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コース改造とIPについて
日本ゴルフコース設計者協会
理事 嶋村唯史
 

IPについて

プレー中あるゴルフ場のオーナーに、IPって何のこと、どういう意味ですかと聞かれたことがあります。
IPという言葉自体はよく耳にしますが、実際に理解している人は意外と少ないようです。一般的にはホールにおけるティーショットの落下地点、あるいはコースレート査定時に設置する基準点(250ヤード)など、使い方もそれぞれで、明確な定義のようなものはないようです。ではゴルフの先進国といわれるイギリスやアメリカではどうなのか、アメリカでコース設計をしている友人に、参考までに聞いてみたことがあります。
答えはIPと言う言葉は聞いたことがなく、強いて同意語を捜せば、ランディングエリアあるいはターニングポイントではないかという返事でした。イギリスのコース設計に関する古い文献(図面)を調べてもホールの折れ点は明示されているのですが、当時この点をIPと呼んでいたかどうかはわからないようです。むしろ英米のコースではポイント(点)ではなくゾーン(面)として捉えていたようです。つまりIPと言う言葉自体は、世界に通じるゴルフの専門用語ではなく、野球用語の「ナイター」と同じように日本での和製英語として一般化してきたのかもしれません。
特にIPに該当する言葉を挙げれば
・INTERSECTION POINT
・INTERPIVOT POINT
・INTERMEDIATE POINT
同意語としては
・DOG-LEG(ドッグレッグ)
・LANDING AREA(ランディングエリア)
・TURNING POINT(ターニングポイント)
などが考えられます。

IPの語源

ではIPの用語は日本でどのように生まれたのでしょうか。
日本でのゴルフ場造りは基本的に土木工事としてスタートしました。そして工事を進めるためにはまず許認可(施工)図を作る必要があり、そこで考えられた手法がホール間を繋いで全体のルートプランをひとつの道路と考える路線計画の導入でした。その後この流れがゴルフ場計画の図面(縦横断図)作成の基本パターンとなっていくのですが、当時はこの方法が効率且つ有効的でまさにグッドアイデアだったのでしょう。
路線計画は道路センターを中心に曲線を継続してラインを作っていきます。このカーブ部分を作るラインの延長上の交点(折れ点)を測量用語でIP(INTERSECTION POINT)と呼びます(図-1参照)。
特にゴルフコースの場合は角度(ドッグレッグ) 90度、幅員は50〜70m以上に設定することが多くIPは必然的にホールのセンターに入ってきます。そして工事中コース設計者が行う現地監修(インスペクション)も「IPから何メートル右の位置にバンカー、あるいはマウンドを造るように……」と、常にこの点を基準として各種ハザード配置の指示を出すことになります。つまりIPは現場管理上も重要な基準点として竣工まで残っていくことになるのです。そして完成まで残された測量点の名称が、そのままIPの言葉になっていったと考えられます。根本的にゴルフ場造りの手法(造園工事)が日本と異なる欧米のゴルフ場にこの言葉がない理由も、このように考えると理解することが出来ます。

設計者が考えるIP

言葉の問題は別として、コースのIPには継承されてきた工事用のものと、はじめから設計者が定めたIPとが混用されているようです。言うまでもなく後者がホールデザインの核とも言うべきIPであり、この核がブレるとコース全体のバランスも崩れてくることになります。このブレを直すために必然的に行われるのがコースの改修になります。
例えば 飛距離のブレに対応するならば、単純にティーからIPまで距離を伸ばせばよいことになります。つまり用地に余裕があればティーインググラウンドを後方に新設し、余裕がなければIP点を移動(延伸)するとともに周辺ハザードエリアの見直しを行うことになります。このようにIPはコースデザインの基準(核)としてハザード一つの見直しをする場合でも大切なポイントになっているのです。
図-2は著名な設計家H.S.コルトとC.H.アリソンの共著『SOMEESSAYS ON GOLF-COURSE ARCHITECTURE 1920』にある標準パー4ホールのDIAGRAMII(説明概要図)です。
図上にはスキルに応じたABCD4通りのコースの攻め方が示されています。ボールの想定落下地点だけを見ますと計6カ所のIPがあることになりますが、あくまでコース設計上の基本ルートはBであり、このホールの折れ点が今まで述べてきた基準(核)IPと考えることが出来ます。
基本的にはティーショットがIPゾーンに届かなければゲームとしてのゴルフを愉しむことは出来ません。つまりIP(距離)の設定が的確でなければ、本来のハザードエリアを「如何に攻略するか」、コース戦略の醍醐味、「攻め方の選択とリカバリーチャンス」に踏み込むことが出来ないのです。
そのためにコースにはもともとフロント、レディースなど数カ所のティーが配され、それぞれ個人のスキルと年齢に応じたプレー対応が図られているのですが、最近提唱されている「Tee It Forward」の考え方も含め、それぞれのティーが適正に使われているかどうかの疑問も残ります。

改造とIP

コースの改造の考え方はその手法によって大きく(1)復元(restoration)、(2)改修(renovation)、(3)全面改造(re-design)の三つに分けることが出来ます。それぞれの改造の細かい内容は省くとして、IPと各種改造の関連について述べます。(1)は現状IPの再確認を中心としたデザインラインのブレの修正・修復です。そのため基本的に現状IPの位置は動かしません。(2)は現状IPの適正化のチェック及び変更です。(3)はコース全体の見直しをすることで、コンセプトの変更も含め、新たなIPの導入ということになります。
プレーヤーはまずティーに立ってホール全景を見て、次にターゲットを定めます。この時のホールの印象がメモラビリティー・エスティクスつまりデザインバランスとなり、次にスキルの試みと結果つまりショットバリューの流れとなっていきます。言うまでもなくIP部分のターゲットデザインがコース評価の重要な要素になっていることは言うまでもありません。アリソンの80年前のコース図面にもIP(ティーから250ヤード地点)を中心としたプレーのバリエーションが明確に示されており、今日でも彼のホールコンセプトを検証することができます。

 

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