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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2009 Jul. 協力:一季出版(株)
ゴルフ場の将来展望に必要なこと
日本ゴルフコース設計者協会
監事 林 弘之
 

これからのゴルフ場は個性を磨く時代

4月下旬、京都ゴルフ倶楽部上賀茂コースでプレーする機会に恵まれた。ゴルフ場の敷地面積は16万坪と狭い。コースは周囲を山に囲まれ、通常のゴルフ場と比べると短く狭い。それにもかかわらず、私を含め一緒にプレーした人達の多くは、再度チャレンジしてみたいという気持ちを掻き立てられた。
その理由は、そのコースが持つ独特な個性ではなかろうかと思う。距離がないコースは、とかくプレーヤーに飽きられる。またコースの狭さはなおさら不人気を増大させる大きな要素となる。京都の上賀茂コースはこれをまさしく逆手にとり、ハンディを長所に変え成功している好例ではないか。その秘訣は何か?
周辺環境、コースレイアウト、コース管理、運営等色々な要素がプラスに絡み合い、このコースが醸し出す快い空間を創り出しているではないか。特に印象深いのはコースが庭園的な美しさを持っていることで、距離の短いコースという印象にもかかわらず挑戦意欲が湧いてくるゴルフ場である。専門的な見地から見れば、ティ、ラフ、フェアウェイ、グリーン、バンカーその一つずつを観察すれば、特に入念にピカピカに管理されているかというとそうでもない、中の上ぐらいの管理評価である。しかしコース全体の印象は最高点をつけても文句はない。私なりにこのコースの演出のすばらしさを分析してみた。
まず周辺環境であるが、自然林との調和が取れた間伐、下刈りが行われていた。現在多くのゴルフ場でティ周りの生垣、低木の撤去、グリーン周りの日照、通風改善のための間伐が盛んに行われている。これはターフの健全な成長促進ならびに管理コストの削減上好ましいことである。またプレーヤーの視点からコースが美しい、ひいては心和む風景として感じることが出来れば最高である。
次にコースレイアウトに関しての印象である、距離のないホールについては、そのホールを美しく引き立たせ、戦略性、難易度を高めるため、バンカー、池、クリークが効果的に配置されている。そしてそれらがプレーヤーの攻略意欲を掻き立たせ、何回でも挑戦してみたいと思わせるコース作りとなっている。打ち上げ、打ち下ろしのホールもあるが、この高低差が距離のないホールの難易度、特に距離感の判断に微妙な影響を与えプレーを面白くしている。
そしてコース管理である。「中の上」と申し上げたがこれは個々のグリーン、ティ、フェアウェイ等を観察した場合で、全体の印象から判断すれば上である。この全体的な印象こそプレーヤーが抱くコースの評価基準である。個々の管理が良くても、総合的な印象がプレーヤーにインパクトとして残らなければマイナス評価となる。
各々のゴルフ場が持つ個性を深く掘り下げ、その長所、短所を追求し改善してこそプレーヤーに愛されるコースとなり、それが経営の安定につながる。顧客満足の立場に立って、現状のサービス評価分析を行い、その中からゴルフ場の優位性、マイナス点を抽出、改善に結び付ける。
この答えの一つが京都のゴルフ場の中に隠されているのではないか。今後60〜70歳台のシニア入場者の減少、その受け皿となる40〜50歳のプレーャーの増加が望めない中、少子高齢化が本格的に進むことを真剣に受け止め、憂慮すべき事態の対策を早急に構築しなければならない。個性をもった特徴のあるコース作りこそプレーヤーを惹きつけ、人気コースとしてコンスタントな入場者が期待できる。今後10年以内に起こり得るであろう大きな変革期が到来してからでは遅い。改革を先送りすれば経営に重大な問題として圧し掛かってくるに違いない。

ゴルフ人口の減少を食い止める試み

専門家の辛口な発言として、日本の約2500コースのゴルフ場が将来は1500コースで十分足りるという意見は、まんざら大げさな話ではない。ゴルフ業界全体の深刻な問題として、プレー人口の減少を食い止める方策を考えることは緊急の課題である。このまま座視すれば900コースが消えてなくなる運命だ。
アメリカではジュニアからシニアまで幅広い層のプレー人口がある。私がサンディエゴ近郊のゴルフ場を見学に訪れた際、小学校の生徒達が先生と一緒にゴルフ場を訪問していた。グリーンの周りでゴルフ場関係者からゴルフの説明を受けていた。たぶん子供たちの脳裏からはその日の出来事は楽しい思い出として一生消えないであろう。日本でもこうして、幼少の頃からゴルフに親しみ、ゴルフが身近なものとして子供たちに素直に受け入れられないものか。子供の時に抱いた、広い芝生の上で思い切りボールを飛ばすプレーへの憧れは、彼らにゴルフへの興味を抱かせ、ひいては一生続けられるスポーツとしてジュニアに広がるのではないか。
ジュニア育成を目指した各方面の関係者の取り組みは大いに尊敬に値する。ただ、この運動がゴルフ場全体に広まらないのは大変残念である。ジュニア育成問題に関して、現状認識として、各ゴルフ場がこの問題は業界全体の問題であり、自分たち個々の問題ではないと捉えている。プレーヤー減少対策は、各々のゴルフ場が自分のゴルフ場に将来必ず起こりうる死活問題として真剣に取り組まないと将来はない。少子化でもゴルフをする子供達の比率が高くなれば、入場者減に歯止めがかかる。潜在プレーヤーの掘り起こしこそ、この問題解決のキーポイントではないか。
ジュニア育成の具体策として、教育現場と共同でゴルフ場をスポーツ教育、マナー教育、心身鍛錬の場所として活用できないものだろうか。都市化が進み遊び場を失った子供たちは、テレビゲームに代表される室内での遊びが主流になっている。子供時代に思い切り自然に親しみ、健全な身体の育成をすることは、将来社会人になってタフな体力が要求されるビシネス社会においても有効である。
ゴルフ場のクラブハウスをスポーツ教育の教室として提供し、ゴルフが本来持っているプレーの面白さ、自己申告責任、ジェントルマンシップ、フェアプレーの精神、ゴルフにまつわる歴史、寓話等を学ばせる。そしてコースでの実地体験を含めたカリキュラムを組んでみてはどうか。
また、学校教育を離れた取り組みとして、各ゴルフ場がシニアメンバーをボランティアのメンター(指導者、教育者)として養成し、ゴルフ少年団のような組織を立ち上げる。シニアメンバーがメンターとして一緒に練習、ラウンドを行えば、子供のマナー教育にも成果があがる。そして世代間の断絶等の問題も解決されるのではないか。広い自然環境の中での身体の鍛錬、スポーツマンとしてのマナー教育を通しての人格形成にはゴルフ場は素晴らしい場所ではないか。
また、競技性がないと子供達の目的意識、参加意欲が希薄になるため、各ゴルフ場対抗のジュニア大会の開催も考える。ジュニア育成にかかる費用については、ジュニア負担を原則無しとしてはどうか。現在都道府県単位でのジュニア育成プログラムは存在するが、これが各ゴルフ場単位での取り組みに裾野を拡大しないと、ジュニアのプレー人口増大につながらない。取り組み方は各々のゴルフ場が置かれている実情で大きく変わるものであるが、全てのゴルフ場が問題意識を共有し、地域のゴルフ場間で連携を取りながらこの問題に取り組んで欲しい。この運動がゴルフ場に真に理解され実行されるなら、ゴルフ業界の将来展望は決して暗いものではない。

 

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