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調和のとれたランドスケープ
日本ゴルフコース設計者協会 名誉理事
大久保 昌
 

ゴルフコースは多くのゴルファーがゲームを楽しむためのものだが、自然環境ともよく調和し美しい景観であることが求められ、50年、100年さらには500年と年輪を重ねて「ランドスケープ」が熟成される。ゴルフコースの原風景であるスコットランドのリンクスは海からの強風で砂が移動し、自然に大小のマウンド、ハロー、スロープ、くぼ地などの多様な起伏ができ、灌木や長い草が点在し、稀にバーン(小川)が流れていて、そこにグリーン、ティーそしてフェアウェイがつくられた。
一方アメリカのゴルフコースは鮮やかな緑の芝生、大きい樹木、白い砂のバンカーそして紺碧の池など色のコントラストに加え、起伏のある造形がその姿となっている。近年は、全世界的にコースづくりでは自然環境を破壊せずに、ランドスケープといかに調和させるかが大きなテーマとなっている。

「ランドスケープ」とメモラビリティー

ゴルフコースはいろいろな顔をもっているがその評価の一つとして、その土地(ランド)の眺め(スケープ)の連結語である「ランドスケープ」に対する認識の度合が「メモラビリティ」の素となると考えられる。ゴルフコースづくりにはもともと地形や風土に代表されるその土地が生みだす景観の「自然」をあつかうということをもっと積極的に意識すべきであると思う。「自然に習え」という教えがあるように。
アメリカ西海岸にあるサイプレスポイント・17ホールは、大変素晴らしい眺めであると世界中のゴルファーから絶賛され、「どのような付け焼刃のランドスケープもいらない」とまで言われている。メモラビリティーは抜群である上に戦略型ホールとしても現代を代表するものである。これほど抜群のランドスケープの良さを生かしたゴルフコースはないといわれる。設計は、かのオーガスタナショナルを生んだA・マッケンジー。

ゴルフコースの変遷とランドスケープ(景観イメージ)

1.ゴルフの発祥はリンクスから

リンクスは氷河期の地殻変動により海岸が隆起してできた砂丘で、海抜3〜12m。海岸線からクリフ(断崖)まで1.6H以内の範囲。スコットランド海岸線の長さのうちゴルフリンクスは約4%を占める程度である。
ゴルフゲームを数百年の間発展させてきたのは、次のようなリンクスのランドスケープの特性によるものといわれている。
(1)多様な起伏が連続する砂丘である
(2)狭い土地に勾配、長さの違うスロープがある
(3)常に排水がいい
(4)芝草、草本、小灌木が簡単な手入れで育つ
代表的なリンクスはゴルフの聖地と呼ばれる「セントアンドリュース」である。

2.リンクスからインランドコースへ

リンクスは長い海岸線のなかでも限られているため、鉄道の発達や住宅の増加によってゴルフコースは内陸に造られるようになり、ヒースの生えている「ムアランド」か、草が生えている丘陵地の「パークランド」にインランドコースが造られた。しかし排水の悪い土地が多かったので、イングランド、ヨーロッパ、やがてアメリカの排水のいい場所へ進出することになる。1901年にはロンドン近郊に「サニングデール」が誕生。その初代支配人、ハリー・コルトは本格派のコース設計家で、パートナーであったアリソンを日本に代役として紹介した人である。

3.パークランドコースとシーサイドコース

19世紀末から20世紀初頭にかけて、英国からゴルフが海外に進出することになり、スコットランド人のコース設計家たちが特に盛んになったアメリカに素晴らしいランドスケープを備えた多くの「パークランドコース」や「シーサイドコース」を造った。
適度に起伏のある地形で、まばらに樹木が生える土地が選ばれ、リンクスとは異なるランドスケープのゴルフコースが生まれた。メリオン、パインバレイ、オーガスタナショナルなどの他に素晴らしいオーシャンビューのサイプレスポイント、ペブルビーチなど「シーサイドコース」が有名となる。
オーガスタナショナルの設計者でもあるボビー・ジョーンズは次のように述べていて、それが現代のコース設計理念の底流にあるとされている。
(1)自然の地形を生かしたコースで、人工的な要素は最小限に。
(2)バンカーをたくさんつくるよりも、見た目に美しいマウンドをつくる。むしろハザードとして効果的。
(3)なだらかな起伏のある土地で、1〜2か所にクリークがあり、他に池などウォーターハザードがあるコース。
(4)経験を積んだメンバーだけが楽しめる面白いコース。
(5)深いラフはなくし、ロストボールがないようにし、楽しいゲームができるように。
なお、景観の素晴らしい「シーサイドコース」には海岸の岩場や崖の上まで、あるいは波が飛び散る大海原を大胆に取りこんだところもあり、このようなランドスケープのコースは恵まれた立地を利用して「リゾートコース」としても有名になっている

4.ゴルフリゾートとリゾートコース

鉄道や車の発達、普及によって宿泊ができるゴルフコースが普及し、さらに世界各地のリゾート周辺には大型のゴルフリゾートができた。特にアメリカにはサウスカロライナ、フロリダ、カリフォルニア、アリゾナなどに有名なところが多い。1か所に8コースをもつパインハーストはゴルフコンプレックスといわれ、関連施設も多くスケールの大きさには目をみはるものがある。
リゾートコースは、滞在するだけの魅力をもつ山(岩石、温泉)や海や湖、川などの景観を取り込むとか、大きな池やクリークなどを造成すること、特有の樹木、花灌木、草花などを大胆に取り入れるなど独特のランドスケープを演出しているところが多い。

5.モダンアメリカンとニュー・スコッティッシュ

現代のコースはビジアル性の強いカラフルな景観で、起伏に富む造形、緑が濃い芝生そしてグリーンに絡む大きい池などに特色をもち、ターゲットゴルフを強調するモダンアメリカン。またリンクスから多くのコースづくりを学び、取り入れたニュー・スコッティッシュスタイルも一時流行したランドスケープである。

コースの「品格」

夏坂健氏が新聞紙上で井上誠一氏の設計は「わび・さび」を感じられ、自然に優しいと評し、「地形に逆らわず、自然も破壊せず、誰もが手にいれやすいボギーと、究極の力をもって挑むパー」の4カ条が井上氏設計のコースに宿る基本思想となっているという。また1981年に亡くなる直前に、「自然は存在するだけでぺナル(罰)の力をもつ。設計者は、さらにペナルティー(科罰)まで仕掛けてはいけない」と語ったと、井上氏の気品のある設計思想に「品格」を感じとることができると述べている。
いいコースが生まれるのには、まず原地形のランドスケープをゴルフコースに適しているかどうかを評価し、さらに自然環境をいかに保全するか。調和のとれたランドスケーピングに高い見識をもつことこそが「コースの品格」につながるものだと思う。

 

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