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コース改造の概念
日本ゴルフコース設計者協会
名誉理事 佐藤 毅
 

日本ゴルフコース設計者協会は先年発行した「ゴルフコース設計の基本」「ゴルフコース改造設計の基本」の中で、コース設計や改造設計の基本的概念を紹介しているが、その一部にコース評価の基準概要が掲載されている。
それはコース評価の基本を8項目に分けて説明したもので、コース設計や改造設計の基本を知るための教材として、またコース評価を知る上での指針の一つになっている。こうした指針作りはアメリカに始まったが、戦略性や難易度などガイドラインに沿って、コースの総合評価をするための判断材料に利用されている。
わが国でもこれと似たようなランク付けがされることもあるが、その多くは名門といわれる歴史の古いゴルフ場やプレーしたくてもできない憧れのコース、トーナメント開催コースなどのランキングになっているケースが多く、歴史や知名度、風評にコース評価の判断が左右されるケースが少なくない。高度成長と共に急激な発展を遂げたわが国のゴルフ事情は、コースの評価という言葉に馴染みが薄く、根拠のない評価基準が1人歩きしている感がないでもないが、偏った評価基準がコースの正当な評価を歪めているようにも思える。米国のゴルフダイジェスト、ゴルフマガジン誌などは、隔年にゴルフコースのランキングを発表しているが、いずれも権威ある評議員によって採点され、厳粛な中での世界のコースの選定が行われている。その評価項目はショットバリュー、デザイン、伝統、メモラビリティ、コンディション、審美性、戦略性の7項目からなり、採点の総合評価でランク付けされる仕組みだ。そうした中でランキング付けに大きなウエイトを占めるのが、ショットバリューである。コース設計・改造を通して最も熟知し理解すべき重要なもので、コース評価の見識を高めるためにも関係者にとっては必須なものである。

ショットバリュー(Shot Values)

ショットバリューとは、プレーヤーがティグラウンドに立ってハザードなどをすべて把握し、初心者から上級者まで技量に合わせた攻略ルートを思い描き、また選択することができるかという評価基準である。それはゴルファーが危険を回避できるかという問題も含まれる。また、ドライビングバリューはプレーヤーの選ぶランディング・エリア(落とし場所)から、次のショットで良いスコアを出すチャンスが用意されているか。ゴルファーがトラブルを回避するためのエリアの設定など、リスク(危険)とリウォード(危険への報酬)が、一つのホールの中にどのように展開されているか。正確性、飛距離、デリケートなコントロールがどれ一つ誇張されることなく、バランスよく要求されているかなどの点である。
設計のユニークさはそれぞれの特性によって戦略性が異なってくることであり、それはショットバリューという考えに置き換えることができる。コースランキングの要素の一つであるが、力(距離)、コントロール(正確性)、精神的な力(計画性、戦略、忍耐力)および精緻性(デリケートな変化球、微妙なスピン)などの、総合的なゴルフのテストを数字で表現するのがショットバリューである。
●コース設計によってボールコントロールが必要とされるホールであるか。
●コントロールが必要とされる適正なハザードの配置、ティショットではルーティングの方向性がはっきり読み取れるホールであるか。
●プレーヤーの力量を試すことが出来、プレーに満足感を与えられるホールであるか。
●ビギナーのための攻撃ルートが用意されているか、ハンディをもらった上級者との間で、平等なゲームを楽しむことが出来るか。
●能力、技術力が発揮できるゲーム性を備えたホールであるか。

ショットバリューの算定

造成時には、設計者がバランスを考えながら、ショットバリューをどのようにもたせるかを決断していく。コースが完成し、レーティングを測る時には、風の強さ、ボールの転がり、高低差など、距離の計算に合わせ、グリーンターゲット、リカバリーの可能性など、ショットバリューに与える影響を考慮して、レーティング採点の判断材料にする。
グリーンのスピード、固さ、起伏によって数字は変化するが、グリーン周辺でも、ほとんど平らなチッピング・エリアから、平らなグリーンへのショットはバリューが低く、グリーンの起伏が強く、しかもバンカー越えで、ダウンスロープからのショットではショットバリューはかなり高くなることを意味し、グリーン周囲だけで数ポイントの差が出ることもあり得る。ショットバリューとデザインバランスは表裏の関係にあることから、ショットバリューも、各ホールに変化があったほうが楽しく、飽きないゴルフコースが生まれる可能性が高くなる。従って、ショットバリューの変化はデザインの変化でもあり、様々なショットバリューを要求することで、ゴルフの楽しさを様々に変化させることができる。
わが国でも2014年に向けてスロープシステムの導入が進められているが、これはコースレーティングと並んでコース難度を知る指標でもあり、ゴルフがより公平で使い易いハンディキャップになるという点でも大いに歓迎すべきである。これらの普及によって、ショットバリューの意味が改めて問われることになるが、ゴルファーにとっては難しすぎるコースだとか、スコアをまとめづらいゴルフ場などといった批判とは別に、誰でもが公平にプレーを楽しみ、活性へ向けた魅力あるゴルフの創出こそが今設計者に求められている。ゴルフ場の価値、魅力あるコースとしての存在を知るためにも、ショットバリューへの理解を高める必要がある。

ショットバリューが意味するもの

ショットバリューの主体は距離、正確性、デリケートなコントロールであり、プレーヤーには常に正確性とコントロールを要求することを意味している。ショットバリューこそボールコントロールを要求する重要な考え方だが、ショットバリューを過剰に意識しすぎるのではなく、その他の設計の基本も含めてコース造りに生かすべきである。
アメリカでは1910年から20年代にかけて、ゴルフコース設計の初期段階では多くの加罰型コースが誕生している。難度を出すためのコース設計だが、ハザードを恐れず挑戦しそれを乗り越えることで、スコアという報酬が得られるというものだった。しかし、こうしたコースでは技術の差がそのままスコアの差となり、上級者が益々優位となるセッティングに批判が出るのも当然である。やがて戦略型コース設計の考えが現れるが、それは攻略ルートをいくつも備えプレーヤーが選択できるようにとの設計思想であり、新たなコース造りの挑戦であった。
より変化を強調しようとするコースデザインの流れは、次第に本格的なコース設計論の確立へと進化し、戦略型の考え方が一般的となった。攻略ルートをいくつもつくり、プレーヤーが選択できるように変るべきとの設計論が主流となった中で、コース設計に最も大きなインパクトを与えたのが、1930年代にボビー・ジョーンズ、アリスター・マッケンジー両氏の設計で誕生したオーガスタナショナルGCだった。その設計手法は後のコース造りのモデルとなり現在に受け継がれている。 コース設計はいつの時代も、その時代に合わせた変化を見出すことが大切で、改造設計においてもそれは不可欠な部分である。ゴルフの楽しみ方をプレーヤーに与えるためのコース設計は、我々設計者に与えられた使命でもある。

 

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