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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2009 Dec. 協力:一季出版(株)
日本ゴルフコース設計者協会特別座談会
これからの日本のゴルフコースのあり方(3)
環境重視の中でゴルフ場が果たすべき役割
司会・理事長 佐藤  毅
  名誉理事 加藤 俊輔(初代理事長)
  名誉理事 小林 光昭(第3代理事長)
  名誉理事 大西 久光(第4代理事長)
 

スローピングレート採用を

佐藤 日本ゴルフコース設計者協会ではゴルフコース設計の基本として8つの項目を上げています。これは改造工事でもたえず意識していなければならないものですが、自社施工の場合などともすれば忘れられがちになりますので、これは協会としてもっと啓蒙していく必要があると思います。もう1つはコースレートです。設計者は常に改造の中でコースレートを含め色々なことを考えながら設計しています。それに最近はこのコースレートに加えてスローピングレートも話題になっています。この2つのレーティングについても一般の方に知ってもらうことが必要ではないかと。

加藤 それはとても大事なことで、日本はその点では遅れていると思います。腕は落ちているのにシングルを維持したいとか、変な感覚が日本人にはあるようです。

佐藤 プレーヤーに限らずゴルフ場も一度コースレートを取ると、それを維持するために再査定をしない。取り直すとレートが下がるからといって、昔のレーティングそのままを利用している。

加藤 日本の将来を考えると、営業的なことばかり考えるのではなく、基本的なレベルを少しずつ上げていく必要がある。三角ベースでいくらホームランを打っても意味がないですからね。やっぱり世界のルールの中でやらなければ。それには、スローピングレートを日本でも採用すべきです。採用していないのはイギリスと日本ぐらいという時代ですから、スローピングレートを勉強して、自分達が普段プレーしているコースの難度は果たして高いのか低いのかを知らなければならない。スローピングレートはそれを数値で表すので一目瞭然です。またそれでアマチュア同士の交流も可能になるんです。難しいコースのハンディキャップ5と易しいコースの5が競技しても、易しいコースの5はとても勝負にならない。10もらっても勝てないということも起きるわけです。コースの難易度を明確にするためにもスローピングレートは採用すべきだと思いますね。

佐藤 1997年ごろから数字を基にして難度を出しています。

加藤 スローピングレートは113が標準で最高値は155、最低は55という数値を基準に難度を出していますが、今ハワイでは160を超える桁外れに難しいコースが出てきていますよ。そうすると今度は難度がコースの価値を決めることにもなってくる。そうしないとアマチュア同士の対抗試合もできないし、逆にスローピングレートによってコースのあるべき姿が、世界的なレベルになっていけるのではないかと考えると、是非進めるべきだと思いますね。

佐藤 設計者協会もいずれ講師を招いて、スローピングレートの研修会をやりたいと考えています。

大西 ただ、基本的に日本のコースでそれやるのは難しいと思います。プレイング4やホール間にOBラインがあるとか、国際ルールに反するセッティングがされてますよね。当然ハザードであるべき池がOBだったりとかこういうのを改めないと、スローピングの一定基準に合わせるのは難しい。

加藤 スローピングの査定をする人達も、当然そういうものを考慮してやるはずです。元々アマチュアのボギー対象の人達のもので、スクラッチプレーヤーとは関係ないですからね。アマチュアのためにこういうことをやることでもっと励みになる。で、ついでに設計者の仕事になる。

大西 OB杭とハザード杭を立てに行くだけでも、設計者にとって仕事になるかもしれない。

佐藤 このスローピングについては協会としても今後の研修課題の1つに挙がっていますので勉強していきたいと思います。

小林 協会の会員自身がスローピングについてはきちんと勉強しておかないといけない。これはちょっと読んだだけでも少し頭がおかしくなるくらい難しいですからね。

環境への貢献度増すゴルフ場

佐藤 次に最近、環境問題が非常に重視されるようになり、その中でゴルフ場も自然環境保護の観点で大変注目されるようになってきました。ゴルフ場は膨大な費用と人材を投入してコースを整備しているわけですが、その管理の結果としてCO2の固定量、O2の発生が周辺環境をはじめ日常生活に大きく貢献している。したがって地球温暖化という世界的課題にゴルフ場が果たす役割は非常に大きなものがあります。

