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震災時のコース被害調査と復旧対策
日本ゴルフコース設計者協会
理事 倉上 俊治
 

宍戸ヒルズCCの震災復旧

3月11日午後2時46分、東日本太平洋側にマグニチュード9.0の大地震が起こった。水戸市から西へ20kmの宍戸ヒルズCC(36ホール、茨城県笠間市南小泉地区)でも震度6強の揺れが2分続いた。地震当日は105名の入場者があったが全員にケガはなく、スタッフも屋外に避難し無事であった。その日の夕方、午後5時16分に震度5弱の余震があった。この大地震のためにゴルフ場は3月12日から25日までの14日間休業し、震災復旧にあたった。
コースの被害状況は管理道路、カート路の一部ひび割れと盛り上がりが5カ所。西コースではグリーン8カ所。ティ10カ所。フェアウェイ1カ所。東コースではグリーン10カ所。ティ7カ所。フェアウェイ1カ所。送水管2カ所。滝流れの水路2カ所。ラフは細かいひび割れが各所に出たが修復するほどの損傷は無かった。地震で大きく揺れたが軽度の損傷で済んだのは不幸中の幸いであった。
復旧工事はコース管理部で行い、14日間の休業期間中に95%の修復を完了した。管理道路、カート通路の復旧工事は地元道路工事会社に依頼した。

具体的な復旧工事例

【13番ホールグリーンの亀裂及び周辺部の亀裂復旧工事(パー3ホール)】
被害の状況:グリーン上の右側手前1/3、右3時方向から6時方向に幅15〜30mm、長さ10mの長い亀裂ができる。グリーン外側にも2カ所(幅20〜30mm、長さ6m)の亀裂。
修復工事:亀裂部を境に奥側1mと、手前グリーンカラーまでの幅3〜4mのベントグラスをソッドカッターで剥がし、剥がしたベント芝は乾燥しないように林間に仮置きした。手前側は亀裂と共に陥没もしていたので広範囲に剥がした。剥がした亀裂部の深さと陥没した箇所の面積を測り、床砂の必要量を算出した。床砂はグリーンと同じ粒径の洗い川砂を使用した。亀裂部の川砂の充填は水締め工法を取り、川砂を入れ注水と棒で締め固めながら床土を修復した。
グリーン面の勾配は元の勾配になるように、芝を剥がしたあとに川砂を敷き込み、ローラー転圧と散水をして床土面を仕上げた。その後、仮置きしてあったベント芝を張り戻した。
ソッドカッターの刃を良く研磨して使用すると切口は直角にカットでき、芝張り時はほとんど目地が見えないほどきれいに仕上がる。芝張り後、目砂を散布し、ローラー転圧を繰り返し2週間後には使用できるようになった。芝張りを行った区域は別メニューで刈込みと施肥を行った。特にこの時期は気温も上昇するので病害が出ないように養生管理を行った。
またグリーン周辺部の亀裂は、亀裂箇所に沿ってソッドカッターで芝草(野芝)を剥がし、良質土と川砂で亀裂部を修復、有機質肥料を散布してから芝張りを行った。野芝は有機質肥料を散布し、塩基置換容量を上げてから芝張りを行うと活着が早い。修復作業後30日を過ぎたが、芝張り箇所がどこだったかほとんど判らないくらいに回復している。

【3番ホールバックティの亀裂修復と造形芝張工事(パー4ホール)】
被害の状況:バックティは左側縦方向に亀裂(幅3〜5cm、長さ80cmが3か所)が入り、左側谷方向に土砂崩れの恐れがある上、ティ後方も法面が崩れてバックティは使用できない状態になった。
修復工事:亀裂している箇所に土を充填しても左法面は円弧滑りをして崩落の危険があるので、バックティ全体を右へ2m移動し造形し直すことにした。
ティ面のコウライ芝、法面部の野芝を全部剥がし、亀裂の入った左側はバックホーで土を取り除き、新たに法面を造形して締め固めを行った。ティ周辺部(法面部)も同じく締め固めを行った。ティ造形後、表面はコウライ芝張、法面部は野芝張と安全のため目串打ちを行い、目砂と共に化成肥料を1平方メートル当たり50g散布して養生管理を行った。休業中の14日間に41カ所にも及ぶ復旧工事が出来たのは、日頃からコース管理部のスタッフがバンカー造形や池護岸工事、造形芝張工事などを行っており、スタッフの土木、造形技術が生かされたからである。時間と手間は掛るがコース管理の仕事として、日頃から土木、造形作業を行っておくことが大切である。

