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21世紀ゴルフへの提言
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2009 Nov. 協力:一季出版(株)
日本ゴルフコース設計者協会特別座談会
これからの日本のゴルフコースのあり方(2)
新時代に向けたコース創りへの挑戦
司会・理事長 佐藤  毅
  名誉理事 加藤 俊輔(初代理事長)
  名誉理事 小林 光昭(第3代理事長)
  名誉理事 大西 久光(第4代理事長)
 

誰でも楽しめる設計とは

佐藤 これから日本において改造が重要なテーマになって来ます。プレーを楽しませるためのコース設計とコース改造とは何か。団塊世代が多くを占める中で、若者や女性ゴルファーも最近増えてきましたが、誰にでも楽しめる設計理論というものはあるのでしょうか。

大西 コースの特性に合わせて運営するしかないと思います。チャンピオンコースは上級者を対象にすべきだし、易しいコースは誰でも楽しめるようにとかね、今の時代、全くビジネスにならない極端に難しいコースを造ったのでは経営者は撤退するだけ。我々ゴルフ界の人間はゴルフ場がビジネスとして成立するように少しでもお手伝いしていくことが大切ですね。

加藤 アメリカはパブリックの数が80%、それに反して日本は10%です。パブリックが増えない限りゴルフ熱は上がりません。アメリカはUSオープンさえパブリックで開催している。基本的に両立はできるんです。僕はあるところで試みていますが、IPを2つ取った。プロ用300ヤード、一般の人には230ヤード前後で全体的にバランスをとってやればできないことはないんですね。なぜかというと、アメリカや日本の若者はタフなコースを求め始めているんです。難しくてスコアが出ないようなコースを果敢に攻めて楽しんでいる。そんな傾向が出ているので、日本でももっとレベルアップして行くべきだと思います。難しくすると逆に喜んでもらえる時代に入っていることを見逃してはいけないと思います。

佐藤 そこで改造するには資金がかかりますが現在のゴルフ場の収益ではなかなか難しい。

小林 確かに資金は必要ですがトラップを1つ作るとか、木を1本植えるなどで金をかけずに改造もできるんです。

佐藤 もう少し簡単にポイントを説明してください。

小林 そ要するに本来ゴルフはそこにあるホールを自分の力でどう攻略するかのゲームです。それを攻略しにくいように難しくするテクニックはいろいろありますが、あくまでもゴルフはそのコースへの挑戦以外の何者でもない。そこにあるものをどう攻略するか、それはプロもアマチュアも今日始めた人だって皆同じなんです。だからどう改造するかより、どう攻略するかがゴルフなんですよ。

大西 そうですが日本のコースには上級者なら攻め切れるけれど、一般ゴルファーにはどうにもならないコースがたくさんある。そういうものは改良しないと客は来なくなります。

小林 それをどうするかの問題が設計者に与えられる。

大西 例えば最近の日本オープンはフェアウェイが狭くラフを長くしていますが、それを見た一般的なコースが真似てフェアウェイを15ヤードに狭くしラフも伸ばした。確かにフェアウェイの刈り方で難度は変わりますけれど、アベレージゴルファーがいっぱい来ているのになぜするのか不思議でしょうがない。しかしこれはトーナメントの悪い影響ですね。

小林 そのアマチュアは、そのコースでプレーしていくつ叩いたということだけなんですよね。

大西 だけどそのトーナメント開催コースなら話は分かりますが、別のコースなんですよ。

小林 いや、その人は俺はあんな難しいコースでプレーしたということが大事なのでしょう。

大西 確かにそういう人もいます。一方で今激減している接待ゴルフですが、やけに難しいところへ連れて行ったらお客さんは怒って逆に接待にならない。そんなコースも結構ある。つまりどういうゴルファーがどういうニーズを持っているかをリサーチする必要がある。現状はゴルファーのニーズとコース側の問題がずれていると思います。

オーガスタのセッティング

佐藤 最近、女性ゴルファーが非常に増えてきました。女性やシニアのための改造論も必要になってきますね。

大西 女性とシニアのプレーヤーだと線のゴルフ、転がっていくラインがいります。

加藤 健康のため生涯プレーしたいというのは重要なニーズですから満足させなければなりませんが、私はプロとアマチュアの共存はできると思います。トラップの配置、フェアウェイの幅、うねり、傾斜、グリーンの難易度などいろいろ多彩なものを作ればいい。それを経営者が理解すればできると思います。

大西 むしろ加藤さん、日本のコースにはプロや上級者にとって易しいコースがありすぎますね。

加藤 だから日本で国際試合を常時開けるコースはたくさんありません。簡単にキャリーで300ヤード飛ばすんだから、戦えるわけがない。ただある程度、プロとボギープレーヤーが同居できるコースはあります。

