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河川敷ゴルフ場の改造・高齢者にも面白いコースへ
(高槻ゴルフ倶楽部の改造から)
日本ゴルフコース設計者協会
賛助会員 高槻ゴルフ倶楽部
社長 佐藤祐康
 

コースの成り立ち

高槻ゴルフ倶楽部は、淀川の河川敷にあるパブリックコースである。近畿の水がめと呼ばれる琵琶湖から、大阪湾に注ぐ全長約75kmの流れのほぼ中間地点に当コースは位置している。
河川敷ゴルフ場と言えば水害を連想される方も多いと思う。当コースも例外ではなく当コースの歴史イコール台風水害、水との闘いであったと言っても過言ではない。1グリーンが主流の現在でも2グリーンを維持しているのは、万一冠水した場合に、メインとして使用しているL 93のベントグリーンが枯死しても、サブグリーンのティフトンは生き残ってくれるからであり、営業上の必要性に迫られてのことに他ならない。
コース規模は、約28万平米の中に5,422ヤード、18ホール、パー70をはめ込んでいる。通常の18ホールのコースの約4分の1の面積に、18ホールをまさに「はめ込んでいる」という表現がふさわしいレイアウトは、開場当初から今も変わらない。河川敷といえば「真っ平ら」というイメージがすぐに浮かぶと思う。まさに真っ平ら、打ち上げ打ち下ろしの変化は無く、おまけに当コースの場合は狭い、短いという要素まで加わっている。
所在地の高槻市は大阪・京都まで20分のベッドタウンである。そのため、若い初心者から上級者、リタイアされた高齢者、そしてバリバリのジュニアまで訪れるゴルファーの層は実に幅広い。私は一河川敷ゴルフ場の経営者として、プロのコース設計者とは少し違った観点から、どのようなコンセプトで自社コースをリモデルし続けているかを述べてみたい。

改造のテーマ

当コースは老若男女幅広い来場者層のなかでも、年齢層の高いゴルファーの比率が特に高い。フラットだから疲れず、若い時ほど飛ばなくても対応できる短めのヤーデージだからだろう。そのような体力の衰えたゴルファー達が、一日中歩いてプレーしても疲れず、適度な運動としてのゴルフを気軽に続けられる河川敷コースは、今後高齢者がマジョリティーになっていく日本では、とても貴重な存在だと思っている。
そんな高齢者にも、そしてそれ以外のあらゆる層のプレーヤーにも、ゴルフの楽しさを感じつつ、飽きること無くいつまでもゴルフを続けてもらいたい。そんなコースを目指して改造を行い続けて、およそ15年になる。
私自身はプレーしていて面白いと感じるコースとは、ターゲットへの方向・角度と距離を「考えて打つ」という要素が含まれているコースだと常々思っている。言い換えれば、角度と距離を「考えて打たなければ」スコアがまとまりにくいコースこそが、面白く、そして印象に残るコースだと思う。
当コースの場合、河川敷ゆえに風の強さと風向を読む面白さには不足しない。しかし狭い河川敷だから、長さも広さも変えられないしアップダウンもつけられない。となると、グリーンを狙うショットとカップを狙うアプローチを、乗り易く、寄り易いアングルを考えて打たなければ良い結果につながらないようなデザインにすることが、面白さを体感できるコースとなり得るひとつのポイントだと思っている。
乗せるとしたらあそこしかない。寄せるならこちらからしか寄らない。となれば、ティショットはあの辺に運ばなければならない。そんな逆算の組み立てを、プレーヤーに考えてもらえるようなコース造りを常々イメージしている。
私は以前から高齢のゴルファー達のプレー振りを見ていて強く感じるのは、年齢を重ねると共に若い頃は打てたはずのキャリーボールが、きちっと打てなくなってしまうということだった。
そんな力の衰えたシニアゴルファーを考えた場合、グリーン手前にハザードを置いてプレーラインに角度を付けたり、エントランスを絞るホールは最小限に留めたかった。ちょっとしたミスショットが、距離が足らずにバンカーや池に入ったのでは、楽しみを感じる前に「苦痛・ストレス」を感じてしまうと思うからだ。
しかし、キャリーボールの打てなくなった年齢層のプレーヤーにも、バリバリの若手にも「手応えのある面白さ」を感じてもらうにはどんな手法があるのだろうか、と模索している時に出会ったのが本場スコットランドやアイルランドのリンクスコースだった。

リンクスの学ぶボールゲームの原点

基本的にはフラットな地形(日本の河川敷とは比べ物にならないほど起伏に富むが)の中にあって、ボールの転がり方が予想もつかない立体的なうねりと、複雑なコンター(等高線)がグリーンの外から内部にまで、途切れることなく連続して交錯する。そんな強烈なアンジュレーションの中でのプレーには、他では体験できない異次元の面白さがある。「ゴルフとは、コンターラインが描く曲面にボールを転がすことから始まったボールゲームである」ということを、強く感じずにはいられない。
全英オープンで世界のトッププロが、グリーン外からでもパターなどで転がしてアプローチするシーンをよく見かけるが、「ライが薄いためにウエッジだとはじかれて上手く打ちにくい」との理由付けはちょっと違うのではないかと感じている。グリーンやグリーン周辺のランディングゾーンのうねりが想像以上に激しいために、球を上げるアプローチでは落とし所があまりにもピンポイントすぎて、落とし所から少しでもズレたボールは予期せぬ方向へ転がってしまい、ラインが出せないケースが多い。そのため最初から転がしてラインをつくるほうが寄る確率が高いから、なのではないだろうか。
空中戦の成否で答えの出るゴルフとは違った種類の難しさと面白さが詰まっているのが、リンクスのデザインだ。よく飛ぶキャリーボールが打てるからといって、最終ターゲットへはイージーには辿り着けない。ピンに向かって直線的に飛ばしていくゴルフは通用し難く、より良いアングルから攻めることが絶えず求められる。
そんなリンクスの特徴を私なりの言葉で表現すれば、「必ずしもキャリーボールが打てたからといって有利ではなく、キャリーボールが打てないからといって不利にはならない、万人にフェアなデザイン」ということになろうか。
カップまで遠いか近いかの違いだけの単調さではなく、グリーン周辺も一体となった立体的曲面に、ボールの転がるラインをイメージすることを要求されるデザインなら、熟練のシニアゴルファー達も、面白さと手応えを感じるだろう。昔鍛えた得意のランニング技を活かすこともできるし、攻める角度を考えながらの頭脳的プレーがツボにはまれば、スコアだって若い時に近づけるかもしれない。
いっぽう、ウエッジでのロブショット一辺倒の若手ゴルファー達は、グリーンを外した時のリカバリーショットで寄せきれずにスコアを乱すから、一緒にラウンドしていても優越感に浸れる。バリバリのパワーヒッターが空中から狙い打ちしてくる場合でも、ランディングエリアの傾斜によっては想像以上にボールをはじかれてしまい、手こずるに違いない。
「おいでおいで」の工夫の無い易しいデザインでは飽きられる。かといって、キャリーが出ないと越え難いようなハザードを多用したデザインは、シニアゴルファー達には、思いのほか苦痛となっていることが多いように感じる。
これからの日本では、キャリアは長くそれなりのレベルのゴルフも経験してきて目は肥えているが、いくらボールとクラブが進化しようとも、寄る年波には勝てないシニアゴルファー層が増え続けることは間違いないのだ。

 

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