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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2017 Dec. 協力:一季出版(株)
第5回 海津 康志
 

津康志氏は1948年生まれで三重県津市の出身。ゴルフコースとの関わりは、総合建設会社DNCに入社したことに始まる。当初は道路・宅地造成・ダム・鉄道工事に従事していたが、1973年にゴルフ場造りに入っている。
DNCといえば、国の東西に数多くのゴルフコースを造成・建設してきたことで知られる。そして、そのゴルフ部門に籍を置いたことで、今の世に、ゴルフコース設計の名匠と呼ばれる多くの設計家との接点が生じた。それは井上誠一をはじめ、ロバート・T・ジョーンズJr.、上田治、安田幸吉、富沢誠造……といったレジェンドや、J・ニクラス、岡本綾子らのトッププロとも面識を得ることができた。
面識とはいえ、ただ挨拶をするだけではあるまい。造成スタッフの一員として会うわけだから「多くのことを学ぶことができました」と海津氏は語っている。
この間に一級造園管理技師、一級土木施工管理技士、建築士、管理技術者資格、火薬類取扱保安責任者(火取安責任者)などの資格を得ている。
海津氏の設計家の系譜の中で因縁を感じてしまうのが、井上誠一及び上田治との出会いであろう。
東の井上、西の上田、あるいは、剛の上田、柔の井上とも称される2人の巨匠との出会いは、海津氏のキャリアに大きな影響を与えたことは間違いなく、特に井上誠一の場合は、海津氏が“師”と仰ぐというほどの感化を受けた。
因縁深いのは、両氏の“遺作”ともいうべき掉尾を飾る二つのコース、笠間東洋GC(井上、18H、茨城)と富士CC可児ゴルフ場志野コース(上田、18H、岐阜)に関わったことであろう。特に井上の笠間東洋GCにおいては、設計段階から井上の下で働き、「コース設計を一から教え込まれました」(海津氏)という。
上田氏の場合には、DNCのスタッフの一員としてコース造成に携わっており、後になって、2グリーンの1グリーン化の改造、監修に当たっては担当のディレクターとして腕をふるっている。
両巨匠の薫陶を得て、海津氏はコース設計家としての歩みを始めたわけだ。

代表作を1つ挙げるなら石坂GCだろう

海津氏の設計コースは地元東海圏から関東関西までDNCの造成コースを中心に広がっている。
代表作をあげれば、鳳琳CC(18H、千葉)、多度CC名古屋(18H、三重)、石坂GC(18H、埼玉)、中軽井沢CC(18H、長野)、花吉野CC(18H、奈良)、太子CC(18H、大阪)、岐阜GC谷汲(18H 、岐阜)、猿島CC(18H、茨城)、野田Pけやき(18H、千葉)、千葉夷隅GC(27H、千葉)、大栄CC(18H、千葉)などだ。
この他、グリーンやティ・グラウンドなどの18ホール全体の改造・改修では、房総CC・房総G場西(18H、千葉)及び東(同)。房総CC大上G(同)や富士C可児C可児ゴルフ場志野コース(18H、岐阜)があげられる。
また設計補佐・許認可設計及び施工コースではニューセントアンドリュースGCJ(27H、栃木)、スターツ笠間GC(旧笠間東洋GC、18H、茨城)、GOLF5CCかさまフォレスト(旧タイホーCC、18H、茨城)、富士OGMCC市原(旧富士CC市原、18H、千葉)、グアムインターナショナルCC(18H、グアム)、TJK成田ビュー(12H、千葉)、クレセントバレーCC美濃加茂(18H、岐阜)などがあげられる。
この中で、代表作を1コースという問いに、海津氏は「石坂ゴルフ倶楽部」と答えている。石坂ゴルフ倶楽部は、いわゆるゴルフ場銀座とも称される埼玉県南西部の緩やかな林間丘陵地に、110万平米強のゆったりとした用地に18ホールがレイアウトされている。
先日の日本オープン開催コース、岐阜関CCなど、数多くの優良コースを手がけてきた総合建設会社DNCが、そのゴルフ場建設の集大成として取り組んだコースでもある。インハウスの設計者として海津氏も、精力的にデザインに当った。
「集大成ということで、大きく波打つマウンドを抱えた“大型グリーン”を採用。ピンの位置によって乗せるエリアが決まってくる、より戦略的なゴルフのステージとした。いわゆる“ターゲットゴルフ”の概念で、石坂GCのグリーンの設計思想はこのことに立脚している」(海津氏)
この結果、ピンの位置の選択幅が広がり、ゲームの面白さが高まり、またコース管理の面からも、グリーン・キーパー達から歓迎されているという。
海津氏は説明する。
「18個の大きなグリーンはそれぞれに個性を持ち、グリーンにオンしてからもう一つのゲームが始まる感がある。3パットを逃れるためには、グリーンのどこに乗せるかの頭脳プレーと、それを実践できる着実な技術が必要とされる。ただ単にグリーン方向に球を打っていくだけでは攻略できない」
石坂GCはこうしたグリーンに加え、井上誠一流の美的感覚も海津氏によって注入され、メンバーが誇れるコースの典型となっている。バックティーから7,060ヤード、レギュラーティーから6,500ヤードを超える堂々たるチャンピオンシップコースは、まさに海津設計の代表作といえよう。
もっとも「いくら設計者が力んでみてもプレーヤーが満足してくれなければ意味はない」とも付け加えた。

コース改造の魔術師と呼ばれたい

海津氏の多くのキャリアによって培われた思想と技術は、多くのゴルフコースに生かして欲しいところではあるが、現在の日本で新規コースは望み薄である。他の名だたる設計家にとっても同様であるが、日本国内で新規のゴルフ場設計の可能性はほぼ皆無だ。
となると、こうしたキャリアを生かして既存コースの改造、改修に当たることに期待したい。前記のように、改造改修においても数多くのコースを手がけている海津氏は、改造改修に当たっての自らのマニュアルを作っている。
まず改造のテーマによって問題点をピックアップする。
たとえば、2グリーンを1グリーン化する場合には「@旧コースを考慮せず新たにグリーンを設計する。A現状の2グリーンを1グリーンとし主グリーンを拡幅する方法。B現状の主グリーンをそのまま利用しサブグリーン跡地にバンカーの新設や造形、植栽などの方法を記載する。加えてゴルフコース全体を把握して、現状より美しく戦略性に富んだ魅力的なコース改造を目指す。ただコース側とのコミュニケーションを十分にとって、その重要性をよく聞くことも大切」と海津氏。2グリーンの1グリーン化だけでも丁寧な対策が必要で、コース設計において積んできた思想と技術を、改造においても十分に生かさなければならない……ということでもあるのだろう。
最後に昨今のコース改造に対する海津氏の提言に耳を傾けてみよう。
「古いコースは日本のゴルフ史における貴重な遺産である。コース関係者の思いつきで外人設計家に依頼したり、集客を第一に考えコースを易しく改造する傾向も疑問符がつく。最初こそ入場者は増えるかもしれないが、やがて飽きられてしまうだろう。やはり、たとえ難しくとも戦略意欲の湧くコース造りを目標にすべきだと思っている」という。
海津氏は自らの夢を「絶えずプレーヤーが満足するコースを目指し、コース改造の“魔術師”と言われるように、またなれるように努力したい」と結んでくれた。

(文責・井口紳)

 

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