佐藤 最近はお金をかけないため自社で独自に改造するケースも増えてきました。その人達は専門家ではありませんから、改造のアドバイザーとして設計者がいるという理解を深めていかないと、アンバランスな改造になってしまうという気がします。

大西 お金をかけずに改善する方法としては、芝の刈り方などのコースのセッティングやコンディションなどがあります。そのヒントの1つが今年のマスターズ。オーガスタは従来ずっと距離を伸ばしてきました。それが今年は距離を少し短くしたそうです。また4日間水を撒かなかったグリーンに今年は水を撒いて止まりやすく、しかし止まるけれども速いグリーンにした。またラフもボールが見えなくなるほど深くない。ご存じのようにあのコースはプロにとってもすごい魅力的なコースですが、同時にボクの経験からもレギュラーティーでグリーンを普通のコンディションにしたらアマチュアでも十分楽しめる面白いコースで本当に両立する。その理由はいくつかあるけれども例えばバンカーが少なくフェアウェイも広いなどアベレージゴルファーが楽しめるレイアウトになっている。なぜオーガスタが従来の方向性を変更したか、そこをよく考え直さないと日本のトーナメントも間違うなと思うわけです。マスターズでは元々出場するプロがオーガスタをものすごくエンジョイしていました。それが難しくなりすぎてプロが面白くないと言い出した。それを矯正したのですが、要はアベレージもプロもそれぞれのレベルで楽しめる。そのセッティングとコンディションを考えれば改造以前にいろいろ手を加えられると僕は思います。

小林 確かに楽しいですよ。私らがやっても全然難しい感じがしなかった。楽しいコースですね。

大西 僕は初めて全米オープン並みに固くしたという年にプレーしたのですが、サンドウェッジのフルショットが止まらない。一番止まるボールで打ったのに……。

加藤 やりすぎましたよね、15番の場合カップを狙うと池に入る。近くに寄せれば何とかなるのだが、なぜかというと勾配が3.8%もある。それは自然に転がってしまう傾斜。これからのゴルフ場はそういう数字も大切にしていかなければならない。そうすればプロの競技も面白くなる。

佐藤 今の数字というのは非常に大切なことですね。

アマとプロのカップ位置

加藤 カップの位置もアマチュアに切ってはいけないところがあります。そういうことも少し勉強してもらわないと、設計者はここだけはプロ用にというグリーンも作るのですから。

大西 大体どこのコースもホールロケーションはグリーンキーパーに任せきりでしょう。競技委員がいてもメンバーも誰もタッチしてないんですよ。

小林 コースセッティングは一番大事なことですよね。それが設計者と当日のキーパーとのコミュニケーションを取れているかどうかです。しかしあるゴルフ場でカップの切り方を聞くと、決まったローテーションで切ってますという。雨だから高い場所に切るのではなくローテーションしか考えていないんです。それが間違っていると僕は言っているのです。同様にティマークについて聞いても誰が置いたか分からない。

加藤 僕は御殿場の太平洋マスターズで続けて8年間カップを切りました。だからトーナメントが始まる前にトップのスコアが読めるんです。その間1ストロークくらいしか違わなかったね。そのくらいわかっている人がやれば面白くなるんですよ。

小林 設計者はそれを考えてグリーンの勾配を作っているわけですから。しかし実際使用する方々にはそれが一切頭にない。

佐藤 それがゴルフをつまらなくしているのでしょうか。

大西 しかし日本の場合は、ゴルフ場がオープンしたとたん設計者が要らなくなっちゃう。ほとんどのコースで設計者は関係ない。

加藤 それが問題なんです。

大西 設計者がいって「このピンまずいぞ」っていう機会もない。

加藤 御殿場が評価されるのは僕も関わって35年間、様子を見ながら徐々に改造してきたからでしょうね。

大西 大分以前、全米プロの解説で行ったとき、事前に最終日のピンポジションを確認させてもらったが、これが大変勉強になったんです。優勝争いは誰が見てもフック打ちのラニー・ワドキンスとフェードのリー・トレビノの2人。すると1ホールごとにピンが右と左交互に立っていてどちらかに有利になる。そんなことも楽しんでいる。ところがプレーではトレビノ有利の右端ギリギリでバンカーの際に立っているピンを、ワドキンスは右からフックで狙ってくる。徹底していると思ったね。

加藤 それは確かに、異なるボールを持ち球にしてれば読めますよね。御殿場でも同じような目的で改造したことがあります。フェード打ちの片山晋呉に勝たせようとしたわけではないですが、プロはきちんと対応します。もちろんアマチュアにそんな対応はできませんから、アマチュアを喜ばせる設計はそんな困難なものであるべきではないと思いますが。

