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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2015 Mar. 協力:一季出版(株)
第21回 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部の巻
 

原設計/ 加藤俊輔
改造設計/ 加藤俊輔

“日本に本格的なリンクス・コースを追求する”をモットーに、加藤俊輔設計のJFE瀬戸内海GCが海に浮かぶ人工島に誕生して24年余が経過した。日本鋼管(現JFEスチール)福山製鉄所の拡張用地として造られた埋立地をゴルフ場に転用した経緯もさることながら、115平方メートルという広大な土地は本場スコットランドのリンクス同様に日々浮沈を繰り返し、隆起と陥没に見舞われた。英国では草に覆われた砂丘地帯をリンクスランドというが、砂質の地形は日夜動くもので、一晩でグリーンが消えて無くなることもあるという。
 日本の埋立地はそこまで過激ではないがコースの改造・修正は日常茶飯事で、過去20年には100箇所以上の改修が必要だった。土地素材の変幻ぶりもあるが、もう一つは1998年から始まったプロ・トーナメント“全英への道・ミズノ・オープン”開催もその要因の一つだろう。TV映りや試合を盛り上げるため、またギャラリーの観戦場所確保の理由でコースを手直しするからだ。出場選手の技量向上と、ギャラリー観戦のためにやはり100箇所以上の改造をした“マスターズ”の舞台、オーガスタナショナルGCはすでにマッケンジー博士とジョーンズのオリジナル設計の姿はない。J. ニクラスやT. ウッズの出現で樹が増え、バンカーが増設され、ラフまで出現したからである。
 JFE瀬戸内海GCの開場当時は平坦なフェアウェイ、平均900平方メートルという大きなグリーン、大きなバンカー、池のハザード沿いにはビーチ・バンカー、椰子の木が佇むアメリカン・リンクスをイメージさせるコースだった。陥没と隆起する地形を修正する20年間に、設計者・加藤俊輔のリンクス志向が強まり、スコットランド・リンクス風な景観も生まれている。3年前からコース改造を進め、いまだに道半ばながら風がハザードになるスコットランド・リンクスの景観も増えている。いわばアメリカン・リンクスと本場スコットランド・リンクスが混在しているわけだ。
“平坦なフェアウェイの林間コースこそ日本式良いコース”の条件といわれて来た時代に、“山にあるリンクス・コース”を提唱した加藤式デザインはどのように生まれたのか? JSGCA(日本ゴルフコース設計者協会)の初代理事長を務めた加藤氏に話を聞いた。

開場後20年は改造・改修の繰り返し

……熊谷組の設計部長を経て独立、その最初の仕事が伊豆GC(1986年設立、現伊豆ハイツGC)でした。これをリンクス調のコースに設計した理由は?

加藤 元の地形です。アウト9ホールの予定地は茅の産地だったために樹木がなかった。そこで英国リンクスの造形にするために本場を探訪しました。スコットランド北端のロイヤル・ドーノックGCに魅せられて研究しました。ボール・ゲームの醍醐味としての原形こそリンクスだと考えたからです。

……リンクスに誕生したゴルフが米国に渡って樹木や池が生まれ、ゴルフが空中戦になったが、地表を転がるボールをいかにコントロールするかがゴルフの原形だと…。

加藤 そうです。起伏豊かな地表に落ちたボールがどう跳ね、どう転がるか?を考えるのがゴルフの原形だから。

……日本にも大洗GC、川奈・富士C、大阪・淡輪などシーサイド・コースはあったが、本格的なリンクス志向のコースはなかった。

加藤 それがJFE瀬戸内海GCでは出来るという判断です。

……ここ3年間で改造した3番ホール(213ヤード・パー3)や同じくパー3の8番グリーンの改造設計の狙いは?

加藤 3番ホールは原設計のグリーンが平凡な丸型のグリーンだったので、逆Lの字型にして、場所によっては3%勾配の複雑なグリーンにしました。旗の位置次第ではボールがグリーンからこぼれる部分もあります。

……8番ホールは?

加藤 原設計はグリーンの奥に池を配したおとなしい姿だったので、改造では、グリーン右手前に池が迫る逆レダン・タイプのグリーンで、欧米のリンクスにあるような難度の高い形にしました。レダン・タイプのグリーンとはターゲットが斜めになる形で、距離と方向を同時に問う形です。また、全体のイメージは米国のパインハーストGC#2コースのグリーン造形に近く、砲台型で間違った回転のついたボールはグリーンから出てしまう形にしました。斜めのグリーンの右半分は3.5%の受ける勾配ですが、奥は13.2%の急勾配で奥に転がり出る形にしました。これもプロ・トーナメント開催時には旗の位置次第でドラマを招くはずです。トーナメント・コースとして難度を上げ、欧米のリンクスに近い姿を追求したのです。

……その意味ではまだまだグリーンの改造は続く?

加藤 10番ホールのグリーンを奥に下げて距離を伸ばし、15番のワン・オン可能なパー4ホールも手直ししたい。

……太平洋C御殿場コースも同じように18番ホールをトーナメントのために何回も改造しましたね。テレビ映りやドラマの大詰めに必要な舞台装置だと思いますが、ここJFE瀬戸内海GCの18番は?

加藤 一番大きな問題は第1打のランディング・エリアのフェアウェイを左傾斜とし、フック・ボールで距離を出すことを禁じたレイアウトです。海側の左からフェード・ボールを要求したのです。右はポット・バンカーと樹木、マウンドでガードしたのですが、その大事な右側のマウンド部分が陥没、フェアウェイが平坦になってしまった。これもいずれ手直しして、戦略性を確保したい。今のプロは飛距離が出る上に、試合ではティを前にするので2オンが楽になっている。10%以上のフェアウェイの傾斜がなければあの18番ホールの攻略は楽すぎる。第2打がアイアンで2オン可能だから。2オンしても3パットになるような複雑なアンジュレーションを考えたい。

……するとこのコースはまだまだ進化を続ける訳ですか?

加藤 私の理想はアイルランド西海岸のベルマットにあるカーン・ゴルフ・リンクス(エディー・ハケット設計、1995年開設)。歴史は浅いが本物のリンクスで、初めて見た時は驚くほど奇抜な造形があった。巨大な砂丘のマウンドとグリーンの造形がしっくり落ち着いていて、いつかピート・ダイと話していて、彼もカーンが大好きだと言っていた。理由を訊くと、「いつ行っても空いているからね」と冗談風に言うのは僻地にある隠れた宝石リンクスだからだろう。意外性のあるグリーン位置やフェアウェイの形が新鮮で、攻略意欲を掻き立ててくれるのです。

……本場アイルランドやスコットランドのリンクスにはデューン(dune)と呼ばれる大きな砂丘がある。ここには高低差の少ない平坦な地形なので理想のリンクス設計が難しい?

加藤 その部分では白紙に絵を描くような発想の自由さがある。初めてここへ来た時には“海の中にホールを描く”ような気持でした。

……改造設計にはその目的に応じて、改修・改造・改善と3種類の方式があるのですが、JFE瀬戸内海GCの改造設計はそのrepair、re-constoraction、impruvementのどれに該当しますか?

加藤 そのすべての方式でやっているのが実情でしょう。人口の埋立地にコースを造成するという特殊な条件でしたから、時代と共に手直しを必要とするのは当然です。それだけ、時代やトーナメントに合わせて改造や改修が可能になる。手間暇をかけてより良いコースへ育てることが出来るのは良いことだと考えます。

(文責・西澤忠・名誉協力会員)

 

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