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第47回 レイクウッドゴルフクラブの巻
 

原設計/ テオドール G. ロビンソン
改造設計・監修/ 川田 太三

レイクウッドゴルフクラブと聞けば、首都圏のゴルファーなら一度はプレーしたいコースのひとつだろう。
開場以来、高級志向方針で安易に低料金サービスに走ることなく、イメージを大切に守ってきた。それでいてそれなりの入場者を確保しているのだから、料金サービスに走る周辺コースにしてみれば羨ましい限りではないか。
とはいえレイクウッドゴルフクラブは単にイメージだけで成功していた訳ではもちろんない。コースメンテナンスにせよ、従業員のサービスにせよ、徹底した営業方針の実施によって、メンバーやゲストに支持されているのも事実。そんなレイクウッドでさえコースの改造は避けては通れない道なのか。オープンから50年近くを経て、経年劣化ともいえるいろいろな問題点が浮かんできている。

バブル期の花形コース

レイクウッドゴルフクラブは1970年10月に西コースがパブリックコースとしてオープン、その3年後に東コースが同様にパブリックで開場した。
旧経営会社が運営していた平塚富士見カントリークラブに隣接する丘陵地に、米国人設計家のテオドール G. ロビンソンを招いてデザインを託した。
ロビンソンはハワイ・オアフ島のコアリナGCの設計でも知られているが、当時としては珍しいアメリカンスタイルの設計を持ち込み、湖と木々、森が配された文字通りの“レイクウッド”はゴルファー達の評判を得た。大規模な企業コンペが開催されテレビで放映もされた。
こうした知名度に後押しされてか、1982年にパブリック制を解消して会員制クラブとし高級会員権募集を実施し、山梨と群馬にも2コースを開発。それぞれ1991年、1996年にオープンはさせたものの、2005年に4コースの経営を現在の株式会社レイクウッドコーポレーションに譲渡することになった。新会社は神奈川、山梨、群馬の4コースに加えて、千葉に2コースを買収、総数6コース全171ホールの大型ゴルフ場企業となっている。

コースに対する姿勢が新会社は異なっていたのか

レイクウッドは東がペンクロスの1グリーン、西がA、Bの2グリーンで、Aはペンクロス、BはCY2となっている。
ロビンソンのデザインは、レイクウッドGCサンパーク明野コース、同富岡コースでも採用されているが、これらはすべて旧経営者のイメージに合致したもの。レイクウッドの36ホールにしても、経年劣化だけではない現経営サイドにはそぐわなさがあったのかもしれない。
今回、改修デザイナーとして相談を受けた川田太三氏(日本ゴルフコース設計者協会・理事長)は「会社から相談したいので一度コースを見て欲しい……と言われたのは2013年の1月頃だった。回ってみると全体のイメージはともかく、ゴルフコースとしての細部では違和感を持ったというのが本音。会社側もその辺のことを意識したのではと感じた」という。
コースレイアウトよりもこの時まず気になったのが、西コース側のハウス前に広がる池だったという。初めて見た時には冬場ということもあって池は枯れており、どうにも体裁がつかない。この池をいつもきれいに維持するためにはかなりの管理費が必要となるはずで、コース管理の苦労がしのばれた。
「この池はいわゆる日本庭園の池をイメージしたもの。池の真ん中を歩経路が走り、朱塗りの橋を渡ってプレーヤーは1番、10番のティに向かう。池の周囲はまさに和風庭園。刈り込まれた植え込み、生け垣……。それはコース管理というより庭師の世界がぴったり」川田氏が感じたのはゴルフコースらしからぬ日本庭園の佇まいだけではない。この池を造るために1、10番ティグラウンドのハウス側に土塁があり、そのためハウス側から1、10番ティは全く望めない状態だった。見えるのは富士山の遠望のみ。
こうした状況にコース側でも頭を悩ませていた所だったようで、「じゃあこの池をとってしまいましょう」と川田氏が切り出すと、さすがにあっけにとられていたようだ。
川田氏は「池を取ってしまう理由はまずその維持費がバカにならないことと、“レイクウッド”のイメージにそぐわないし、池を取ってしまってクラブハウスから1、10番ホールのティグラウンドだけでなく、ホール内まで見渡せるようにしたい」と説いた。
思えばマスターズの舞台であるオーガスタナショナルのコースもクラブハウスの前面はドーンとした芝地のスロープが広がっている。
「ゴルフをスポーツとして捉え、ハウス周りをアスリート好みの広々とした芝生にするか、和風庭園にするかは、あくまでオーナー、経営者の意向が大きい」と川田氏。
レイクウッドでも経営会社が変わった所で、抱いていた違和感を払拭したいと感じていたのだろうか。
川田氏は続けて「こうした日本庭園にせよ、ティグラウンド周りの生け垣、植え込みなども一種の“はやり”。長方形のティグラウンドで前方だけが開け、左右と後方を植え込みにする。しかしこれでは、ティへの入口が限られてしまい芝管理の上からもよろしくないため、最近はティグラウンド周りの植え込みを外してしまう動きとなっている。また“はやり”ということではゴルフコースでの植樹にもいろいろ変遷があった。とにかく平坦にということで用地をフラットにする。それから植樹によってホールをセパレートするということで、規制による残存緑地のため成育速度が速いユーカリが流行り、次にヒマラヤ杉。そして次に注目されたものがメタセコイアだった。これらは大木になるが、いずれの木にしても利点と欠点がある。“庭”にしても同じこと」 川田氏の持論では「ゴルフコースはゴルフを楽しむ運動場。日常の生活を離れて伸び伸びと広さを満喫したい」のだ。

クラブハウスから1、10番ホールが眺められるように…

会社側も川田氏の意見に渡りに舟だったようだ。最初の話から1年半後の2015年11月、ハウス前の池の撤去と1、10番スタート地点の改造改修工事にとりかかった。
まず池のための土塁を取る作業。次に1、10番ホールは20mほどの打ち下ろしだったがティを3〜4m下げてティショットを打ちやすくした。池を撤去し土塁を崩して、そこはなだらかな下りスロープで、広々とした芝地にした。
また乗用カートの待機場所も左右に分け、それまでのスタート時の混雑感がなくなり、カートを視界から外すことができた。
ゴルフコースにとって造形の美しさとは何であろうか。レイクウッドの改修作業の中から、このテーマを探っていくことも、今後のゴルフコースにとっては意義のあることに違いない。
すでに1グリーン化を終えたコースの修正。そして2グリーンの西コースの1グリーン化。もちろんこれらも視野に入っている。レイクウッドゴルフクラブ及びグループ全体の変貌が注目されてならない。
西コーススタートホールの新たな“顔”となった芝のスロープで、笑顔で写真撮影に興じるゴルファー達。このなごやかな風景こそ、これからのレイクウッドゴルフクラブを象徴していまいか。

(文責・井口紳)

 

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