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次世代に引き継ぐべき芸術作品
日本ゴルフコース設計者協会 正会員
八和田 徳文
 

はじめに

ゴルフコースの設計において用地の特徴を最大限に活かし、美しくかつ楽しくラウンドできるようなデザインとすることに、設計者は切磋琢磨してきました。様々な時代背景があり、多種多様な開発規制もある中で、限られた用地で可能な限りこれを追求してきて今日のコースが出来上がっていると思います。

美しい山々や湖や川、あるいは時に大海をもコースデザインに取り入れたコースは、大地をキャンバスにした芸術品といっても過言ではないでしょう。

野球、サッカー、テニスなどの球技では、競技場は決められた規格に則って造成され、どこに行ってもプレイエリアとしての特徴は原則的にありません。そのことを考えるとゴルフというスポーツがいかに特別な存在であるかが再認識できると思われます。

ここ数年ゴルフ場経営会社の交替や運営方針の変更により、設備投資や改造工事が行われてきております。その多くは、時代とともに変化してきたゴルファーのニーズに対応しようとするものであり、ゴルフコースを維持していくために必要な改修だと思われます。そこでジュニアの世代、またその次の世代にも引き継がれていくはずのゴルフコースが、いつまでも素晴らしいものであり続けるために、いまいちど考えて頂きたいことがあります。

カート道路

比較的古い時代に作られたコースはホール間の移動距離が短く、決して歩いてプレーできないわけではありませんが、カートを導入し実際に乗ってしまうと楽なことも実感してしまいます。その時点で歩くスポーツということは忘れられてはおりますが、ご高齢の方も長くゴルフを楽しむことが出来るメリットも考えればカートのすべてが悪いとは言えないのかも知れません。

ひとつ問題なのはそのルートを決める際に設計者のアドバイスを受けず、コース運営者が独自の判断で行っているケースも存在することです。

地形によって、フェアウェイを横切らなければならないときや、緩斜面沿いを通さざるを得ないこともあるかも知れませんが、カート道の総延長距離を短くすることを最優先することで、プレイルートを横断したり、コースデザインを損なうことは好ましいことではないと思います。造成時点の図面などからIPを確認している場合であれば少しは救われますが、コースには幾通りかの攻略ルートがあり、ただ単純にIPを避ければ良いというものではありません。フェアウェイ沿いに平行して真っすぐ伸びるカート道はアンジュレーションに飛んだ美しい景観を損ないますし、フェアウェイデザインの変更の妨げになることも考えられます。フェアウェイ乗り入れを前提としているコースであればそれほど影響はないのかもしれませんが、電磁誘導カートを導入しようとする場合は十分な検討が必要となります。

ティーインググランドの増設

一般プレイヤーを含め、ボールの飛距離が出るようになったことで、総延長を伸ばすための工事を行っているコースも少なくありません。しかし、単純にバックティーを後方に移動するという手法を採用したために、ティーだらけの景観になってしまっているコースも見受けられるようです。用地によってはいろいろ制限もあるでしょうが、ティーグラウンドの位置を左右に振ってみることで難易度を上げる手法や、フェアウェイラインの修正、フェアウェイバンカーの位置やデザインの変更なども含め再検討することをお勧めします。場合によっては規定打数の変更、例えば極端に短いパー5などは思い切ってパー4にしてしまうことで、距離のある面白いホールになることもあります。パー72に拘りすぎるのも如何なものでしょうか。

バンカーの改修

グリーン改修やプレイルートの変更に伴う改修だけでなく、ときには難しいからという理由などでも改修されてしまうバンカーについて思うことがあります。

コースのルートプランやホールデザインの他に、設計者の意図が顕著に現れているのがバンカーだと思います。グリーンやティーインググランドはある程度デザインが規制されますが、バンカーについては自由度が高く、線形、大きさ、深さ、エッジの高さ、勾配など様々な要素が組み合わされ、周囲の地形とあいまって素晴らしい景観性を備えています。

ポットバンカー、ソッドウォールバンカー、グラスフェイスドバンカー、サンドフェイスドバンカー、クッキーカットバンカーなどのように、芝と砂だけでデザインされた様子を分類しているものもあれば、枕木などを利用したバルクヘッデッドバンカー、水面を絡ませたビーチバンカーなど多種多様なものがあります。また、実際にハザードとして機能しているバンカーがほとんどですが、中には通常ならボールが入らない場所に目標物として設置されたと推測されるものもあり、設計者の考えかたによって様々な場所に配置され、コースの戦略性の要ともなっています。

それぞれの事情でバンカーを改修しなければならない事態が生じた場合、その部分だけの効果や景観だけでデザインを決めるのでなく、ホールの流れ、またはコースのイメージに相応しいものにする必要があります。なぜならポツンと浮いた存在になってしまうばかりか、コース全体のイメージダウンにも繋がりかねないからです。

また、安易な発想でプレイ進行を優先するばかりにバンカーを埋めてしまった場合、ショットの目標物を失ったり、非常に単調なホールになってしまう危険性があります。いくら良いスコアーが出るコースでも、真っすぐで平らなサッカー場のようなホールでは詰まらないものです。

また、バンカー改修をしていないゴルフ場にも注意して頂きたいことがあります。ほとんどのコースでは年に数回、バンカーのエッジを整える作業をしているかと思いますが、その際にバンカーのデザインを損なっているコースがたくさん見受けられることです。比較的フラットにデザインされたバンカーに多いケースですが、本来は砂であったはずの場所に伸びてきた芝生を正しく切戻してこなかったため、バンカーレーキで整備しやすい単調なデザインになってしまい、周辺のマウンドと馴染まなくなっているのです。造成当時の正しいデザインに整えるだけで見違えるように美しくなることは間違いありません。

終わりに

それぞれのゴルフ場の誕生には、必ずT設計者_という方が存在します。ある方の言葉をお借りすれば、設計者を知らないでラウンドするということは、著者を知らないで読書するのと同じ事だといいます。まさしくその通りだと思います。

そういう観点からもゴルフ場運営者の方には、ゴルフ場のガイドブックやホームページなどには設計者の氏名を必ず記して欲しいと思います。また、コース改修をした場合にも、きちんとそのことを明記すべきではないでしょうか。本でも音楽でも翻訳者や編曲者は必ず明記されています。将来のゴルファーがこの設計者のデザインはこうなのか、などと誤解しないようにすることも、コース保持者としての責任の一つではないかと思います。

良いコースが良いゴルファーを育てる、そう信じてこの業界に身をおく一員としてこんなことを思っております。

 

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