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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2015 Sep. 協力:一季出版(株)
第27回 鎌倉カントリークラブの巻
 

原設計/ 朝日建設(株)
改造設計監修/ 佐藤毅

これまで多くのコースにおける改造のパターンを見てきた。この中からコース経営者“オーナー”へ改造改修のヒントを提供できたなら、この連載の意義もあろうというものだがどうだろう。
肝心なことは改造の内容がどうであれ、その改造によってコースの評判が上がったり、公式戦の開催が決定したり、ひいては入場者が増加して営業収支が向上しなければ、その改造も結果的に成功したとはいえまい。
その意味で今回取り上げた鎌倉カントリークラブのケースは、まだ改造途上にあるものの大いに興味を引くケースといえる。

現状に緊急性はないが将来への危機感が改造へ…

鎌倉CCの入場者は多い。併設するパブリック18ホールを含め、週末はもとより平日でも十分な入場者数である。しかも利用者の“声”をネットで見ると、「都内からのアクセスが良好」とされており、同クラスのコースと価格競争することなく営業ができている。
運営会社としては、費用をかけて「なぜ改造しなければならないのか」となるのは当然だ。そうしたコースの状況はメンバーも認める所で、かといって苦情らしい苦情も少ない。ただ、将来を展望するとレディス対策やシニア対策は優先課題であり、「いつやるのか?」に対し、経営的には「体力がある今こそ」その時期に来ているとの判断があったのだろう。
鎌倉CCは昭和43(1968)年11月の開場で、あと3年で半世紀を迎え、48年にパブリック18ホールを併設している。JR大船駅からクラブバスで20分だから都心からも1時間前後でコースに着ける。車の場合も開場後に道路事情が格段に向上し、横浜市内はもとより東京からも1時間そこそこという抜群のロケーション。
加えて18ホール、6,176ヤード、パー72と距離的にはやや短いものの面白いレイアウトであり、この地域の若いゴルファーがこぞって入会したというのもうなずける。気軽に行けるメリットは大きく、メンバーの稼働率が高いというのも当然だ。
ただし、まさにこのことが改造へ進ませた要因にもなっている。なぜなら、オープン当時20代だったメンバー諸兄も、50年経てば70代の高齢となる。ある古参メンバーも「あと10年も経てばメンバーは様変わりするネ」と語る。加えて全国的なゴルファーの減少と、若年層のゴルフ離れが追い打ちをかける。確かに鎌倉の利用者には若者が少ない。
狭く短いレイアウトが若者向きではないのか。
こうした状況に加え「圏央道の開通によって横浜、湘南地区から埼玉方面へのアクセスが大変便利になった」という声もある。
安いプレー料金のコースと競合するという事態も起きてくる。
となれば鎌倉カントリークラブにおける懸案事項を今のうちに解決したいと考えても当然だ。

まずはレディス対策 レディスが喜ぶコースへ

鎌倉CCにはレディスメンバーが多い。飛距離よりは方向性といったレイアウトが女性向きということか。丘陵コースでアップダウンはあるものの、リモコン乗用カートで高低差を克服。
加えて「鎌倉の女性会員はとにかく健康で丈夫」と男性会員が舌を巻く元気さ。なれば女性の声に応えないわけにはいかない。改造監修に当たった佐藤毅氏(日本ゴルフコース設計者協会理事)は、「会社側から、レディスティの改造を依頼されました」と語る。
コース側が重い腰をあげたことになるが、系列コースの修善寺CCが練習場の整備で思いの外の成果が得られたことと、レディスからの改造を望む声が大きくなってきたことが後押しした。「50年近くの時を経て、コースとしての落ち着きはひときわあるものの、ひと昔前の造りで、地形なりの造形による弊害が目立ってきました」と佐藤氏は語る。
まず最初にとりかかったのが3番のパー3だ。平面図を見ると148ヤードで右手前と左奥に二つのグリーン。何の問題もないようだが短い距離で18メートルの打ち上げとなると厳しくなる。
「男性ならロフトのあるアイアンで打ち上げていけるので支障ないが、レディスの場合はそうはいかない。ティグラウンドも男性と同じで、ロフトのないクラブで打つとフェアウェイが壁となって上には行かなかった」と佐藤氏。レディスにとっては切実な問題であろうということで改造の第1弾として選ばれたわけだ。
「2012年の7〜9月に工事をしました。改造といってもティグラウンド以外にいじる必要はないと判断し、バック、フロント、レディスのティを新設。それに伴うカート路の整備、排水、給水の設置などを行いました」(佐藤氏)
レディスにとっては148ヤードで18メートルの打ち上げはきつく、おまけにティグラウンドの面がフラットで「目線の関係でボールが上がりにくい」(佐藤氏)という弊害もあった。そこで三つのティの新設時に前方を高くし、5〜6%の上り勾配をつけてボールを上がりやすいように配慮した。
営業しながらの工事で、フェアウェイ、カート路前方にテンポラリーティを設け対応した。
工事の進行は以下の通り。
既存芝の撤去。支障樹木の伐採。既存アスファルト舗装路(カート路)の撤去。新設雨水桝設置。排水管の掘削と敷設。排水管接続。ティ周りの枕木設置。下層砂の搬入と引き均し及び水締め。次に客土の引き均し及び土壌改良剤の散布。こうしてバック、フロント、レディス各ティを造形し、芝張りに入り、終了後にまんべんなく目砂を散布した。この後周辺の“化粧直し”を終えて完工。
単にティグラウンドの新設といっても2カ月でこれだけの工事を進めるわけで、ディレクターの手腕が問われるところではある。
佐藤氏にとって嬉しかったことは「いつも多忙で、現場に顔を見せないオーナーが工事を見に来られ、コース側のやる気が感じられました」と語る。この3番ホールの改造はレディスメンバーには特に好評で「次はどこをやるの」という声もあがったという。
「もともとレディスティが特になく、厳しいホールも多かったが、こうした声に応えて昨年3ホールのティを新設しました」と佐藤氏。
8番351ヤード、パー4。9番478ヤード、パー5。18番487ヤード、パー5。これらのティもレディスの評判はいい。そして今年は5番、10番、16番ホールにレディスティを新設予定である。

こうした改造への動きは数年前から出ていたという。「それまで別々だったメンバーコースとパブリックコースのメンテナンスが一本化したことも改革の一歩。メンテナンスは大手業者にアウトソーシングしているが、1人のキーパーとなったことは経営効率的にも良かった」と佐藤氏は語る。
新風ということではパブリックコースのクラブハウスを改修し、これがプレーヤーに好評を得ている。メンバーコースのクラブハウスもすでに50年近くを経て老朽化している。ダイニングルームからランドマークタワーをはじめ横浜市街地が一望できる景観は抜群だが、耐震などの理由を待つまでもなくいずれ近い将来の建て替えが必要になる。
ハウスを直せばスタートホールや上がりホールの整備、ハウス周りのティグラウンドや練習グリーンなどの整備も必要。
さて鎌倉カントリークラブの今後の展開はどうであろう。注目されるところだ。

(文責・井口紳)

 

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