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2030年日本のゴルフ場はどうなる
日本ゴルフコース設計者協会
監事 林 弘之
 

2030年 人口減少が与える影響

ここに国立人口問題研究所発表の将来推定人口の資料がある。同資料によると20年後の2030年に日本の総人口は、2009年と比較し1,210万人(マイナス9.0%)の減少になるという。ゴルフ人口の大部分を占める、15〜64歳までの生産年齢人口でみると1,420万人(マイナス17.6%)の減少となる。この状況をふまえ今後急速な高齢化、人口減少の時代が待ったなしでやってくることが良く理解できる。
ゴルフ業界では、人口の減少と高齢化を睨んだ、長期を見据えた新しい経営ビジョンを策定する必要がある。目指すべきゴルフ場像、重点施策を今のうちに計画、実行に移さなければ、淘汰の波に呑まれ生き残りが図れないのではないか。
現在のゴルフ場の総数は約2,440か所である。2030年には1,500か所が適正規模であるという専門家の主張は、あながち否定できるものでない。
以下筆者が考える2030年のゴルフ場の姿を、仮想現実で検証する。

2030年 クラブハウスはどう変わる

クラブハウスが取り壊される光景が眼前に繰り広げられている。消滅するクラブハウスは築40年が経過し、老朽化とともに建物、空調、厨房、風呂設備の痛みも激しく、ランニングコストと補修費増が相まって、相次いで取り壊されようとしている。
新しいクラブハウスはバリアフリーの、コンパクトなワンフロアーの空間に生まれ変わる。受付、キャディマスター室、ショップが一体になっている。これ以外の間取りはレストラン、小ロッカー室とシャワー室、サニタリーである。従来の規模と比べ、どれも半分以下のスペースしかない。
過去のクラブハウスと大きく変わったところは、省エネ技術が飛躍的に発達し、エコと省エネの発想が建物の隅々まで活かされていることである、環境配慮型の二酸化炭素(CO2)排出削減を目的とした、太陽光発電と燃料電池、スマートグリッドをセットにした消費電力抑制システムの採用、LEDランプに代表される省エネ機器が飛躍的に発達し、ハウスのダウンサイジングと相まって、動力光熱費の大幅な削減が可能となった。すべてのエネルギーはオール電化で賄われる。
大浴場は廃止された。シャワーが取って代わった。またレストランは簡素化され、低価格メニューが主流である。レストラン、談話室、コンペルームは必要に応じてパーテッションで区切りを入れ、利用する方式である。クラブハウスの建設投資が少ないため、償却費、固定資産税等の租税公課は従来に比べて大幅に減少した。

2030年 プレー形態はどうなるか

プレーヤーの多くはゴルフウエアでゴルフ場にやってくる。ロッカーでの着替えをしないでプレーする人が多く、プレー終了後もそのまま帰る。ドレスコードの規定は各々のクラブにより変化があるが、スポーツとしてゴルフを楽しむ多くの人々は襟付きシャツの着用が基本である。
ほとんどのゴルフ場はセルフプレーで、プレーヤーは直接キャディマスター室でエントリーを行う。キャッシュカードの本人確認が済めば、精算はすべてカード1枚でOKである。プレー終了後、明細書、領収書が発行される仕組みだ。
ゴルフスタイルは大きく様変わりしている。ゴルフが完全に社会的に認知され、若い人からシニアまで誰もが気軽にプレーできるスポーツとして、社会の評価も高くなってきた。こうした中で、経済的に無理をしなくても、誰でも安価にプレーができるゴルフ場は経営的に安定している。
受付が完了すると自分のスタート時間がテレビ画面に表示されるので、リアルタイムでスタート時間の確認ができる。高齢者対策のため、ハウスのバリアフリー化、乗用カートのコース内乗り入れ自由化、1人乗りのカートの利用も進んでいる。歩行に障害のある人でも自分の打ったボールの場所までカートで移動でき、GPSの普及により、グリーンのフラッグまでの距離が正確に表示されるので、クラブの選択を迷うことなくプレーできる。
このようにカートの利用形態のあり方が変化したことにより、プレー可能年齢幅が上昇し、ゴルフ人口の減少を食い止めている。カートの動力源にはリチウム電池が採用され、電気自動車並の長時間利用が可能となり、ラウンド毎の充電は必要ない。

2030年 コースメンテはどう変わる

ホール間の樹木は安全対策等の事情を除き、管理機械が自由に走行できる空間に間伐されている。林帯も通風、日照対策で思い切った間伐が行われた。ティグラウンドは原則バックティからフロントまで、乗用モアで連続作業ができるよう改造されている。ラフの斜面も乗用モアでほとんど作業が可能となった。これは管理機械の動力がEV化され、簡素化、軽量化が進み、斜面の作業も容易になったためである。
グリーンについては無人グリーンモアの改良進化が進み、多くのゴルフ場で普及が進んでいる。無人グリーンモアの原理はパソコンに表示されたグリーン上に希望する刈りこみパターンをセットし、移動式無線標識と赤外線センサーで作動するシステムである。作業員は無人グリーンモアの作動中にバンカー均し、ボールマークの補修等を同時に行うこともでき、かなり効率化を図る事ができる。同様なシステムの応用でフェアウェイ、ラフの管理機械の無人化の試みも行われている。管理機械、車両のEV化は騒音、CO2の排出削減を押し進め、ゴルフ場のエコ活動のPRに大いに貢献している。

2030年 人口減少とゴルフ場の将来像

2008年度のゴルフ場入場者総数は、2,442コース合計で9,078万人であった。入場者数は増加傾向にはあるが、日本は2006年から人口減少がすでに始まり、入場者数の減少は近い将来確実にやってくる。
2030年と2008年の人口比較で単純計算した入場者の減少数は、2030年には818万人となる。入場者数の減少を食い止める有効な対策が早期に具体化できるかどうかで、ゴルフ場の命運が左右される。非常に大きな、個々のゴルフ場単独では解決できない問題であるため、ゴルフ業界全体で問題提起を行い、少しでも早い行動計画の実現が必要であると思われる。
ゴルフは健全なスポーツとして自然の中でジュニアからシニアまで一緒にプレーを楽しみ、終生に亘り心身の健康増進を図ることのできる競技である。長所を広く社会にアピールすれば、必ずや国民的スポーツとして社会的に認知されるものと確信している。同時に各ゴルフ場も将来を見据えた構造改革に今から取り組み、実行に移せば、2030年のゴルフ場像は明るく未来志向に生まれ変わるであろう。

 

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