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コース改造設計のオピニオン・プラザ
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2013 Sep. 協力:一季出版(株)
第3回横浜カントリークラブ・東コースの巻
 

原設計/ 相山武夫・竹村秀夫
改造設計/ 佐藤謙太郎

つい先頃の5月、横浜CC東コースで、2013年関東女子アマ選手権が開催された。十代の選手が上位を独占するようになって久しいが、15歳の永井花奈選手が3日間をアンダー・パーの70でラウンド、6アンダーで初優勝した。
横浜CCといえば距離と規模から西コースがメイン・コースで、過去に日本オープン(昭和53年、S.バレステロス優勝)などのトーナメントを開催して来た。一方の東コースは歴史は古いが、クラブハウスの移転問題によるルーティング変更や部分改修で多岐にわたる紆余曲折があった。
それを平成11年、東西(2)コースのワングリーン化改造計画がスタート、東は佐藤謙太郎氏の改造設計で、翌年にインの9ホール、さらに2年後にアウト9ホールのワングリーン化改造を完了させた。
新世代の芝種TドミネントUを採用したワングリーンはアゴの高いマウンドと深いバンカーにガードされるアメリカンタイプの造形で、まったく新しいグリーンの出現だった。従って、古くからのメンバーやレディースには手強いものとなり、従来の日本的受けグリーンで花道を転がして乗せる攻略が排除されたことで不満も出たと聞いたもの。
しかし、佐藤氏の改造設計の本意は、自然素材の敷地が狭く、距離の短い(6,400ヤード台)ものなので、「グリーンに難度を求めた」(佐藤氏談)結果だった。
その後も、改造は続き、平成21年にはメンバーの平均年齢68歳に配慮して、コース内の高低差を出来るだけ解消する大規模工事を実施した。外部からおよそ50万立方メートルという土量を運び、アウトは練習場を含めてすべてのホールを、インは10、11番と13番から16番までの改修だった。
佐藤氏によれば「フェアウェイ・バンカーをティから230〜270ヤードに配置して、アスリート系ゴルファーの戦略性に要求度を増した」と説明する。
6,400ヤード台の距離で、アスリート系からアベレージ・ゴルファーまでの戦略性を満足させるという課題への挑戦だった。

※横浜カントリークラブ・東コース
 原設計/相山武夫・竹村秀夫
 改造設計/佐藤謙太郎

Q1. 距離の短いコース故に、グリーンに難度を求めた改造グリーンの印象は?

<中嶋隆雄・協力会員>
アンジュレーションの大きいグリーンで、アゴの高いバンカーが正面をガードするので、日本の古いコースに多い、受けグリーンを手前から攻めるだけでない戦略性を感じた。グリーンへの入口(花道)を考慮し、グリーンから逆算した攻略ルートを探る必要性がある。

<武居振一・協力会員>
佐藤氏の改造設計は想像以上の出来栄えで、日本式林間コースを英国風インランド・コースに再生させたと思う。グリーンへ至るベスト・ルートが明確である。

Q2. アゴの高いバンカー、砂面を見せるバンカーの造形については?

<中嶋隆雄>
三次元的なバンカー造形は設計者の審美性を表現している。この点でいえば、この改造は佐藤氏のTリ・デザインUだと思う。ただ、アスリート系ゴルファーへの対処となるグリーン周りのバンカーを厳しくし過ぎると、アベレージ・ゴルファーにはやや難しくなる。

<武居振一>
立体的に見えるバンカリングは設計者の真骨頂で、3番と11番のパー5ホールで、第1IPのフェアウェイを狭めるバンカー配置は秀逸だと思う。
―3番は元432ヤードのパー4だったものを490ヤードに延長したパー5ホールで、グリーンへの打ち上げ傾斜を土量工事で緩やかに改造したもの。ドッグレッグ角度が逆だが、11番のパー5ホールも同じ手法で改造された。
先頃の日本女子アマでは3位に入った木村彩子選手がその3番でツー・オンに成功している。3ラウンドでパー・プレー以下の選手が7人いたことで、アスリート系ゴルファーにも攻め甲斐のある改造設計だったことが証明された。
改造を担当した佐藤氏は「近代ゴルフとはフィールドがすべてのプレーヤーに公平であり、審美性の中に挑戦意欲と感動を覚える戦略的コースであるべき」と表現している。

Q3. 最終18番ホールは谷間の凹型フェアウェイにバンカーはなく、砲台グリーンに左右の段差をつけた距離の長いパー4。最終ホールの理想形とは?

<中嶋隆雄>
距離のあるパー4ホールが理想的。リスク&リワード(危険と報酬)のルートがティで鮮明にイメージできるべき。オーガスタの18番のように。
―436ヤード・パー4の18番ホールについて、佐藤氏は「距離のあるパー4ホールが理想で、ここではフェアウェイに樹木を残しただけで登り傾斜のフェアウェイにバンカーは置かなかった。第1打で飛距離を求め、グリーンの難度を上げることで劇的なフィナーレを演出したかった。グリーンは左右が高く、真ん中にディッチ(ditch=溝)を縦に走らせた。旗の位置次第でドラマが生まれると思う」と説明する。

Q4. 設計家は修業時代に巡り合った著名なデザイナーの手法に影響を受けるものか?

<中嶋隆雄>
ジャック・ニクラスが日本で設計したコースを多く見たが、佐藤氏のバンカー造形には彼のスタイルがあると思う。
―この点について佐藤氏は「ニクラス設計のコース造成に建設会社の関係で関与したことがある。ニクラスの図面をもとに造形する設計家のジェイ・モリッシュ(Jay Morrish,1936〜)やリー・シュミット(Lee Schmidt,1947〜)とともに現場を経験した。千葉の『上総モナークCC』や『ベアズパウ・ジャパンCC』(滋賀)で、ニクラスのバンカリングに影響を受けたと思う。グリーン側の砂面を持ち上げて、プレーヤーの視覚に入る造形などだ。ただし、ニクラスは砂面の傾斜が強く、平均1.2メートルの高低差でも深く感じる造形。私は斜面を緩やかにして落ちたボールが平らな砂面に戻って止まるようにしたい。そうすれば1.5メートルの深さでも脱出しやすくなるから」と独自な手法も学んでいる。
また、グリーンへの入口については、「常に正面にあるとは限らない。プレーヤーの攻略ルートに対して対角線になるように造りたい。入口の場所はホール・レイアウトによって千差万別だが、次のティへ行く出口が左なら右に、その反対とプレーヤーの歩くルートに準じている。入口と出口でグリーンの形とアンジュレーションも変化するはず」と説明する。
古くはC.H.アリソンの設計と造形に触れた井上誠一(東京GC朝霞)や上田治(廣野GC)がその後の自分の設計に影響が現れることは自然で、創造の仕事に携わる人間の宿命ではないだろうか?
少し前の話だが、友人の奥様ゴルファーがこの東コースで関東女子シニアの地区予選に参加して、トップ通過を果した。「よほど良いゴルフをした?」と問うと、彼女は「私の技量ではパー・オンを狙えるグリーンではないので、花道を探して打ち、寄せワンに徹しました」と答えた。そこで設計者の佐藤氏にその話をすると、「それが正解です!」と笑顔で言った。
6,400ヤード台の距離で、アスリート系とアベレージの両方に高度の戦略性を満足させるこの改造設計が成果を挙げている。
聞けば、西コースを米国の人気設計家で大きな改造を計画中とか。横浜CCが京浜地帯の話題のコースに生まれ変わる日も近いのではないだろうか?

(文責・西澤忠・名誉協力会員)

 

 
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