ホームページ
設計者協会主旨
会員名簿
コース設計家の歴史
会員設計家のコース紹介
ゴルフマネジメントへの寄稿
GCAジャーナル
お問い合せ
リンク
会員への連絡
 





気になるゴルフ
日本ゴルフサミット会議
「気になるゴルフ」

やめてくださいスポーツ課税
やめてください
スポーツ課税


JSGCA名誉協力会員
秋山 真邦 著


golmaji20

個人情報保護方針
サイトポリシー

 
 
   
一般個人会員募集 事務局からのお知らせ
21世紀ゴルフへの提言
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2012 Feb. 協力:一季出版(株)
コース設計の原点とパー3ホールの役割
日本ゴルフコース設計者協会
名誉理事 加藤 俊輔
 

コース設計の原点はリンクスにあるとの考えから、その主眼をオールドコースに置き、設計の原点を見つけ出すことに幾度となく足を運んだ。オールドスコティッシュの設計の原点は自然との調和と見るべきだが、そうしたゴルフの原点を知らされる毎に、私は日本風土に合ったリンクスコースの表現を抱き、日本におけるリンクスコース設計の夢を追い続けてきた。しかしコース設計者としての思想は、必ず成し遂げると同時に、満足を得るものでなければならない。そうした責任に基づきコース設計の夢を描くことへの挑戦が始まった。
ゴルフコース設計家は、常に大自然との調和を求めながら、ゲームの楽しさを味わえるコースづくりを目指し、多くのテーマの下で広大な空間や大地に絵を描き、物語りを生み出す努力を続けている。自然との調和を求め借景を味方にするなど、プレイアビリティの高さとビューバランスを求め、あるときは独善的になったり迎合するなど、コースデザインへの執着は類まれなものであるといっていい。
私の設計のテーマは、常に大自然とのマッチングにあることを考え、それはコースを自然に返すためのデザインと信じ、あるコースは強いアクセントを持ってプレーヤーの挑戦を求めたり、一方でコースはやわらかい曲線に終始して安息の場を提供することだったりする。

挑戦欲を湧き立たせる面白さを求める

戦略的であることはまた、プレーヤーに楽しさを与えることでもある。挑戦して失敗し、その失敗が納得いくものであったら、また挑戦して攻略するといった感覚を持たせることも大事だ。ゴルフゲームは適度なストレスを楽しむスポーツであり、その溜まったストレスを吐き出そうと再挑戦することに面白味があるといっていい。
コース設計の最終目的は、あくまでもゴルファーに楽しんでもらうことにあり、設計家の使命はゴルファーに楽しんでもらえるだけの内容を吹き込むために、すべての努力を注ぎ込むことにある。戦略性の核をなすのは、シンキングゴルフないしターゲットゴルフと考えている。ティグラウンドに上がる前から、無意識のうちにドライバーを引き抜かせるようなホールではなく、クラブ選択から攻略のルートの見極め、プレーヤーに決断を迫る設定がなされているなどがそれである。
私がコース設計をするにあたって自然の土地条件を活かしながら、自生する樹木や自然林を最大限残したり、コースから出た岩石などをそのまま使用して、ハザードの一環となし、またビューバランスを整えるために利用している。またフェアウェイをすり付けるに際して、直線的なラインを一切排除し、時にナイーブに荒々しく感じるうねりを出したり、大小のマウンドを設け、さらにノリ面を単に切り崩すだけでなく、山裾の延長として違和感を与えないよう、曲線の連続で作り上げるのもそのためである。

戦略型コース設計

ゴルフゲームは元来、知力や頭脳を駆使するものであって、戦略性を持たせたコース設計が求められるといっていい。各ホールに意図的な戦略を盛り込むことが設計に課された使命でもある。戦略性を持たせることによってゴルファーは設計家の意図を考え、時に挑戦して時に逃げるフレキシブルな読み、ゴルフの技術を向上させる楽しさを味わいながら、プレーの楽しさを共有できることにある。
戦略性を高めるために利用されるのが種々のハザードであり、サンドトラップ、池の配置などは障害物として大きな役割を持つ。しかし人工的に造られるハザードと違って、ホール戦略上もっとも効果が期待できる設計手法などもあり、古くからコース造りに取り入れられてきたが、その中でもレダンタイプは広くコース設計に利用される。
戦略性の高いホールにセットされる代表的なものとして、トラップが斜めにセットされたレダンタイプがそれだが、技量に応じてどの地点を攻めるかの決断を迫り、距離と方向の正確性が試される。限りなく前方に進めば可とするホールは、ロングショットだけが好スコアを生みやすくなるが、ボールの落としどころの視点を求めることの難しさに迫られる。
レダンタイプはパー4、パー5のホール以外に、パー3ホールのグリーン形状に利用されることが多いが、難ホールと言われるホールなどに見ることができる。グリーンの形をレダンタイプにして、その周りを池で取り囲むような設計は、より難度が高く、戦略性の高いホールになることは間違いない。