災害調査と対策の注意点

・被災直後、コース内の損傷箇所を調査する場合の注意点を確認しておきたい。
まず余震、土砂崩れを想定して安全のためヘルメット、安全靴、手袋を必ず装着すること。また携行品としてトランシーバー(携帯電話は通じないことがあるので使用しない)、ロープ、赤旗を付けたピンまたは竹竿、スコップ、ツルハシ、マーキングペイント、B4サイズのベニヤ板、白布、サインペン、コースレイアウト図、ノート、ボールペン、デジタルカメラなどを用意し、これらを単車に積み込んで2人1組で調査にあたる(1人で作業を行うと不測の事故に対応できないので必ず2人以上で行う)。
・コース内の調査を迅速に行うためには、できる限り4組以上のスタッフを出動させ、午前中に調査を終わらせる(早い調査、早い対策が必要)。
・調査に軽トラックは使用せず、単車を使用する(単車は芝地でも通行でき、ひび割れ、陥没箇所にも対応できる)。
・ひび割れ、陥没箇所は周囲に杭を立ててロープで囲い、赤旗を付けたピンを立てる。
・土砂崩れ箇所、陥没箇所は危険を示す立て札(B4サイズのベニヤ板)を立てる。
・排水施設(U字溝、集水桝、人孔、排水管など)の点検を行う。
・損傷箇所はレイアウト図に記録し損傷箇所の一覧表を作成する。
・修復工事の作業手順を決め、人員、資材、道具、作業時間、概算予算を決め工程表を作成する。その時、損傷箇所の写真も添付してより現実的な工程表を作成する。
・工程表に基づいて支配人、各部署の責任者と協議し復旧工事について打ち合せする。営業再開の時期、復旧作業の協力(キャディ、ハウス職員など)、外注作業の有無について決める。

復旧作業手順について

・復旧作業を効率的に行うためには、まず管理道路を補修する(作業路の確保)。具体的には陥没箇所には砕石を充填し、上部3〜5cmは川砂を敷き詰め、その上を耐水ベニヤ板で覆う。ベニヤ板が動く場合は四隅を鉄筋のピンで止める。また、傾斜部が安定しない場合は土嚢を敷き詰めるか、シガラ柵で崩落を防ぐ。
・舗装部で盛り上がっている箇所はツルハシで盛り上がり部分を壊し、表面に川砂を敷き詰める。芝地と接している箇所はなるべく川砂を使用する。補修した表面は耐水ベニヤ板で覆う。
・コース施設で最初に復旧作業を行うのはグリーンである。それと同時に散水設備(スプリンクラー、散水栓、電磁弁)の点検と補修も行う。
・次にティグラウンドの復旧である。限られた面積の修復なので工事時間が管理しやすい。
・排水施設の損傷は早めに修復し降雨に備える。
・フェアウェイ、バンカー、ラフは順次復旧工事をして行く。工事が間に合わない場合は部分的に修理地とする。
・復旧工事をした箇所は被災状況が分かる工事前の写真、工事中の写真、工事完了後の写真を撮りアルバムに整理し工事資料と共に保管する。
・災害復旧工事は、必ずしもすべてコース管理部で施工できるわけではない。そこで災害箇所を把握し復旧期間を予測して予算立てを行い、外部業者の協力も得て短い期間で復旧工事が行えるようにする。

 

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