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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2009 Sep. 協力:一季出版(株)
真にあるべきコースとは
日本ゴルフコース設計者協会
理事 戸張 捷
 

世界的に著名な米ゴルフ誌『ゴルフマガジン』と『ゴルフダイジェスト』は、2年ごとに世界のゴルフコースのランキング、いわゆる「ベスト100」を選定し、発表している。
私はたまたま『ゴルフマガジン』誌の評議員を務めているが、その「ベスト100」には毎回、アメリカや豪州等の歴史の浅いゴルフコースが新しくランクインしてくる。
例えば、最新の07年版には11位にサンド・ヒルズ(米、94年開場)、13位にパシフィック・デューンズ(米、01年開場)、33位にフライアーズ・ヘッド(米、03年開場)、35位にバーンボウグル(豪、04年開場)、41位にケイプ・キッドナッパーズ(ニュージーランド、04年開業)、さらに60位には韓国・済州島のナインブリッジス(01年開業)といった開場後間もないコースが高い評価を受けている。韓国のナインブリッジスは前回、05年版で95位にランクしているので、その後の2年間でさらに評価を上げたことになる。
一方、日本でベスト100にランクインしているコースといえば、相変わらず廣野(37位)、東京(84位)、川奈(87位)、鳴尾(100位)。いずれも戦前に開場した歴史のあるコースだけである。しかも、東京を除く3コースは、C.H.アリソン(廣野、川奈)とH.C.クレイン(鳴尾)という外国人設計家の手によって造られたものだ。
どうして、戦後に日本人によって設計された数多くのコースの中から、世界的に高く評価されるコースが現れないのだろう。その原因は、どこにあるのだろうか。
おそらくその根本には、日本のゴルフ界と外国の評議員(審査員)との間に、コースに求めるポイントの違い、価値感の違いがあるのだろう。

ゴルフコースに対する価値観の違い

ゴルフコースは本来、その土地と自然を巧みに取り込んだデザイン、その土地に融和した造形が求められるのだと思う。
実際、廣野にしても、川奈にしても、もともとの地形が上手に取り入れられている。そして、その上で、プレーヤーにチャレンジさせる、という設計者の意図が込められている。
ところが、日本の多くのコースでは、その土地と自然が主役ではなく、造り手側の思惑が主役となり、ときにプレーヤーの気持ちを斟酌し、妥協して造られることがある。
例えば、その土地の様相からパー70のレイアウトが理想的で、素晴らしいコースになるにもかかわらず、造り手側の要望で、無理してパー72で造成したために、不自然で流れの悪いレイアウトになる、といったケースが少なくない。また、ハザードの設定にしても、「プレーの渋滞につながりそうだから」という理由で、取り除かれたり、イージーな形状になることもあるだろう。
根本的に、日本のコース造りにはゴルファーに迎合する傾向があるのではなかろうか。
つまり、プレーヤーに挑戦させるのではなく、楽しくプレーができるとか、我慢をすることなくプレーを進められるとか、さらにはいいスコアを出せる、といったことが大事な要素になっているのである。
あるいは、そこには日本人特有の"もてなしの心"があるのかもしれない。「プレーヤーには喜んでプレーしてもらいたい。そのためには、難易度を抑えたほうが……」といった配慮だ。
しかし、そうした配慮は世界から見れば、実におかしなことである。
ゴルフ本来の面白さ、醍醐味とは、タフなコースに対して自分の力を試すこと、自分の力で挑戦することである。真のゴルファーが大切にする"フェアプレーの精神"も、そこから形作られたものだと思う。

ハザードがあってこそゴルフコース

もちろん、問題はコースの造り手、ゴルフ場側だけではない。日本のゴルファーに、そうしたゴルフコースを求める傾向があるのだろう。「挑戦」よりも、「楽しくプレーできる」コースを求めるメンタリティが……。
20世紀初頭のアメリカのコース設計家、ロバート・ハンターは、彼の著書にこう記している。
「スコットランドの祖父たちが、リンクスでゴルフを始めたのは、そこに理想的なハザードが天然に備わっていたからだ。近くには美しい芝の牧場がいくらもあったはずだ。だが、それらの牧場はゴルフの誕生地として選ばれなかった。スポーツマンはそのような単に美しいばかりで、ハザードのない野原には心を惹かれなかったのだ。彼らはそのかわりに、強風の吹きすさぶ、うねりくねったリンクスを選んだ。そこにはあらゆる種類のハザードが充満している。それらはすべて、戦うには困難であっても、ゴルファーの熟練によって征服し得ないものはひとつもないのだ。言い換えれば、そこには、熟練、正確性、力、勇気などスポーツマンによって享受される立派な資質をもって戦うに相応しい地形があったからだ」
(摂津茂和著『不滅のゴルフ名言集』より抜粋)
さらに言い換えれば、ゴルファーに熟練、正確性、力、勇気などスポーツマンとしての資質を試させないゴルフコースは、真にあるべきゴルフコースではない、ということである。

世界のゴルフ界から取り残されないために

こうした日本のゴルフコースの状況が問題なのは、なにもゴルフ誌で高く評価されないからではない。
もともと、プレーヤーに"挑戦させる"という発想のないコースは、競技に際してどんなにタフにセットアップしても、難易度に限界がある。あるいは、難易度をフェアに高めることができない。
それでは結局、競技を通じてプレーヤーのレベルアップを図ることは難しい。
同様に、日ごろから"優しい"コースでプレーしているゴルファーは、どんなに優れた技術を持っていても、海外のタフなコースを相手にしたときに、どこかに弱さが出てしまう。それは深いラフからのショットであったり、あるいは我慢強さであったり……。前述のロバート・ハンターの言葉にならえば、「スポーツマンとしての資質」のどこかにウィークポイントが出来てしまうだろう。
そして、"優しい"コースに慣らされた日本のゴルフ界と、タフなコースに挑戦する国のゴルフでは、ゴルフに対する基本的な思想、文化が大きく異なっていくはずだ。その影響は、ゴルフ界のいろんな分野で大きな差になって現れるだろう。いや、既に現れているのかも知れない。
最近は、東南アジアの国々、あるいは中国でも、国際的に評価の高いゴルフ場が次々と造られるようになった。今後、そうしたコースで育ったジュニアが成長すると、日本選手を凌駕する存在になっていくに違いない。
日本のゴルフ界の将来を考えると―様々なところから異論、反論が出るだろうが―ゴルフコースを、もともとの土地を生かした、その大地に違和感ない造形の、難易度の高いコースにすることである。そして、そこでは「プレーヤーに挑戦させる」というテーマを明確に表すことだ。
この原点から出発しなければ、日本のゴルフ界はやがて国際的には後進国になってしまうだろう。日本のゴルフを逞しく活性化させるには、そこから始めなければならないと思う。

 

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