佐藤 その意味で設計者という存在は非常に重要ですね。

加藤 グリーンの面白さならアマチュアだってプロと同じように楽しめますから。

大西 それともう1つ大切なのはティによる長さです。プロと違ってアマチュアは自分の飛距離で大きな差が出ます。飛ばし屋の中にはバックティーでプレーしたいという人もいますが、レギュラーティーでは6,000から6,200ヤードが普通です。それを少し難しくしようとすれば6,400から6,500ヤード。女子も2つあって5,200ヤードと5,600ヤードくらいにしておくと同じコースでもそれだけ楽しめる。その意味でティーの数は増やすべきだと思いますね。

加藤 地形にもよるけれど、僕もその日のコンディションでどこにも置けるように50ヤードのティーを作っていますよ。ほぼ平らでないと出来ないですが、工夫はいくらでも出来ます。

コースセッティングの重要性

佐藤 ところで改造をする場合、どういう点に注意する必要があるでしょうか。

加藤 改造の1つの例として、第1打を牽制するバンカーがある場合、フェアウェイを普通25ヤードが常識のところさらに狭くしようとしてバンカーとフェアウェイの間にかなりのラフと造った。するとフェアウェイを外した人は一番難しいラフに行くし、バンカーの方が楽なのにバンカーまで転がらない。そこでラフの幅を1mくらいにしてフェアウェイをバンカーの近くまで広げた。するととたんにスコアが悪くなるんです、フェアウェイを広げたのに。広げたら易しいじゃないかという発想は当たらない、広げたからスコアが悪くなるんです。アマチュアレベルでは広い方がいいが、プロによってはそこを広くされるとはっとドライバーを抜いちゃうとか、いけるかなと思って一瞬迷うんですね。何故スコアが悪くなるかというと広げたフェアウェイでバウンドしてバンカーに入る。狭いラフでは抵抗がなく止まらない。こうやると逆に攻めないんです。

大西 今、加藤さんが言われたようなケースで、相模原の日本オープンで一番長いパー4でフェアウェイが20ヤードないくらいで、バンカーとフェアウェイの間に5ヤードくらいのラフがある。これが今言われたように一番難しいんです。飛び越えてバンカー入ったほうがいい。だけども一番長いパー4なのにドライバーを使わせないセッティングになっている。

加藤 これは面白くないんですよ。

小林 だからセッティングが今までの疑問を全てクリアできると思うんです。だから改造よりもセッティングについて協会としてはもっとアドバイスすべきじゃないかと。設計者協会ではそのたった数ヤードのラフのことでも大事なんだと伝えるべきです。私もローピングしながらフェアウェイの形を指導しているコースがいくつかありますよ。

大西 スコットランドでは、バンカーは必ず入りやすく造っていますね。

加藤 スコットランドのバンカーは入り易く造ってあるうえ、日本のバンカーよりかなり大きいからギリギリを狙っていくと最後は入ってしまう。日本のバンカーは小さくてギリギリ狙っても入りにくいから、その癖の付いている日本のプロは感覚的に逃げられないんです。それでピューっと入っちゃう。

大西 日本はラフで止まっちゃう。

加藤 雨が少ないから水がいくら入っても構わない。だからボールが入りやすいように造れる。そういう国際的なコースコンディションもあるので、その勉強のために日本で作ってもいいんですよ。雨が多いからその対策を施してあっち向きのものを作ったら勉強になるよね。

小林 PGAの競技委員の人たちもそういうことは研究しているんでしょ。

加藤 してるとは思うけれど、プレーした人でなければ分からないでしょう。

大西 元々の発想が違うんです。だから、欧米のトーナメントに行ったらそういう部分をもっと見てくるべきですよ。この間トーナメント関係者が話していましたけど、マスターズに行っていい勉強してきましたというから何かと聞いたら、日本の場合、強いアンジュレーションがあるとトーナメントの時でさえビューっとグリーンから飛び出してしまうことがある。ところかオーガスターの場合は、例えば16番のように上からトロトロトロトロと落ちてきてピンに寄っていくと、ギャラリーがワーって歓声を上げてもの凄く喜ぶようなアンジュレーションになっているんです。つまりそういう演出をしているわけで、それは大事なことだと思いますね。

加藤 それを知っていてもうまくいかないんですよ(笑)。1つの例があるコースで、世界中の猛者が集まる国別対抗の世界選手権をやったときに、あるホールで皆ピンの横につけてくるのはわかる。反対側は3mくらいで落ちちゃうから。で、あの日何人も同じ方向からパットしたが誰1人として入らない。バーディはなかった。つまりどんなに読んでも読み違えるんです。ところが2回目は皆修正して入れてくる。その点プロトーナメントの方がやりやすい。アマチュア全員が満足するピン位置のほうが難しいと思うな。(以下次月)

 

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