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写真家から見たセント・アンドリュースの魅力
日本ゴルフコース設計者協会
名誉協力会員 秋山 真邦
 

高緯度故の光と影

私が初めてゴルフの聖地、セント・アンドリュースを訪れたのは1985年6月のことです。当時はセント・アンドリュースの情報が乏しく、というより皆無に近い状況で、どう行けばよいとか、どうすればプレー出来るのかが分かりませんでした。だからほとんど手探り状態で彼地を訪れたのですが、運よく3日連続でオールドコースをラウンドすることが出来ました。

その頃のオールドコースはそれほど混んでいなくて希望すればほとんどの人がプレー出来ました。しかし、現在ではスタートの確保がなかなか難しい日が続いています。それほど、世界のゴルファーの聖地巡礼はますます盛んになっています。そして多くのゴルファーがゴルフ発祥の地を旅するという幸福を味わっています。

私は1985年から毎年必ず、それも多い年で年に2度、3度と訪れるチャンスに恵まれ、25年経過しました。ゴルファーなら一生に一度は訪れたいというゴルフの聖地に60回以上訪れ、オールドコースは100回以上、その他のスコットランドのコースは300回以上ラウンドしています。

私の場合、写真の撮影や現地の取材という大きな目的があり、その結果写真集や公認カレンダーの発行という仕事になっていることもあるのですが、セント・アンドリュースやスコットランドの魅力は行けば行く程、知れば知る程に増していきます。ゴルフはもちろんのこと、ラウンド回数を重ねるごとに新しい発見があり、感動があり、喜びを味わうことが出来ます。

しかし、セント・アンドリュースの魅力はプレーだけでなく、街と一体化したその地域あるいは空間にたくさん凝縮されているように思います。

羊が放牧されていたり、季節ごとに美しい彩りを見せる牧歌的な風景や石造りの美しい建物群と、そこで営まれるスコットランド人の豊かな生活。バグパイプの音色やタータンチェックのファッション、ウィスキーグラスを傾けながらパブでの語らい、そしてアンガスステーキに代表される美味しい食事など、数えきれない文化があります。もちろん親切で愛想の良いスコットランド人の人柄も大きな魅力です。

私はこれに加えて、もう一つの魅力が写真を撮影することです。「同じゴルフコースに20年以上通い続けて、新しい光景の写真が写せますね」とよく尋ねられます。私も自分で感心しながら、有難いことに訪れる度に新しい「これは」という作品が撮影できます。その一番の理由は北緯が約56度という北の方に位置していることです。

つまり、日本では考えられないくらい、季節ごとに太陽の出る方向と沈む方向が極端に変化して、あらゆる角度からの日差しがあるのです。私がよく撮影のベースにしているオールドコースホテルから眺めると、夏は東方向にあるセント・アンドリュース湾から太陽が出てそれから天中高く上がり、夜10時前に沈みます。それが春と秋はロイヤル&エンシェントゴルフクラブの背後からの日の出となり、冬はどんどん移動して街並み方向から太陽が顔を出し、ほとんど地平線を転がるように西へ向かいます。日中もやわらかい日差しで午後3時過ぎには日没を迎えるという高緯度地方ならではの動きをします。

さらにリンクスランドという名前の通り海に隣接しているので、水平線や地平線から出る日差しが低い角度からコースに差すことです。そのため海沿いの平坦な地形にあるコースでありながら、とても美しい「影」が現れて、コースを立体的に浮かび上がらせてくれるのです。

人間は二つの目「複眼」で物を見るため、その奥行きや立体感がわかりやすいのですが、写真は1本のレンズ「単眼」で写すためそういったものが表しにくいのです。それを支えてくれるのが「影」の存在です。写真を写すことを「撮影」と言いますが、この影を上手く捉えることが出来た時に、私が美しいと思える写真を撮影出来る瞬間でもあるのです。

一度は訪れたいゴルフの街

そして朝夕は影を追い求め、日中はゴルフをしながら撮影するのです。ゴルフをする時も必ずカメラを持参します。右手にカメラ、左手にクラブといった感じで、それにより自然なプレーヤーの姿が撮影出来るのです。一日のうちに四季があると言われるスコットランドですから、急に雨が降ったり、みるみるうちに霧に包まれたりすることもあります。大きな綺麗な虹に遭遇することもあります。この偶然に出会える景色も、ゴルフの神様が私にプレゼントしてくれたシャッターチャンスになるのです。

しかしこれほどのゴルフ天国とも言えるセント・アンドリュースも過去には辛い時期もあったのです。近いところでは2001年のアメリカ同時多発テロ事件です。世界のゴルファーが半年以上もセント・アンドリュースを訪れなくなり、街からは観光客が消え、ホテルもレストランも開店休業状態になったのです。そして、1990年の全英オープンを控えた2年前にオールドコースゴルフ&カントリークラブ(現在のオールドコースホテル)が倒産して、マンションに改造して分譲する話が持ち上がったのです。選手や大会役員が宿泊する施設が無くなるということで全英オープン開催さえ危ぶまれたのです。古くは1800年前半にペストの流行で街が汚染され、コースどころか街の存亡の危機にも遭遇しています。しかし、スコットランドではゴルフを愛する人々によって多くの努力を積み重ねて、今日の繁栄に繋げてきました。

全英オープン開催もゴルフの発展に大きく寄与してきました。ビッグイベントがあれば人々は注目しその会場を訪れようとします。私はこのようなイベントを、とても大事なことと考えています。今年はセント・アンドリュースで全英オープンが開催されます。昨年のターンベリーでの全英オープンで惜しくも予選落ちした石川遼選手が、今年はどういうプレーを見せてくれるかとても楽しみです。現在のゴルフの聖地セント・アンドリュースの繁栄は、ゴルフの国を訪れた人がゴルフを通じて地元民たちと幸せな時間を過ごし、その楽しかったいろいろな体験が「口コミ」で世界に伝わり、その結果「ゴルファーなら一生に一度は訪れたい」と言わしめたと思います。

ご一緒した方々が「もう一度セント・アンドリュースを訪れたい」とおっしゃるのをよく耳にします。セント・アンドリュースを第2のふるさとと思っている私にとってはうれしい限りです。

 

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