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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2011 Nov. 協力:一季出版(株)
樹木管理の重要性について
日本ゴルフコース設計者協会 正会員
杉本 昌治
 

ゴルフコースの樹木は単なる緑ではなく、ホール内の独立大木は景観の重要なポイントとなり、ビューバランスを引き締めるとともに一見やさしそうで厳しいハザードであり、コースの歴史、落ち着きを醸し、プレーに多くの話題を生む。 セパレート林も単にホールのセパレート、防球効果のみならず自然形に高く、太く育った樹林はコースに風格を与えるゴルフ場にとって重要なファクターである。
しかし長年の経済状況の低迷により、コース管理費の削減が進みグリーンキーパーも芝生の管理に手一杯となり、樹木の管理まで手が回りきれないなどの理由により樹木の管理が等閑(なおざり)になっているコースがよく見られる。
樹木は毎年生長して大きくなり、適切な管理をすればコースに歴史や風格を醸し出すが、手入れ不足の樹木・樹林は景観を損なうばかりではなく、芝地への日陰、通風不良、浮根、グリーンなどへの根の伸長による芝草の生育障害が生じ、芝の補修を年中求められることも多く悪循環になっている。
特に最近の夏の猛暑によるベントグラスのサマーディクラインやウェットウィルトは深刻な問題であり、グリーン周りの地形、床砂の水分量、芝密度にも左右されるが、樹木に囲まれ通風の悪いグリーンと通風の良いグリーンを比べると、猛暑日にグリーン表面下5cmの地温で、日中で4〜5℃、夜間で1〜2℃通風の良いグリーンは地温が低いという調査記録もあることからもゴルフコースの樹木管理、間伐、伐採の重要性をもっと見直すべきだと思われる。

独立大径樹

ホール内に存在する独立大径樹は、ホール攻略の戦略に上空での障害を与えるとともに、危険防止や危険の暗示でホールの幅、攻略の方法、安全地帯、目標ポイントをプレーヤーに感じさせる効用もある。ホールに存在する独立大径樹は、自然形に周囲の樹木、コースとの違和感の生じない形に維持管理するとともに、プレールートを制約するハザードの効用を保守するため、適切な大きさに維持されなければならない。
剪定方法としては、樹冠下の日照不足により芝枯死が生じないように枝抜きを行い、不自然な強剪定にならないよう枝梢詰め程度で自然形を保ちたい。また、樹の露がグリーン、ティー面に落ちないように枝抜きをするとともに、根がグリーン、ティー面下に伸長しないよう遮断シート等の対策も必要。特にグリーン周りは、20m以上離れた場所への移植、場合により伐採も検討すべきである。

ホール間のセパレート林

ホール間のセパレート林はホールのセパレート、防球効果のみならず、コースの景観、風格やプレー進行も左右する重要な役割を果たしており、そのセパレート林の樹木が自然形に高く、太い巨木化を図り風格のある林帯にするためには間伐が重要となる。密度の目安としては、樹高10〜15mの樹林で50〜100平米に1本、樹高15m以上の樹林では100〜150平米に1本程度の疎林として巨木化を図りたい。また、特に松等の単一樹種主体で平坦なホールの林帯の密度と樹高は均一にせずに、グループ分けをして疎と密、高と低の変化をつけて防球効果を高めるとともに、将来の景観を想定してホールのビューバランスにアクセントを付け、より良い景観に整えていく管理伐採が大切となる。

ティーインググラウンド周りの樹木

ティーインググラウンドの芝生は、擦り切れ、踏圧による傷みからいかに早く回復させるかが重要であり、特に75%の日照不足になると枯死するコウライ芝のティーインググラウンドは、日照、通風の確保が不可欠である。
東西に向かうホールのティーインググラウンドの南側の樹林は、樹高の3分の2の距離範囲の樹は伐採し、低灌木化したい。また北側には高い木があってもよいが、露が芝生上に落ちないように剪定、枝抜きをする。

グリーン周りの樹木

夏の気温35℃以上、地温28℃以上の日が続くとベントグラスの生育限界以上のストレスとなり、重症の場合は枯死するサマーディクラインが深刻な問題となってくる。特に昨年は各地で、ベントグリーンの猛暑による夏季障害が見受けられた。8〜9月の地温が生育限界地温28℃以上となる場合、いかに地温を下げるかがポイントとなると同時に、6〜7月の新根の発生を停止する地温25℃以上にならない期間をいかに長く保つかが重要となり、4カ月間の地温を極力上げないようにするために、まずはグリーン周りの樹木を間伐、伐採、枝降ろしにより、風通しを良くする事が最も現実的である。グリーン周りのマウンド等の地形によりグリーン面に直接風があたらなくても、グリーン面より1m程度上方に風が流れるようになれば、湿った暖かな空気が動く事により、気化熱効果が発生し地温低下が期待出来る。またグリーン周りの間伐、伐採で夏季の通風改善が望めず送風機を設置する場合も極力間伐、伐採、枝打ちを併用する事でより効果が期待出来る。
樹林により通風の悪いグリーン周りの間伐、伐採は、南西から北東方向に風が通るようになるのが望ましいが、大きなマウンドや山の斜面に接して効果が期待できない場所以外は景観を考慮しながらも大胆に間伐、伐採、枝打ちを行いたい。また樹林帯幅があり、間伐出来ない場合は、フェアウェイ側から見えにくい方向に5〜10m幅でライン状に2〜3方向伐採して、グリーンの通風を改善するとともに、残した樹木の巨木化を図りコースの風格を高めたい。
日本のゴルフコースは林間コースが好まれる傾向があり、ゴルフ場も樹木を大切にしている。しかし切らない事が樹を大切にしていることになるのではなく、必要に応じて間伐、伐採、枝打ちを行い、単に緑のボリュームだけでなく質の高い緑をプレーヤーに提供するため、5年〜10年ごとのスパンでコースに合った樹木管理が必要であると感じる。
また樹木は種類により葉色に濃淡があり、葉色の異なる樹木、季節感の出る花木、紅葉木などを計画的に植栽することにより、コースのビューバランス、メモラビィリティの向上が比較的安価で望めるものである。
ゴルフコースにとって樹木は単なる緑では無いことを再認識して樹木の管理、植栽の重要性を考えたい。

 

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