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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2017 Mar. 協力:一季出版(株)
第45回 守礼カントリークラブの巻
 

守礼カントリークラブ
原設計/ 手塚誠(朝日観光株式会社)
コース改修管理/ 杉本昌治

改造監修で取り上げるコースにはいくつかのパターンがあった。まず、経年劣化の手直し。これには距離不足を補ったり、樹木の成長を調整したり、造形のほころびの修繕などが含まれる。次に原設計の手直し。この場合は1グリーン化やコーライグリーンのベント化、余分な池やハザードの撤去などがそれに当たる。全国規模のトーナメント開催を目指して全体のシェープアップを図ったり、コース運営上のカート路の新設や整備なども改造監修の一つとして取り上げられてきた。
各コースはそれぞれのテーマを持って計画し、予算を組み立て、意図に合ったディレクターを選んで改造・監修に取り組んでいる。
こうした数多くの改造コースの中でも沖縄の守礼カントリークラブの場合は実にユニークで注目に値するケースといえそうだ。
守礼カントリークラブは那覇の中心街、国際通りから車で30分と交通至便の地。知念半島の山岳地に18ホールがレイアウトされている。狭くアップダウンのある地形に上手に収めているのは、設計の手塚誠先代社長の腕≠ニもいえるが6,155ヤード、パー70。アウトコースにはパー3が3ホール、パー5が1ホールと変則的な設計となったのもいたしかたない所か。
開場は昭和57年だから既に33年という歴史を経ている。この間2006年には播種により通年ベントグリーン(ペンA4、沖縄では唯一)にしたり、GPSナビゲーション付きの電磁誘導式乗用カートを導入し、距離表示やピンポジション、グリーンの傾斜なども分かるように改良してきた。
コース側としては、内々でできることはしてきたというところ。そして、ついにコース全般の改造に、プロという専門家の目を借りる段階になった。

改造ディレクターの腕の見せ所。コースの良さを生かしたい

改造ディレクターに就任したのは、東急グループ系コース改造の杉本昌治氏。設計者協会の理事でもある。
知る人ぞ知るが、朝日観光といえば首都圏の鎌倉CCや鎌倉パブリックGが有名。朝日観光系のコースは手塚兄弟によって二系列に分かれており、兄が鎌倉CCや修善寺CC、弟の手塚寛氏が守礼CCや美岳CCなど7コースを朝日コーポレーショングループ系列として運営している。
杉本氏は守礼CCの改造にあたって「とにかく一度見て指導して欲しいという社長の話から始まったことです。話は実に謙虚というか、やはりパー70や、アップダウン、狭さ……という負い目みたいな気持ちがあったのでしょうか」と語る。
しかし、実際にコースを訪れ、プレーしてみると「実に“味”があるというか、面白いんですね。改造もこの味を生かし、つまり長所を活かして、欠点をそこそこに抑えていけば、ゴルファーに楽しまれ、喜ばれるコースにできると確信しました」と杉本氏は語る。
コース側にとっても、山岳、狭さ、アップダウンという負い目がそのままならば、とても年間約6万1,000人もの入場者を維持できるはずもない。メンバー37%、ビジター57%、観光客3,700人という数字はそのままコースの味を証明しているようなものだ。
「まず会社側にコースの良さに気づいて欲しいと話しました。謙虚さは素晴らしいし、それに加えて、これまでの改良が示すように社長は前向き≠ネのですが、コース改造に関してはコースの欠点の指摘から入ってしまう。そうではなくて守礼の良い味を生かしましょう」と杉本氏。
守礼の味を語れば、どのホールからも海が眺められる眺望の素晴らしさがその代表だ。特に4番、6番からの眺めは絶景であり、4番はペブルビーチ7番のパー3を思わせる。距離の短いホールやアップダウンの厳しいホール、幅が狭いホールなど一般的な良いコースのセオリーから外れるホールもあるにはあるが、美しい景観と強烈な海風のハザードによりその欠点もプレーの楽しさに変わる、日本では貴重なコースである……と杉本氏も太鼓判を押している。

“味”を活かす改造のポイントは何か。急がず徐々に手を加えていきたい

杉本氏の手による改造は2年前に始まり、グリーン改造や池などの見直しから入っている。施工は自社で行ってきた。
クラブの今後の計画は次の3点である。

@若年層、ビギナー、レディス、シニアのお客様にフェアにプレーを楽しんでいただく施策として、距離・面積・設置場所が適正に配置されたフォワードティの新設を図る。
A海を見せる絶景を重視するとともに、健全な芝草生育を考慮した良好な風通しを図ることを目的に、林帯及びブッシュの樹木の間引き、下刈り作業の定着化。
Bアウトコースをスコットランドスタイル、インコースをアメリカンスタイルのコースとして特徴付けを行いプレーヤーに提供したい。

以上の3点がクラブ側の計画として依頼された部分、それは杉本氏の意見が十分に反映されたものでもある。
「欠点を直すことより、長所を際立たせる改造・改修で常に美しいコース、印象に残るコースを目指したい」とコースの意を受けた杉本氏は決意したという次にコースの具体的な改善点を上げる。

@修景池の撤去
人工的な形状とコース戦略上不自然な場所にあり、改修より撤去が望ましいとし、1、16番ホールの池を既に撤去済み。12、18番ホールは検討中。
Aグリーンの改造
元々コーライグリーンを播種によりベントグリーン化しているため、グリーン勾配が4〜6%と強く、透水性にも問題があるホールがみられる。ベントグラスを沖縄で管理するには水のコントロールが出来る床土とカッピングエリアの確保が重要であり、特に8番ホールは早急に改造の必要があったため既に改造を終了した。他のホールも漸次点検改良の見込み。
Bブラインドバンカーの撤去
不必要なものとして12番ホールのフェアウェイ右バンカー、及び17番ホール・グリーン左バンカーを検討中。
C樹木整備
1番ホール。グリーン右サイドの樹木を間伐、剪定し、海を大きく見せる。2番ホール。セパレート林の間伐、枝打ちにより、ティグラウンドからグリーンを見せる。11番ホール。グリーン右サイドの樹木を間伐、剪定を行い、海を大きく見せる。12番ホール。ティグラウンド前方左右林帯の間伐、林帯整備によりホール幅を広く見せるとともに、センナ、クロトン、ムラサキツユクサなどを植栽して彩りをつけたい。
Dティグラウンド
芝草の育成期間が長い地域ではあるが、年間6万人を超える入場者に対応できる十分な面積がないため、ティグラウンドの拡張、新設が必要。また、特にレディスティは設置場所、距離、面積の再検討が必要。

「これらの改善点は自社施工で徐々に、グループ他コースとのバランスを考えて進めていきたい」と杉本氏。
この杉本氏のやる気は、手塚社長の前向きな姿勢と、明るさが原動力。そのイメージがコース全体に波及し、良いムードを出している。数年後、“負い目”の無くなった守礼カントリークラブが楽しみだ。

(文責・井口紳)

 

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