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ローコストメンテナンスを実現するコースデザイン
日本ゴルフコース設計者協会 正会員
八和田 徳文
 

はじめに

バブル経済の崩壊以降、断続的に続いているゴルフ場の倒産は、預託金返還請求によるものから純粋な経営破綻へと、内容が変わりつつあるように思います。一部にはグループとして株式上場を果たし、積極的な営業展開を図っているところもありますが、価格競争に巻き込まれ十分な利益が確保できず経営困難に陥っているところも少なくありません。
逆に、そこを利用するゴルフプレーヤーにとっては予約サイトが発達し、いつでも誰でも安価に予約できるようになり、業界上げてのプレーヤー育成プログラムも手伝って、一層ゴルフをしやすい環境が整備されつつあります。この裏腹な環境が微妙なバランスで維持され、それぞれのゴルフ場が自助努力することが、現在のコース数を維持するための最低限の条件だと考えています。
ゴルフプレーヤーが増え、適正なプレーフィーが支払われることが理想ではありますが、一旦下がった価格を再び上げることは容易ではなく、ゴルフというものがよほど魅力あるものにならない限り難しいことだと考えています。1人当たりのプレー回数を増やすこと、プレー人口を増やすことについてはその道の専門家に委ねるとして、ローコストメンテナンスを実現するためのアイデアを、ゴルフコース設計家として提案したいと思います。

コース管理コスト

かつては1ホール1名、1億円以上の管理予算は珍しくありませんでしたが、現在はその半分程度で苦労しているゴルフ場が数多く見受けられます。昭和後期から平成にかけて造成されたゴルフ場は大規模な土工事を行い、比較的フラットに造成され、美しい起伏やバンカー、ウォーターハザードを多用したデザインも多く見かけました。しかし、造成当初は十分な管理コストをかけ綺麗に維持されていたと想像しておりますが、いまでは水の枯れたウォーターハザードや乱れたバンカーに出会うことも少なくありません。また、そこまでには至らずとも広大な芝面積を維持することが出来ず、雑草や病害虫に蝕まれたところを持つコースは少なくないと思います。機能を失い、美観を損なうハザードをそのまま放置するのでなく、その後の維持管理コストを最小限に留めるリニューアルをするのも設計者として提案できることと思います。
先日渡米したおりにも感じたことですが、ラフを荒地のようにリデザインしウエストエリアを拡張しているコースがここ最近増えているように思います。日本でそれが受け入れられるか否かの議論も必要ではありますが、プレールートからあまりにも離れたエリアに刈り込まれた芝生は不要に思います。幾通りかのプレールートを定め、それを明示するためのハザード配置やフェアウェイデザインなども駆使し、出来るだけ小面積の芝管理面積にすることはコース管理費用の削減に大きく寄与できると考えます。現在行われているコース改修はシングルグリーンにするものや、飛距離に対応すべく距離を延長するものが多いと想像しておりますが、コース管理コスト削減とプレーアビリティーを両立させるリデザインも有益だと思います。

グリーンのデザインと管理コスト

グリーンのデザインは多種多様であり、外形が丸に近いものから四角いもの、ハート型や四葉のクローバーのようなものまであり、面積も様々です。起伏においては平べったいもの、饅頭型や馬の背に膨らんだものから大きなうねり(アンジュレーション)を持つもの、なかには2段や3段になっているものもあります。これは周囲のデザインや起伏、そもそもの設計コンセプトもあり一概にどれが良いとは言えませんが、平坦なグリーンほどより多くのピンポジションを確保できるのは言うまでもありません。ターゲットとしての大きさ、パッティングの楽しませ方などいろんな要素を考えつつ、出来るだけ平らで小さな面積とすることが管理コストの軽減には有効だと考えます。
適正な床土構造と散水設備をもち、進化した芝草管理理論と管理機械を用いることで小面積のグリーン維持は可能です。勿論、過度のグリーンスピードや表面硬度を求めたりすることにより無理をして芝生を傷めてしまう危険もありますが、大面積のグリーンに多量の資材を撒き、芝刈りをすることは今の時代に合わないと考えています。リデザインのときならず、グリーンカラーの芝張替えのときに外周を少し縮めるだけでも随分と面積が小さくなることを記憶しておいて欲しいと思います。

適正なグリーンスピード

一般的なゴルフ場においても当日のグリーンスピードや硬度を表示しているところが多くなりました。これはトーナメント中継や雑誌等メディアによる影響もあると思いますが、速いことが素晴らしいことであるとの誤解を招いていると考えます。確かに極端に遅いグリーンスピード(例えば7フィート以下)となれば一般営業でも遅いと感じる人が多くなるかもしれませんが、8〜9フィートを維持していれば、アベレージゴルファーが十分楽しめるパッティングクオリティーは提供できていると考えています。そもそもグリーンスピードは全てのホールの転がりが一定になることのほうが重要であり、それを測定するための器具としてスティンプメーターが存在します。開催される競技の特性やレベルを考え、それに対応する範囲のグリーンスピードに留めることが肝要と考えます。また、若干グリーンスピードを抑えることでグリーンに傾斜を付けたり、アンジュレーションを楽しむことも可能となります。

おわりに

コースデザインとコストの関係は前述の範囲では対応しきれないほどの要素があることは十分承知しております。大型機械で管理できるのか否か、複雑怪奇なバンカーデザインがあるのか否か、排水を考慮したデザインがなされているのか否かなど例を挙げれば切りがありません。ただそのことの多くはコースの骨格となっており、大規模な土木工事を伴わずして変更できるものではありません。通常のコース管理予算の確保が困難な状態のなか大規模な工事が出来ないことを前提として、今回の提案に留めております。
箱物ビジネスとしての考え方から稼働率を上げるために、難しいと判断されたハザードの撤去などが行われている現在、ゴルフのプレーとしての面白さを失いつつある危険性も感じております。より多くのゴルファーがゴルフの楽しみを共有できるようなコースデザイン、過分なメンテナンスコストを要しないデザイン、そんな要望がこれからのゴルフ場には増えるように思います。そのときに相談相手として、ゴルフコース設計家が居ることを覚えていて欲しいと願います。

 

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