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コース改造設計のオピニオン・プラザ
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2013 Dec. 協力:一季出版(株)
第6回戸塚カントリー倶楽部・東コースの巻
 

原設計/ 間野貞吉
改造設計/ 大久保昌
エンジニア/ 山賀敏夫

戸塚CCは2011年に開場50周年を迎えた。都心に近い立地条件から、関東でも評判の人気コース。その証拠に2005年、第38回日本女子オープンでは、4万8,677人の最高入場者数を記録した。宮里藍プロが初優勝したこともあるが、交通至便、井上誠一設計の西コースという条件も加わった記録だろう。未だにその記録は破られていない。

戸塚CCには多くのトーナメントの舞台になった西コースより1年前に開場した東コースがある。東大工学部建築科卒の設計家、間野貞吉の手になるコースは敷地面積の関係からこじんまりした18ホールであった。西コースと比べると7対3の入場者比率で、狭くて、暗いという理由からプレーヤーに敬遠されやすいコースであった。

そこで、2007年から大久保昌設計で、ワン・グリーン化改造の工事をし、2年後の春にサブ・グリーン撤去の跡地を修復、営業しながらの改造を終えた。ペンクロス芝のニュー・グリーンと乗用カート道路の新設で人気は高まり、今ではプレーヤーの入場者数も5対5の比率になっている。ゴルファーの高齢化、乗用カートの普及もあるが、シニアやレディスの人気をかち得た改造になったと評判である。

そこで、大久保昌氏にワン・グリーン化改造設計の狙いと実際、距離の延長や周囲の林帯の処理について一問一答をお願いした。元の2グリーンから一つを外すだけではない改造設計の要点が浮かび上がるものと思われる。

時代にマッチしたニュー・グリーンを造成する

―井上誠一氏とは龍ヶ崎CCからのお付き合いで、この戸塚CCの創設当時についてお聞きしていましたか?

大久保昌 なにしろ40万坪の丘陵地帯で、会社側は36ホール新設を目指していたとか。そこで、井上氏は36ホールは無理だから、27ホール建設を提案したが、昭和32年のカナダ杯での日本チーム優勝で、第1次ゴルフ場新設ブームでしたから、受け入れられず、東コースが昭和36年12月に間野貞吉設計で完成し、当時は川上コースと呼んでいた。名瀬コース(現在の西コース)は1年後の10月、井上設計で完成する。ゴルフ・ブームで、完成すればゴルファーが殺到する時代でした。

―その東コースのワン・グリーン化設計を任されて、どのようなコンセプトで臨みました? また間野貞吉設計のコースを見た感想は?

大久保 クラブ側は東コースの人気回復が狙いで、なんとか東西コースの人気を平等に、また乗用カートの導入で、シニア・レディスにも好評になる明るいコースを!という依頼主旨でした。間野貞吉の設計は尾根あり沢ありの丘陵地に巧く18ホールを配置したルーティングだと思いました。しかも2グリーンです。Aグリーン(メイン)が平均450平方メートル、Bグリーン(サブ)が350平方メートルで造られていました。私の方針としてはAグリーンを拡大してホール中央に置き、Bグリーンを撤去するという簡単な方式ではなく、そのホールの持つ戦略性に合わせてどちらかを選び、まったく新しいグリーンを考案する方式にしました。なにしろ、敷地の狭さに加えて、樹林帯のフェアウェイ側に植樹をしたらしく、時の経過でホール幅は狭く、攻略ルートに影響が出るほどでした。だから、グリーン改造だけではなく、法面を削ってフェアウェイ幅を広げたり、樹木の伐採をしたりの工事になりました。そのせいかコースが明るくなったと評判を呼びました。

―メイン・グリーンを選択して拡大した。その大きさは?

大久保 平均530平方メートルを目標にしました。フェアウェイ幅、グリーン周囲の景観から考えると、その大きさがベストだと思ったのです。それに、なにかの資料を読んで、米国のプライベート・クラブのグリーンの大きさがそれくらいと知っていましたから。

―ホールが持つ戦略性に合わせて攻略ルートを確保。メイン・グリーンの位置と大きさを考慮して新しい形と起伏を考えた?

大久保 その通りです。だから、サブ・グリーンを選んだホールもあり、8番と18番ホールはBグリーンの位置で新設しました。ニュー・グリーンを造成し、周囲のバンカーやマウンドを考え、新しいグリーンとしてどう戦略的なグリーンになるかを考えたのです。

ワン・グリーン化と同時にパー3ホールの改修

大久保 その実例として、3番ホールを説明しましょう。3番、364ヤードのパー4はいわゆる“ショート・パー4”で、距離の短いわりに難しさを演出する必要のあるホール。左に緩く曲がるフェアウェイの右奥に新しい砲台型グリーン位置を決め、サブ・グリーンの跡地はラフ・エリアにしました。フェアウェイ右側は法面がグリーンまで続く。グリーン正面左手前はバンカーで、右手前のバンカーは約20ヤード手前に離して置きました。これは法面にバウンドしてショートしても寄せやすいエリアを持たせるため。第2打が短いアイアンになるので、グリーン・オンを外しても右からなら寄せワンが利くようにしました。他のグリーンも転がって乗せるグリーンは少なく、入口となる花道も正面ではなく、左右に振っていますからセカンドを打つ前にグリーンへの入口を考えて攻める必要があるはずです。

―次にパー3ホールに改修を加えている?

大久保 元の東コースにウォーター・ハザードはほとんどなく、4 番のグリーン前の池は小さかったので、拡大して護岸を改修しました。“ウォーター・カムズ・インプレー”(攻略に池や川がからむ設定)にしたわけです。またインの12番のグリーン左の池には渚バンカーを新設して、景観とともに難度を上げました。右手前にはバンカー、左は渚のある池で、221ヤードと距離のあるパー3は個性的な姿になったと自負しています。“パー3ホールはコースの顔”と言われるのだから、個性を出すべきと思います。

―サブ・グリーンの跡地処理の考え方は?

大久保 マウンドと植栽が基本ですが、ハロー(窪地)や池(14番)にしたのが3ホールです。カート・パスを通し、マウンドで道を隠す方法もやったので、思い通りにサブ・グリーンの跡地は処理できたと思います。

―ニュー・グリーンのアンジュレーションについては?

大久保 基本的には西コースの井上設計とマッチさせる考えでした。井上流グリーンは受け傾斜に微妙なマウンドを置いて、複雑なラインを生み出す設計で有名です。米国人設計のように大きな段差や急傾斜は、ピン・ロケーションのためにはデッド・スペースになりやすいので避ける方針でした。最低でも4箇所のピン位置を確保するため、段差のあるグリーンは2ホールだけにとどめました。

―半世紀の歴史で樹木も成長したので、伐採も断行してコースの雰囲気が明るくなった。乗用カートとも関連して、レディスやシニアの人気を得た。

大久保 コースは時代とともに進化すべきで、ワン・グリーン化改造設計、乗用カートの導入もこの時代要請でした。そんな時代のワン・ステップとして、戸塚CC東コースの改造設計に関与できたことは、一設計家として誇りに思います。

(文責・西澤忠・名誉協力会員)

 

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