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コース改造設計のオピニオン・プラザ
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2014 Aug. 協力:一季出版(株)
第14回 岐阜関カントリー倶楽部東コースの巻
 

原設計/ 上田 治
コース改造設計監修/ 川田 太三

岐阜関カントリー倶楽部といえば、数多くの名コース、クラブを擁する名古屋圏でもコースの内容、クラブ運営ともに一目置かれる存在。過去に日本プロゴルフ選手権、日本女子オープン、日本女子プロゴルフ選手権などの開催でその名は全国区といっていい。
昭和41年に18ホールを開場。その後36ホールになっているが倶楽部発足のいきさつなどを知ると往年の社団法人倶楽部のテイストが感じられる。
コース設計は当時、東の井上誠一に伍して双璧といわれた西の上田治が当り、思う存分に上田イズムを展開した。当然、会員諸兄のコースに対する愛着は深く、プライドも高かった。ワングリーン化といっても簡単なことではないように思えた。

ワングリーン化は原点回帰だった

改造へのアプローチは意外なほどスムーズだった。「元々、上田さんの設計ではワングリーンだった」と森潤支配人。
首をかしげたくなるが早い話、その設計ではワングリーンだったのだ。「上田さんの設計はワングリーン。ただ芝管理上グリーンの半分をベントとし半分をコーライにしたと聞いています」(森支配人)。その別々の部分が数十年を経て小さな2つのグリーンに分離してしまったという。その証拠にグリーンの間にはバンカーは一つもなかった。「小ぶりの2つのオワン型のグリーンになってしまったわけで、カップを切る位置にも困る状態でした」(森支配人)。
上田治の原設計へ戻るということでこの計画に異論は出ようはずもない。すでにその7年前に東コースは全てベント化されていたため、管理も問題なく1グリーン化が決定。改造監修は日本ゴルフコース設計者協会の川田太三理事長に委嘱された。
改造工事は平成17年2月に始まった。コース側の要望で9ホール営業を続けながらの工事となった。1番ホールと18番ホールの入れ替えという問題もあり、まず10〜13番、5〜9番ホールの9ホールから着手。次に1〜4番、14〜18番ホールにかかった。翌年の9月には18ホール全てが完成した。
この改造工事のポイントは、「メインはワングリーン化でしたが、同時に時間が変えてしまった部分の手直し。つまり自然の変化とゴルフ事情の変化などにゴルフコースを対応させる」(川田氏)ことだった。例えば250ヤード付近のフェアウェイバンカーにしてもオープン当初はトッププロがつかまるものであったが、現在ではプロや上級者は軽々とそのトラップを越えていく。つかまるのはアベレージクラスのゴルファー達。
これではなんのためのトラップなのか「弱い者いじめ」のそしりをまぬがれない。「ですからフェアウェイバンカーを30ヤード程、先に移していただきたいと要望しました」(森支配人)。
これなど時間的な誤差への顕著なもの。
さて最大のテーマである小さな2グリーンの統合だ。平均600平方メートルのグリーンをどこに置けばいいのか。左か右か、真中か。原設計を参考にするため古い図面を何度も研究した。この原設計にプラスし「風通しや日照にも配慮して」グリーンの位置は決まっていった。「グリーンを中心にして東西・南北を考慮し、風通しもポイントとした上でどこにグリーンを置くのがベストか。例えば北に向かうホールの場合、原則として右サイドには置きたくない。午後の日没までの紫外線は強烈。グリーンが北に向かって右サイドにあると朝日が入らず、西日は樹林の影もかからない。この紫外線をたっぷりと受けてグリーンに熱がこもってしまう。夏場など芝の根は夜になっても熱を保ったまま。こんな状態で水を撒けばどうなるか、根はうだってしまう」と川田氏。
こうして原設計を参考に日射し、日照の問題をクリア、そして攻略性を加味して新しいグリーンは造られていった。

トーナメントは52週のうちわずか1週間のこと

さて、そのグリーン。600平方メートルと大きくなっただけに、大きなうねりをもったものをイメージしてしまうが、この改造では段差50cmの2段グリーンは18ホール中わずか4ホール。少ないのではとも思えるが、この事情を川田氏は「この倶楽部の場合、レベルの高い人が多く、もともと難しいコースながら、もっと難しくして欲しいという声がありました。全長7,256ヤード、パー72で公認のコース・レートが74.9。充分すぎる難度と思い、よく聞くと大型のトーナメントを想定してのことらしい。難しくといってもそのトーナメントは年52週のたった1週間のことにすぎない。難しくということであるならば、トーナメントをそういうセッティングにすればいい。フェアウェイの幅、ラフの長さ、グリーンの速さ…などいくらでも調整できる。要はセッティングが可能ならばいい」と。
なるほどごもっとも。数多くのコースの中にはそういうセッティングが不可能であるものだってある。グリーンは相応の大きさを得て、カップを切るのにも苦労しなくなったことはいうまもでもない。

最終ホールはストロングパー4

最も大きな変化であった当初の1番ホールと18番ホールを入れ替える作業はどうか。元々1番はパー4。18番はパー5だったが、川田氏の理念として「フィニッシングホールはストロングパー4でありたい」という思いがある。
歴史的なメジャー大会のコースでもフィニッシングホールはパー4が多い。マスターズのオーガスタナショナルの18番はあまりにも有名だが、全米・全英オープンでもこうしたパー4で歴史が繰り返されている。ビッグイベント開催を目指す岐阜関・東コースには欠くことのできない要素と考え、コース側も反対する理由はなかった。
新しい18番のグリーンは元の1番ティを囲む観覧席の土手の間にスポッとおさめることができた。
このホール間の樹林、谷などを刈り込み芝を植え、これまでOBだったゾーンも無くした。
改造なった14番パー3。ティグラウンドからグリーン方向を見渡せば奥に木曽御岳の雄姿が浮かぶ。樹影を作るのは杉・檜をはじめメタセコイヤ、楠、椎など。季節ともなれば桜が彩をそえ、四季折々の草花が目を楽しませてくれる。
岐阜関カントリー倶楽部が目指すビッグイベントの開催にはなんの障碍もなくなったのは確かで、その時が大いに待たれてならない。

(文責・井口紳)

 

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