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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2010 Jul. 協力:一季出版(株)
ゴルフ設計者世界会議(World Forum of Golf Architects)
日本ゴルフコース設計者協会
理事長 佐藤 毅
 

2010年3月24〜 27日の4日間、日本ゴルフコース設計者協会・JSGCA(Japan Society of Golf Course Architects)、ヨーロッパ・EIGCA(European Society of Golf Course Architects)、アメリカ・ASGCA(American Society of Golf Course Architects)、オーストラリア・SAGCA(Society of Australian Golf Course Architects)の世界4カ国によるゴルフ設計者会議が、ゴルフ発祥の地、スコットランドのセントアンドリュースで開催された。この会議はヨーロッパ、アメリカの両協会が日本とオーストラリア両国に呼びかけ今回の開催が決まった。
各国の設計者協会は1946年にまずアメリカで設立され、1989年にオーストラリア、続いてわが国にも1993年に設立された。そして2000年にはヨーロッパ設計者協会が統合・設立されたが、この間、各協会間の相互交流はあったものの、一堂に会する会議は過去に例が無かった。
ゴルフ先進国といわれる地域での新コース建設は過渡期を過ぎたと思えるが、一方、ゴルフ新興国ともいうべき地域では開発が活発化している模様で、世界のゴルフ事情も様々である。ヨーロッパ地域のドイツ、スウェーデン、デンマークなど、今後も新コース建設が増えつつある現状を見逃すことは出来ない。同様に、アジアの中でも中国のゴルフは異常な伸びを記録していることに驚かされる。今回の会議ではそうした現状を捉え、世界の変わり行くゴルフの課題と可能性について、世界のコース設計者の活動を通し、ゴルフコースのあるべき姿と現状を報告するための開催になった。
会議冒頭、EIGCAのデイビッド・クラウス(David Krause)会長が挨拶に立ち、姉妹組織としての4団体が一堂に会したことに対して感謝と歓迎の言葉を述べた。
さらに、今ゴルフ界は変革を遂げようとしている中で、経済、環境、教育など、ゴルフコース建設に対する理解を得るためのテーマ作りが必要とされる。また今後ゴルフ産業はどのように展開していくのか、地域によっては停滞気味となっているゴルフ場建設などを含め、様々な話題を取り上げ問題点を検討する会議にしたいとの抱負を述べ、4日間にわたる会議がスタートした。会議はセントアンドリュース・オールドコース、ニューコースのプレー研修を含め、講演、セミナーに多くの時間を費やしたが、ウエルカムパーティ、晩餐レセプションなど、過密なスケジュールの中にも設計者同士が集う有意義な時間となった。設計者達による講演、セミナーは2日間、延べ13時間30分に及び、世界22カ国から約200名の設計者や関係者が集まった。

会議は各国の設計者がテーマに沿って、スライドを使い説明する形で行われたが、設計者がコース設計を通して、経済・環境・教育についての現状と実情について発表したものをここに紹介したい。

経済

現在、ヨーロッパのゴルフ振興国とされる地域でのゴルフ場数は、ドイツ700、スウェーデン500、イタリア150とされるが、他の地域では経済的側面からコース建設数は少なくなる傾向にあるようだ。ゴルフマーケットの頭打ちに加え、世界の金融危機など経済の不安定要素が関係しているとみられる。これに代わって台頭してきたのが中国でのゴルフ場建設で、現在中国では600〜700のコースが存在するが、今後も建設が続くとの見方が多い。
需要の増加でゴルフが益々盛んになることが予想され、これからのゴルフマーケットは中国だとの視線が注がれている。
経済情勢の回復によって、世界のゴルフ場建設は今後も脚光浴びるだろうとの予測がありながら、一方では開発規制の厳しさから、コース建設に着手できないゴルフ場が少なくないことも紹介された。国の政策、行政指導の厳しさがゴルフ場開発を難しくしているとのことだが、計画から許認可を得るまでにかかる日数の不透明さ、関わる経費、建設費用など、多大な経費と長い時間が費やされている。また今後のゴルフ場開発において、特に環境保全にどう取り組むかが重要な課題と定義付けられている。

環境

環境問題にも多くの時間が費やされた。ゴルフ場における環境保護を含め、生物多様性への取り組み、深刻化する水問題など、各国が直面する問題が発表された。
特に生態系と多様性を維持した環境保護がゴルフ場に望まれるとして、小動物、野鳥の生息地などに配慮したコース建設を行うなど、地域性を判断して、環境に適した開発計画を企てることの必要性が指摘された。
野生生物の良好な生息地が確保され、小動物のエコロジー環境の保全に努めなければならないが、それは新設ゴルフ場の開発に限らず、長年にわたり管理が続けられてきたゴルフ場にも同様な配慮が必要で、ゴルフ場の環境保護継続こそが不可欠とされている。
管理の行き届いたゴルフ場は、社会的好影響をもたらす施設であることは間違いないが、野生動物に対する配慮した場所を提供することも必要である。
温暖化や砂漠化などが原因で水不足に悩む地域では、リサイクルした水への依存度が高まる一方だが、リサイクルさえできない厳しい事態に陥る心配が生まれている。水の節約はコース管理を続ける上で最も重視すべきと捉え、水に対する依存度を極力低くしなければならない。従って、必要な時だけ水を使う、水をより少なく使うためのモニター観察が必要で、水管理プランの確立が求められる。
ゴルフ場で使用される灌漑用水について、オーストラリア、メキシコ、ポルトガル、イタリア、中国、アメリカなどの多くが水不足に悩まされているとのことだった。中でも中東地域ではコース散水に使用する水価格が非常に高く、1立方メートル当たり2USドル以上の用水を使用しなければならない状況におかれている。
また、異常気象が続くオーストラリアでも水源をいかに効率よく、経済的に使うかがゴルフ場に与えられた使命とされ、リサイクルした水、川の水、行政によって支給される水の供給を含め、水使用の制限が一段と厳しくなっているようだ。

教育

ゴルフコースのメンテナンスにかかるコストは、コースの長さやバンカーの数によっても違いが現れると報告している。22人の作業員が半日かけて雨の後のバンカー修正のために労力が費やされ、一方のゴルフ場では5人のスタッフが毎日6時間、週4日間バンカーを修正しているなど、コース設計に対して検討すべき課題も取り上げられた。
ゴルフコースは景観に優れ、環境機能も抜群である。その意味でゴルフコースは環境の継続性を考えてデザインされなければならず、低コストで有効に使えるビジネスモデルを完成することが、幅広い範囲の人々が楽しめるコースを造り上げることになる。メンテナンスが容易であることはもちろんだが、環境にとって適切で継続性があり、しかもコストが掛からないデザイン哲学が求められている。
この度の会議は各国のコース設計者が直面する問題を提起し、新たな取り組みへの挑戦を促すものになった。パネラーとして講演した38名からコース設計の現状について報告があったが、そのテーマは環境問題が多くを占めるものであった。
今回はその一部を紹介させていただいたが、世界の設計者が経済や環境等について考える、大変意義ある会議となった。

 

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