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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2017 Jan. 協力:一季出版(株)
第43回 千葉夷隅ゴルフクラブの巻
 

原設計/ 安田幸吉・川村四郎
改造設計監修/ 海津康志

今回の舞台は千葉県大多喜町の千葉夷隅ゴルフクラブ。
昭和54年8月に東・南の18ホールを開場。広大な用地を活かした安田幸吉・川村四郎のレイアウトは当時から評判を呼び、10年後には西9ホールを増設している。
母体がタクシー大手に日本交通で、経営はリゾートクラブで先鞭をつけた(株)グリーンクラブ。千葉県でもかなり奥地であり交通のアクセスでは大きなハンディがあったものの会員が正会員2,281名、平日会員581名を募集できたのは経営母体のネームバリューと無縁ではあるまい。
ただしネームバリューだけで健全な運営はできない。今回の改造ディレクターである海津康志氏は「とにかく従業員教育が徹底している。岡本豊社長兼総支配人を筆頭にコースメンテナンス、接客業務、キャディ……と丁寧な仕事を行っており、その素晴らしさは日本生産性本部の日本経営品質賞など数多くの表彰を受けているほど」と語る。
しかもコース側のこうした姿勢によるものか「メンバーの質が上等です。例えばラウンドの際に目土袋を必ず携行してディボット跡を埋めていく。とてもいいシーンで古参の名門コースの雰囲気。なかなかできるものではありません」と海津氏は語る。
こうしたメンバーの姿勢もコース側の努力を感じてのものであろう。先年コースのオーナーは日本交通から他の企業に移ったが、新オーナーも表には出ず現場の“仕事”を評価・尊重し、運営の体制は全く変えることはなかった。
これも当然だろう。来場者の評判は良いし、リピート率も高い。コースメンテナンス、フェアウェイ、グリーン、ティグラウンド。送迎の挨拶、ダイニングでの接客、キャディの仕事ぶり……。項目のどれを取ってもゴルフコースのサービスとは何かのモデルとなる。
最大の懸案であった交通アクセスもアクアライン、圏央道の開通整備によって都内から80分程度まで短縮されている。往時を知るメンバーにしてみれば「昔の半分で……」と喜びを隠せない。
もっとも交通アクセスの良化もこれ以上は望めないし、市原・夷隅地区にひしめく数多くのコースの中で差別化≠図る必要があるのもまた現実であろう。
前々回で特集した“レディスティ”の話。これ以上はないほどサービスを徹底し「お迎えから見送りまで……」心のこもった接客を行っている千葉夷隅GCにして、さらに“その上”を目指す営業努力の対象がレディスティだった。

ティの設置には確固たる“お墨付き”が必要ではないか

前々回の記事でも紹介したように現状のレディスティには大きくいって二つの問題がある。一つはレディスティが1種類しかなく、ビギナーやシニアには長すぎないかということ。もう一つはコースの動線から外れたり、フロントティの先にほんの形ばかりのティグラウンドがあるといった点だ。
アスリート系の女性ゴルファーなら男性用のティから打てばいいが「長い」と感じる女性ゴルファーにはどう対応したらいいのか。
「実際、千葉夷隅GCでも女性メンバーや来場者からレディスティが長いという声があがっていました」と海津氏。
コース側としてみれば、こうした女性はあなどれないし、これから女性客を取り込もうという時期に放っていていい話ではない。
「実際の話、男性にはバック、レギュラー、フロントと3種類のティグラウンドを用意しているのに、なぜ女性が“レディスティ”1カ所でいいのか。考えなくても女性ゴルファーに注目すれば当然分かろうというもの」と海津氏。
では実際の問題として、どうティグラウンドを造っていくのか。設置していくのか……。
これまでのイメージでいけば、現状のレディスティ、これをL1とすればこの50ヤードほど先にティグラウンドL2を造れば、距離の問題は解決する。となればグリーンキーパー以下優秀なコース管理を持っているコースなら、ティの造成もお手のものだろう。
海津氏も「各ホールのレイアウト、動線などの理論を度外視すれば、物理的にはできないことではないし、通常営業の中でも可能でしょう」と語る。
ではなぜディレクターが必要となるのか。「女性」の飛距離、クラブ選択、カート道路、フェアウェイの傾斜、レイアウト……などを考慮するとそうたやすい話ではない。ある程度、60〜80平方メートルの面積を確保し、景観的にも美しく、左右どちらに振ればいいのかなどはレディスティ特集で紹介したようにディレクターの明確な指示が必要になる。
まして会社やメンバーからの支持を得、“お墨付き”を得るには納得できるディレクターが必要だ。
海津氏の場合はまさにうってつけだった。コース造成当時から建設会社のスタッフとして安田幸吉・川村四郎両氏の下に従事。コースレイアウトについては27ホールに渡って熟知しており、ここに現実的なL2を設置、造成するのにはまさにうってつけの人。設計者協会の副理事長でもあり、会社も会員も納得のゆくディレクターだ。

工事は自社でOK、9ホールずつ3年で完成へ

千葉夷隅GCの改造は9ホールの増設後、ベント・コーライの2グリーンのうち、コーライをベント化(L93=コーライにオーバーシード)したことで、他に大きな改造は行っていない。
このレディスティの見直しはコース側の「最近は女性来場者が増加し、他コースでもレディスティの設置位置を見直すケースが増えている」ということから決断したようだ。協議の上、ディレクターに海津氏を選任したが、その際、コース側の要望は4点あった。

1.各ゴルフ場で女性シニア選手権が開催されるコースの距離は5,700ヤード前後で開催されていることを考慮して計画のこと。 2.一般女性のレディスティはトータル5,000ヤード前後でやさしいティ位置で計画すること。 3.計画されるLTは、後方のBT、RTの視線の妨げにならない位置に計画すべきであること。 4.カート道路より、できるだけ離れないこと。

海津氏は4点をトータルプランの第一に組み込み、各ホールごとにプランを練っていった。
コース全体のバランスの中で、カート道路や他のティの動線などを考慮して設置するとなるとやさしい話ではないし、完成したL2にしても女性客の共感が得られる景観上の美しさがあることが、海津氏の頭を痛めたところ。
「60〜80平方メートルのティの形にしても単純な幾何学的図形でなく、ホールの形状、傾斜に沿った形に……」とティそのものの傾斜にも意をつくしている。やはり素人のできる扱いではない。もっとも施工の方は自社でOKとか。
「大がかりな池の造成などでは業者の手を借りるが、L2の設置、この程度なら自社で十分対応できる」と海津氏。もちろんその都度ディレクターの指示がある。
工事はこの冬から、毎年9ホールずつ行われ2019年の春にはすべてが完成する予定。
L2は各ホール30〜80ヤード短縮されトータルでは東オールドグリーの5,924ヤードが5,084ヤードに。ニューグリーンでは5,672ヤードが4,832ヤードに。南はそれぞれ5,846ヤードが5,031ヤード、5,569ヤードが4,814ヤード。西は5,866ヤードが5,051ヤード、5,541ヤードが4,786ヤードとなる。
この千葉夷隅GCの試みはレディスティ及び女性客を考慮する各ゴルフコースにとって大いに注目されるところ。成果を期待したい。

(文責・井口紳)

 

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