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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2016 Nov. 協力:一季出版(株)
第41回 女性集客の要・レディスティを考えるの巻
 

この時期、ゴルフコースはいかにして健全な運営を継続できるか?
これまで改造・改修を見てきたが、コース運営サイドが経営をやりくりして作った予算をもってコース改造に取り組む根本は、いかにして集客を図るかということにつきる。
コースの状態を万全なものとし、メンバーやビジターの共感を得てリピーターを確保、そして評判が評判を呼んで「一度プレーしてみたいコース」になれるかどうかが、ゴルフ人口が減少する中での重要な課題であろう。
そんな状況の中で、減少気味の男性ゴルファーに対して注目されているのが女性ゴルファー。高齢化や若年層のゴルフ離れが進む男性に対して、女性はまだまだ開発の余地がある。経済的にも時間的にも余裕がある女性をゴルフにどうしたら引き込むことができるだろうか。
27年度のゴルフ場入場者数速報値によれば女性の延べ利用者数は935万人強。社会生活基本調査の女性ゴルフ人口は164万6,000人でこの入場者数を割ると、平均プレー回数は年に5.7回となる。同様の計算をすると男性の平均は10.4回。女性のプレー回数はまだまだ伸びる余地がありそうだ。
ともあれ、ゴルフそのもの、ゴルフコースが女性から愛されなければ、計算上の数字だけではプレー数の増加は望めない。

現在のレディスティは初心者には少々長すぎないか……

一部のアスリートゴルファーを除けば、ゴルフコースにやってきた女性ゴルファーはレディスティでのプレーとなる。そしてこのティ次第で、女性からゴルフへの興味や愛着を奪ってしまいかねない。
日本ゴルフコース設計者協会監事であり、高槻ゴルフ倶楽部や吉川インターゴルフ倶楽部・メッチャ経営会社の代表である佐藤祐康氏は次のように提言する。
「現在、レディスティの総延長は、5,300〜5,500ヤード前後が多い。しかしそれでは、初心者やゴルフデビューしたての女性ゴルファーにとって、『ゴルフって面白い。ゴルフって飛ばなくても楽しみながらラウンドできるんだ』と思ってもらうには長すぎる。いつもいつもセカンドでフェアウェイウッドやユーティリティばかりでは、しんどく感じるゴルファーがあまりにも多い。当然良いスコアも期待できない」と語る。
この距離のハンディをいかに縮めていくかが、コース側の課題である。
佐藤氏は続けて「これからゴルフ人口増加が全く見込めない情勢の中、少しでも女性ゴルファーに新規参入してもらい、なおかつ、これが重要なことだが、継続してゴルフを楽しんでもらうためには、飛距離という男女間における絶対的ハンディを、ゴルフ場側の知恵で埋める必要がある」と語る。
実際NGK(日本ゴルフ場経営者協会)のデータでは、ゴルフを止めてしまう女性が多いということで、これはゴルフ業界として真剣に考えなければならない問題となっている。
だからこそ「ゴルフを始めてから1日も早くゴルフが楽しいと感じてもらうためには、飛距離差というハンディを克服できるコースセッティングが求められていると思う」(佐藤氏)というのだ。

距離のハンディを埋めるのはレディスティだが、広さ・位置・景観……を間違えると嫌われる

実を語ってもらうと、「ゴルフ場を運営する私の観察では、男性の多くが200〜220ヤードのドライバー飛距離とすれば、女性の多くは160〜170ヤードまでです。男性が145ヤードを7番アイアンで打つとすれば、女性の多くは7番で100〜110ヤードを打っている。ということで女性は男性の約75%の飛距離と言えるでしょう。多くの白ティが6,200〜6,500ヤードとすれば4,650〜4,875ヤードが女性ティ相応の距離と思われる。これならば当然良いスコアも期待できます。もちろん良く飛ぶ女性は従来の赤ティをレディスバックティ的に使えば問題はありません。男性でもティが三つくらいあるのは当たり前なのだから、レディス用に二つあるのは当然だと思います」
ゴルフコースは生き物で、道具の進化に伴いどんなコースでもその時代のニーズに合わせなければならない。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは毎年のように改造を行って変化しているが、原設計者のボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーの名前は消えることなく、むしろ輝きを増している。「クラシック」ゴルフコースは決して「アンティーク」ゴルフコースになってはいけない。
レディスティに関しては、まさしく改善が要求されている。女性ゴルファーが少なかった時代のレディスティから、もっと多くの女性ゴルファーを増やすために広くてきれいな<激fィスティに改修していかなければならない。しかもティグラウンドの改造は安価で改修作業が行える。また、女性用の短い距離のティグラウンドを造ったところでゴルフコースは恥じることはなく、原設計者の名前が廃れてしまうことはない。
レディスティの改造に関して、設計者協会の理事からも様々な提案が出てきた。
「距離が短くても、フロントティの前方数十ヤード先に猫の額のようなティを設けても女性の共感は得ようがない。美しくないし、プレーの動線上からも外れ、全く違ったホールになってしまうこともある。ドッグレッグや高低差のあるホールでは、ティの位置、形状によって全く違ったホールになってしまう。例えばティの前が大きく窪んだホールの場合、打ち下ろしのイメージがレディスティだと打ち上げになってしまう場合も考えられる」(理事A)
「単に距離合わせをしているだけだとゴルフ本来の面白さから離れ、また狭いティでは女性は喜んではくれないでしょう。だからこそコースのことを熟知し、戦略的なこともマネジメントできるコース設計の専門家が位置を決め、形状を決めるべきでしょう。片手間に仕上げるようなことは危険です」(理事B)
「ゴルフ本来の面白さという点では、たとえレディスティといっても、丁寧なホールごとの戦略が必要です」(理事C)
いずれにしても「とにかく女性ゴルファーを楽しさにハメてしまわなければ、回数や人口は増え難いのです」と佐藤氏は力説する。
「女性の年間ゴルフ回数が男性に比べて圧倒的に少ないのは、様々な要因は考えられますが、物理的に長くて隅にあるティばかりでラウンドさせられ、『良いスコアが出ないし、しんどいから面白くない』というのも一つでしょう。きれいなコースで良いスコアが出れば、とりあえずハマってしまうのがゴルフなのではないでしょうか。ちなみにメッチャでは4,777ヤードのピンクティ(従来は5,313ヤードのレッドティ)を造ったのですが、利用者は多いですね」(佐藤氏)。
協会では「そのコースの立ち位置を運営サイドが把握し、それに合わせたレディスティの改造・改修に取り組むことがベストです。ことはレディスだけにとどまらず、今後問題化するシニア及び乗用カート使用の問題も、トータルで考え、バランス良くマネジメントすることが大切です」と提言する。
そして「多くの女性にもっとゴルフが好きになって欲しいから、ゴルフコース設計の専門家に手間をかけてもティグラウンドの位置はベストのポジションに作る必要があります。設計者協会からもっと早く日本のゴルフコースに提唱すべきだったかもしれない」と締めてくれた。

(文責・井口紳)

 

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