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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2008 Nov. 協力:一季出版(株)
高まるコース改造の必要性
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

日本ゴルフコース設計者協会はコース改造設計に関する資料として、「ゴルフコース設計の基本」を平成18年に発行したが、今年、その続編として「ゴルフコース改造設計の基本」を発刊した。 「改造設計の基本」はコース改造についての設計、施工管理について基本論を説いたものである。ゴルフコースは時代の流れやニーズの変化によってコース内容の見直しが求められ、それらに応えるための対応を余儀なくされるが、これまでは新設コースの建設が中心で改造はあまり省みられなかった。しかし近年、プレー技術の進歩や用具の改良による飛距離の増大に対するコース改造の必要性が高まってきた。その意味で改造に関わる設計資料、文献が必要であるとの考えから、冊子刊行を進めたものである。
前回発行した「コース設計の基本」は、ゴルフ場関係者をはじめプレーヤー、コース造成など幅広い関係者にご好評をいただいたが、改めて改造についても設計、施工論について詳細な説明を試みた。
改造においては目的とする改造趣旨を十分見極める必要があるが、改造によって変化するプレーへの影響をはじめ、コースメンテナンス、改造が及ぼす景観の変化などを含め、基本理念を忠実に生かすための計画が必要である。その場合、何よりも改造に基づくプラニングが重要な役割を占めるが、そこに豊富な知識と経験の実績があってこそ、改造を成功させるのだといっていい。
コース改良に向けたリニューアルが盛んに進められている今日だが、その中でも、新品種ベントグラスへの転換を図るためのリノベーションをはじめ、戦略型コースに対応するための改善、改修のモダニゼーションへの取り組みが改造工事の主役だといえる。
「改造設計の基本」はゴルフの歴史から始まり、改造の種類、主要部分の改造、改造設計の進め方について紹介しているが、その中の一部をここに紹介してみたい。

改造におけるグリーン床構造の理解

ベント芝栽培の最適な土壌構造として、USGAグリーンセクションによる「USGAグリーン造成仕様」が推奨されているが、この「USGA方式」はアメリカでの長年にわたる研究成果の実証、技術資材の開発などによる見直しなどにより、これまでに数回の改訂が行われ現在の仕様ができあがっている。
しかし、アメリカで開発されたグリーン床構造仕様を、わが国が無条件に受け入れることの問題点も指摘せざるを得ない。事実、世界各国の気象状況から見て分かるように、水不足に対する事態の深刻さは更にエスカレートすると思われる。わが国においても、水利用を考えたグリーン床構造のあり方などを研究する必要があるかも知れない。気象条件が最も厳しい乾燥地帯、それに準ずる降雨が少ない地域などでは土壌含水を保つ意味から、USGA方式が定める粒径より小さい砂を使用したり、床砂を厚くした構造設計にするなど、地域に順応させるための床構造に変更させるケースも多く、必ずしもUSGA方式を厳格に守るというものではない。
こうした事実から分かるように、わが国でも特有な降雨量の多さ、高温多湿などの気象条件を考慮し、環境に合った構造仕様を作りあげることが望ましい。長雨などによる排水不良や高温期のストレスを抑えるための床構造の改革などが、わが国でも研究されるべき課題のひとつであると思われる。
南北3000kmに及ぶわが国の気象条件から見て、グリーン床構造の一律化は非常に難しい問題であることは間違いない。地域性から見ても分かるとおり、資材、材料の確保は産地、地域によって大きく異なり、基準を設けても使用する資材の材質に大きなバラツキがあることも事実だ。
床資材の材料選択は大変重要な問題であり、床構造としての適応性やこれらを改良するために「改良材」を使用することは、同じ土壌でも適正な床構造を作りあげることにつながる。要は芝栽培に適した土壌作りが最大の目的であり、砂土壌はベント芝栽培に欠かせない構造であるが、一方でその構造を十分理解した上で管理しなければ失敗するという難しさを抱えていることも事実である。
適正な価格で資材を調達することは大変重要だが、それにはその土地に合った芝種の選択、床構造の適正仕様などが判断規準となる。特に温暖化などの気象変動が近年のコースメンテナンスに大きな影響を与えていることを考慮し、地域性を考えた独自の芝栽培技術の導入が求められている。
USGA方式が全ての芝栽培を成功させるとは限らないが、管理方法の見直しをせず構造や資材に失敗の原因を押しつけるのは明らかに間違いである。USGA方式は一つの基準として考えることは大切だが、地域環境に合った床構造の適性化ということが改造計画には必要である。与えられた地域、環境条件の中で芝栽培をどのように成功させるかが改造目的であり、芝に合った管理こそが改造を成功に導く手段だといえる。

改造工事を成功させるための組織編成

改造工事を円滑に進めるうえで、コース設計者を中心とした組織編成が重要な役割を担うことになる。工事を熟知した現場監督者(フォアマン)や、建設機械の造形仕上げ工程を担当する技術者(シェーパー)、さらにグリーン造形仕上げの熟練者たちとの連携なくして、クオリティの高いコース造りは望めない。 欧米のコース設計者のほとんどがコース建設での造形仕上げを行うために、設計者の意図が反映されるよう、専属のシェーパーを起用するケースが多い。特に造形美が求められるグリーン周り、微妙なタッチが要求される整形仕上げなどでは彼らの能力が遺憾なく発揮され、効率的な施工、品質管理のマネジメントを達成するうえで良きパートナーとしての役割を十分果たしてくれる。
コース改造を成功させるには、設計者と施工に携わる技術者との連携こそが重要なカギを握ることになるが、改造に関わる技術力の有無、熟練者を起用するか否かによって、仕上がりに大きな違いが現れることも理解しておきたい。ゴルフコースが持つデザインの優雅さ、繊細さを大切にしながらも、時代の流れに合わせたコース改造が必要である。改造工事を完全な形で達成する重要なポイントは、エキスパートである専門家、すなわちコース設計者やコース造成に携わる技術者がパートナーとしての役割を十分果たしうる環境を整えることにあるといっていいだろう。

まとめ

「コース改造設計の基本」ではコース改造に関わる諸説を紹介しているが、改造工事を成功に導くためには改造に対する知識と、経験が最も重視されるといっていい。冊子は改造の種類別に分けて解説を加え、設計に関わる基本を知るうえでの要点を纏めたものになっている。ただ、わが国ではバブル以前のブーム期に多くの新設ゴルフ場が建設されてきた。しかしその中には厳しい規制を受けながら誕生したコースも少なくなかった。
そして今、時代の変遷はゴルフのニーズを大きく変えようとしている。たびたび指摘してきた時代背景に対応しなければ、ゴルフコースとしての存在価値が維持できなくなっており、このためコース改造の必要に迫られているゴルフ場も少なくない。そうした意味でコース改造、改修の必要性は今後も高まるものと思われるが、これらの冊子が今後の計画を進めるうえで、また、関係者にとって改造計画策定の道標になってもらえるものであれば幸せである。

 

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