パー3ホールの設計

一つの名ホールを持つコースは、名コースになり得る。なぜなら同じ設計意図で18ホール全体も組み立てられることになるが、一般に名コースには、戦略性、難度、ビューバランス等の内容が基準となろう。そのうち難度とビューバランスがパー3ホールを選ぶ時の主たる条件となり、その中での四つのパー3ホールは、トータルバランスを考える上では特に重視すべき役割を占める。
世界で名が知られるパー3ホールは、名声を高めるための要素、すなわち取り巻くロケーションとホールの美的感覚が一体化している。一点の紅に表現されることなく、ホール全体バランスの中に、独特の雰囲気を備えたホールが展開する。
コース全体像とは、言い換えればストーリー性で、18ホールなら全てのホールを貫くストーリー性の構築であり、バランスがあり、メモラビリティが完成されるといっていい。
この度の寄稿にあたって、設計の神髄までとは言い難い部分があるが、私が唱えるコース設計はパー3ホールが中心的存在と考え、敢えてパー3ホールに限定した設計について、説明を加えることにした。取り上げるのは、北海道ゴルフクラブライオンコースの四つのパー3ホールである。

4番ホール 233(264)ヤード 大きな打ち下ろし ニックネーム=カルデラ

打ち下ろしのロングパー3ホールとして、噴火口の中に広い水面があるが如くイメージしてあるため、グリーン面は水平である。当然2〜3mの高さで外壁に囲まれている。手前からころがして乗せる事はとても出来ない、高い球でボールを上からグリーンに乗せなければならない。

8番ホール 174ヤード 水平ニックネーム=黄金の牛

中国の故事からヒントを得たホールで、グリーン右サイドの一部を除いて強く大きな下りのノリ面が周辺を囲んでいる。眺めていればそれで満足だったものを、直接食べたらさぞかし美味しい草だろうと思って、己の身体が黄金で出来ているのを忘れ海に飛び込んでしまった牛の諺から取ったこのホールのニックネーム通り、グリーンに立つピンに近づけようと欲張らずに、常にグリーンのセンターを狙えという私の忠告した難ホールだ。

10番ホール 234ヤード 水平ワイド ニックネーム=初恋

水平で広々とした特徴を持つこのホールは、浅い大きなバンカーがグリーン手前左サイドから中央にセットされている。ここに入れると脱出するのに楽ではない。うまくいかないのは初恋の様なものだ。

16番ホール 251ヤード 打ち下ろし ニックネーム=天山

天山南路を旅した時のイメージをアプローチに縮小して表現したホールである。グリーン正面手前に小山が横たわり、その陰には小さなトラップが置いてある。グリーンは左から右に流れ左右へのミスショットを牽制している。
以上4ホールのそれぞれが個性的な違いを持ち、グリーンも水平から傾斜まで各ホール同じものはない。4ホール全体をプレーし終わった時のそのバランスの良さを私は好きだ。グリーンは一つでなければいけない。ということは国際ルールの基準としてだけではなく、ホールの価値を高めるためにもシングルグリーンである事が、大切であることがよくわかる。
周辺との借景と広がり等はプレーヤーを満足させるだろう。

結び

しかし、ゴルフの原点とされるスコットランド、イングランド、アイルランドなどのコースは、自然が造り上げた地形があってこそリンクスが誕生したことで、それを日本の地形に反映させるには大きなギャップが生まれて当然である。それでも尚、リンクスコースを完成させるための設計に翻弄されてきたことは尋常とは言い難いものがあった。
アメリカ、ヨーロッパのような大国とは違い、わが国の山岳地形には馴染まないコースとの印象が強く、景観、借景ひとつとっても自然との調和すら難しいことの疑問は、ぬぐい去ることは出来なかった。
コース建設の素地の違いは勿論、牧歌的草原が存在するわけでもない。日本的森林をリンクススタイルに活用することの難しさは知りつつも、ゴルフの持つ歴史価値をわが国のゴルフ界に伝承したい。図らずも経済大国として世界に名を知らしめた我が国の威信もある。ゴルフ文化の先駆者になるためにも、新たな時代の幕開けのための使命感の下で、スコテッシュスタイルデザインを奨めたのが、趣旨の始まりでもあった。

 

掲載順不同
クリックすると各コースの情報ページが表示されます。
詳細は各コースにお尋ねください。