加藤 ゴルフ場が温暖化防止に果たしている具体的な数値は出ているのですか。芝生の単位面積あたりでどのくらいのCO2が固定化されているといったような。

佐藤 これは一季出版さんから環境に関する数値が出されています。例えば全国のゴルフ場約2400箇所の総面積を27〜28万haとして有機物生産量が約314万トン。CO2固定量が460万トンなどの数字が出ています。

大西 ずいぶん以前に金田武明さんが、設計者協会に寄稿された文章の中に、1985年頃にアメリカの環境省が調査した同様の数値がありました。アメリカでは早くも環境の数字が出たことで、ゴルフコースが見直されたといいます。特に、芝が張られているので土砂が流出しない。土砂が流出したら元に戻るのに相当の期間かかる。だから芝生のため土が流れ出ないことがもの凄く意味があることとして、アメリカでは大変評価されていると金田さんが書いていた。

加藤 森林伐採したマイナスと相殺してそうなるのですか。

佐藤 植生によってその効果には違いがあるそうで、例えば常緑樹のスギやヒノキは意外にCO2の固定量が少なく、逆に雑木類は多いという。同様に芝生も洋芝より日本芝の方が吸収率があると言われているようです。

小林 日本が猛烈な勢いでゴルフ場を造っていた時代に、ゴルフ場は自然破壊だと言われ国や県が開発許可の中にホール間の林帯設置義務など様々な規制を設けた。しかし当時の環境保護の規制が、今になって環境保護になっていないことが明らかになってきました。20メートルの林帯を確保するために大きな法面を造った。そんな規制がなければもっと素晴らしい自然が残ったはずなのですが、その間違った政策が今障害になっているんです。その時代に山に造られたゴルフ場は、大きな法面を切ってその間にU字溝を入れ、その間が草ボーボーになっていますよ。

佐藤 災害上大変危険な状態です。

小林 何であの法面を取ってしまって、きれいな状態にして木を植えておかなかったのか。

大西 日本には間違った常識があって木を切ることが罪悪になっているんです。本当は間伐をしたり植え替えたりしないとCO2を吸収しない。ゴルフ場もそうだけど、1本の木でも切ったらいけないという理事が必ずいるんです。

小林 それからこの間北海道であった陥没事故。あれだって行政の大きな失敗の中に原因があるんですよ。なんでもかんでも下に大きな管を通して、雨が降ったら瞬時に下に流しなさいですから。

佐藤 私もあれは失敗だったと思いますね。

小林 大きな管で時間何ミリの雨量に対応するなどと説明していますが、なぜ太い管を入れなければいけないのか。私は何回も拒否してケンカしましたよ。日本の各地に昔からある水田は一番大きな調整池なんです。大雨が降ったら水田が全部水を貯えて洪水を未然に防いだ。ゴルフ場も同じで、フェアウェイもラフも水田同様、全部調整池にすべきだと思います。時間30・も降っている時にゴルフしている人なんかいません。そして雨がやめば自然に水が浸透していくように造ればよかったのだと。

佐藤 環境問題もゴルフ場の大きな課題ですがもう1つ、ゴルフ場排水の農薬成分が昔はずいぶん騒がれました。ところがその水質検査では5年連続検出ゼロの結果が出ています。平成19年度は全国754のゴルフ場で調査が行われ、調べた延べ2万7365の検体から指針値を超えた農薬成分は検出されなかった。それが何年も続いていて、ゴルフ場の安全が証明されています。芝生のCO2の固定の問題を含めて、ゴルフ場が悪だと言われた時代から、今は果たす役割が非常に大きくなってきている。

加藤 大分前から僕は、大体10メートル離れたら無害だというくらい土壌には吸収力があると主張してきたけれど、それは役所に通らなかった。だから今、日本を参考にしている韓国では、グリーンのCO2下にシートを引くよう指導されています。しかしそんなことしたらシートに穴を開けない限り芝がおかしくなってしまう。もっとも、たとえ穴を開けたところですべては開けられないから、いずれは弊害が出てくると思いますけどね。

