のポイントも単にグリーンの変更だけでなく、コース運営の効率化に関する要望が多くなった。ここはコース全体をトータルで見てきた設計家の出番であろう。効率化には様々なアプローチがあるがプレー時間の短縮もその一つ。林氏はその短縮の上で大きな役割を果たすのが「ティ、グリーン周辺のカートの停車位置」と語る。
「ティショットの後、速やかにカートに戻るのが基本であり、カート路はできる限りティ横に近い位置に置く。またグリーンも後続組がすぐにプレーに入れるよう、パター終了後に速やかにカートに乗れるカートの停車位置を決めなければならない」と原則を説く。これだけでプレー時間は大幅に短縮できるはずということだ。
もう一歩進めると「私がコース改造設計を行っている岐阜県のクラウンCCでは、オープン当初からカート路がフェアウェイの真ん中を通っている。渡辺支配人から聞いたお客様の反応はシニアプレーヤーにとってはプレーが楽で楽しく、好評だとのことだった」
これは特異な例ともいえるが、これからのシニアの時代において大いに参考になる話。現実問題として8年前には年間入場者が3万8千人足らずであったものが、昨年は5万人強の入場者を数えたという。
高齢化が進む中でシニア層の支持が強いことは、コース経営者の大きな武器になることを証左する話で、ゴルフ場関係者からの問合せも多いということだ。

「管理の効率化を図る上で重要な問題の一つに樹木の伐採がある」と林氏は付け加える。
「例えばティ周辺に垣根が残っているホールが多いコースもあるが、剪定手間の削減はもとより、ティの有効利用を考えると撤去が望ましい」と林氏。
コース内の樹木に関しても「プレーの安全上、戦略上問題がなければ伐採が望ましい」というのが林氏の考えだ。その利点はコースが広くなること、樹木周辺の裸地がなくなることなどに加え、管理の二度手間が省けるなどメリットが多いからという。樹木伐採については異論も多いものの、林氏は「オープンして30年以上経過したコースでは、オープン当初植栽された樹木は大木に成長して各所で日照不足、裸地化、浅根樹木のメタセコイヤ類などの悪影響が出ている」と指摘する。
林氏のコース改造における根幹は、いかにコースコンディションを良くするか、芝が健全に成長する環境改善に取り組むか……ということになる。
さて、設計家の仕事は、来るべき少子高齢化社会におけるゴルフコースの存立を図ること。それには設計家の持つ“改造”の技術を大いに使いたいところ。
林氏は「ゴルフは健全なスポーツとして自然の中で、ジュニアからシニアまで一緒にプレーを楽しみ、終生に亘り必身の健康増進に寄与する競技である。長所を広くアピールすれば、必ずや国民的スポーツとして社会に認知されるものと確信している」と結ぶ。 設計家の持つコース改造の技術を生かして将来性のあるゴルフコースに変身させることが、今こそ求められていないか。

(文責・井口紳)

 

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