延べ入場者を増やす努力必要

佐藤 最後にゴルフ場の環境維持という問題に関連して、アメリカのゴルフ雑誌でゴルフコース100選などのランキング付けが行われています。その選考の中で環境問題が重視されるようになり、コースの評価基準に環境が加味されるようになってきたといいます。ゴルフ場のグレードに関わらずどういう経営方針で、どのような環境対策をしているかについても評価対象になってきたということは、ゴルフ場が新たな時代に入ったことを示しているように思います。

大西 ゴルフ場がCO2を吸収するとか環境にいいことは分かりました。そこで次は何をすべきか、例えばCO2を出さないこととか。芝を燃やせばCO2が出る。それを改善しより環境に優しくするにはどうすべきかが今後の大きなテーマになる。また、ゴルフ場から出る水をどれだけクリーンにできるかもテーマの一つですよね。

佐藤 また最近、余剰ゴルフ場ということで早稲田大学の先生が、2035年ころには日本のゴルフ場の37〜42%程度が不要になる、という統計を出しました。その中では東京近郊のゴルフコースでさえ、152のゴルフ場が必要なくなると結論付けています。

加藤 50%〜60%くらいは残るということですか?

佐藤 60〜65%くらいが残るということらしいです。

大西 これはちょうど、バブル以降に出来たゴルフ場の数と同じ700〜800コースがいらないって言っているんです。だけど僕が一番この問題で言いたいのは、そんな結論を出す前にゴルフ関係のマーケティングがきちんとできているのかということです。こういう予測をする人は、将来の人口減少や老齢化とかで勝手にそういう数字を弾くのですが、ちょっと僕は無責任だと思いますね。

小林 高齢者でもゴルフはできますから、そこまで悪化するとは思えませんよね。

加藤 閉鎖するコースを300コース程度に減らす努力をしながら、皆で維持管理していく体制が取れればいいと思います。自治体としてもそういう(破綻ゴルフ場を自治体が引き受け再生する)方向を模索する必要はあると思います。子供たちのための運動場にしようというのと同じですよ。

佐藤 ゴルフ場によっては自然環境をそのままを味わえるということで、開放したりするところも出てきました。

加藤 商売として捉えるのではなくてね。

小林 公営のゴルフ場はもっとあって良いと思う。県営に限らずもっと規模の小さい市営ぐらいで、つぶれてしまいそうなゴルフ場を存続させていくような。

大西 実際に企業が作ったゴルフ場が地元の町に無償で払い下げられた例が北海道でありました。

小林 それをどう管理していくかはやはり難しい問題です。その時設計者協会の会員がアドバイスできる形が良いと思うんです。

佐藤 そうするとゴルファーの育成、増加にもつながってきますね。

大西 その前にマーケティングとしておかしいのは、ゴルフ人口だけで割り算していることです。だけど1人当たりの回数をかけないと延べ入場者が出てこない。ゴルフ場にとって重要なのは延べ入場者なんです。日本のプレー回数はまだおよそ1人当たり10回で、アメリカは20回ですよ。そういうことが加味されていない。例えば70歳以上はウィークデーに時間があり利用税もかからなくなった。しかもプレー料金は下がり乗用カートもある。確実にニーズ、つまりプレー回数は増えているんです。そういうことを加味したきちんとしたマーケティングデータに基づいて、需要はここまで減るからゴルフ場はこれだけ不要になるというのなら僕も納得しますけどね。

加藤 大西さんは以前から、1人が1回ずつプレー回数を増やすだけで大丈夫だとおっしゃっている。そういうものが必要なんです。じゃあもう1回増やそうじゃないかと、そうなるように皆が努力すればいいんですよ。

大西 それとバブルの頃と比べてプレーフィーが35%くらい下がっている。ということは、その頃と同じ金額で今は年間で2、3回余計にプレーできる計算になる。

小林 年金生活者のことも考えなければいけない。そういう人達もゴルフができるように。だから、お年寄りがもっと楽しめるコースにしていかなければなりません。

佐藤 ゴルフ場としてもそのような人達を迎え入れる体制作りが必要となりますね。

小林 だから変わらなければならないと思いますね。パブリック、または地方の町や市の公営ゴルフ場がもっとできていいのじゃないかという感じはしている。

佐藤 その点は大きく変わってもらいたいところです。本日は大変貴重な時間を頂きありがとうございました。

 

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