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コース設計意図の表現の仕方
日本ゴルフコース設計者協会 理事長
大西 久光
 

ゴルフコース設計の意図が十分に表現されるかどうかはコースメンテナンス、コースセッティングによって左右されることが多い。

ところが開場後に設計者の意向を聞いてセッティングを行うコースは少ない。メンテナンスについてはグリーンのスピード、フェアウェイの刈高、ラフの深さなどである。セッティングはフェアウェイの幅、フェアウェイのラインの出し方、花道の芝の状態、グリーンまわりの刈り方などである。ここでは私が設計したコースでメンテナンスやセッティングに期待していることを述べてみたい。

コースメンテナンス

ゴルフコースはゴルファーがそこでゴルフを楽しむためにある。当然それぞれのコースによってどのレベルのゴルファーを中心に考えるかは異なるが、一般的な目標はある。最近では日本オープンのような技術力の高いゴルファーのためのメンテナンスやセッティングを一般的なコースにも取り入れようとする傾向もあるが、アベレージゴルファーにとって楽しめるようなコースにはならないから、やめた方が良い。

・グリーンスピード

これからのどんなコースにも必要なことはグリーンスピードであろう。スティンプで9フィート以上の速さはほしい。
グリーンが速くなると、1メートルのショートパットが難しくなるからゴルフ全体の組み立ても難しくなる。従って全てのショットに緊張感が出て、ゴルフを楽しいものにしてくれる。一方、10フィートを超えるスピードになると、アベレージゴルファーには難しすぎてラウンド時間が長くなりすぎるデメリットが出る。 私の設計では9フィート以上を一つの基準にしたグリーンの傾斜を考えるようにしている。つまり9フィート以上のスピードになった場合にも数箇所の変化あるホール位置を確保できるようなグリーン傾斜が必要だということだ。1974年にジャック・ニクラウスとコース設計契約をしたが、その時のニクラウスデザインではグリーンの傾斜が4.5%だった。然し、当時のグリーンスピードはトーナメントの時でも5.2ミリカットだったから8フィート程度だっただろう。それ以上短く刈る芝刈り機やメンテナンス技術がなかったとも言える。そのため4.5%の傾斜でも問題はなかったが、近年、トーナメントでのスピードが11フィートから12フィート近くになり、4.5%ではホールを切る位置が限られてしまうので、ニクラウスも1.5%程度の傾斜にしているとのことだ。常に速いグリーンがメンテナンス出来るようになると、むしろなだらかなグリーンの面白さが求められるだろう。

・グリーンの堅さ

最近のプロトーナメントでは速さを出すために、水分の少ない堅いグリーンを作る傾向にある。全米オープンなどではトッププロでも止めるのが難しいほどの堅いグリーンもある。プロを苦しめるには堅いグリーンが最大の難度になるからだ。これはアベレージプレーヤーがプレーする場合も同じで、堅すぎるグリーンで良いスコアを出すのは至難の技である。従って、一般ゴルファーがプレーするコースではボールマークが1センチほどの深さになる程度の堅さが良い。ローラーをかけたばかりのグリーンは表面が堅く、楽しいプレーが出来ない。プロのトーナメントでも男子か女子かあるいは世界的なプロがプレーするか、など選手のレベルにあった堅さを用意する事で面白いトーナメントを演出することが出来る。従って、一般のコースがトーナメントコースの堅さを真似るのは良くない。

・ラフの状態

トーナメント用のコースを用意するのに一番難しいのがラフの造り方だ。深すぎてボールを捜すのも困難なラフや伸ばそうとしたのに雨が降らず伸びなかったラフなどだ。私の好きなラフの状態はマスターズが採用しているようなボールの見える程度の深さである。フェアウェイはまるでグリーンのように短くカットされているから名手がアイアンショットをすると、堅いグリーンでも見事にスピンで止まる。一方、ラフでは打てるのだがスピンのかかるボールが打てないので、フェアウェイとの差が明確になる。そのマスターズでも一部のプロはラフのなかったときのほうが面白かったという。やさしいからではなく、ボールがラフで止まらないと林の中に入ってしまうからだ。然し、それ以上にボビー・ジョーンズが創設したオーガスタGCの特徴はバンカーが少なく、大木こそ障害物という個性を持っている。それだけにラフの無いオーガスタが楽しいマスターズを演出してきたと断言してよい。

コースセッティング

メジャートーナメントはそれぞれに大変厳しいコースセッティングが用意される。最近ではプロが飛ばしすぎるとの考えから、「いじめ」のセッティングすらある。長年の経験から良いトーナメントの絶対条件は良いコース、良いセッティング、良いメンテナンスだと確信している。中でもそのコースデザインの特徴を上手く表現できるようなセッティングが大切だ。

中には設計者の意図と違うのではないかといったセッティングや厳しすぎるセッティングが多くなった。たとえば、グリーンの幅が25ヤードほどあるのに、ティショットのランディングポイントがヤードないこともある。全米オープンなどは優勝者のスコアをあらかじめイーブンパーにしようとする意図があるから余計である。プロが良いスコアを出すと、そのコースはハイクラスのコースではないと評価される傾向があるが、これはプロゴルフの興味をそぐことになる。

その時最も充実したプレーに対し、良いスコアの出るようなフェアなセッティングが求められる。スコットランドのバンカーを見ると、入りやすく、出にくい形になっている。一方、バンカーの端をラフで囲むと、バンカーには入りにくくなる。フェアウェイバンカーの場合にはバンカーとフェアウェイの間にラフを作らないほうが設計者の意図に合うのではないか。

花道をラフにする例も多い。元来、花道はボールの転がるラインを出しているから、ラフで転がらないようにするのはアベレージゴルファーのボギールートを閉ざすことになる。プロの場合は点から点のゴルフが主になるから、転がるラインを消してしまっても良いかもしれないが、一般のコースがこれを真似るとアベレージゴルファーに楽しいゴルフをさせないことになる。多くのアマゴルファーは「点から点のゴルフ」ではなく「線のゴルフ」が出来るコースこそ楽しめる。特に今後増加するであろう女性ゴルファーにとってはなおさらである。

ゴルフコースはゴルファーが楽しむためのスペースを提供している。どんなに恵まれた地形やデザインのコースでもプレイングコンディションが悪ければ、楽しめない。デザイン、セッティング、コンディションの三拍子がそろう事で気持ちの良いゴルフができる。

これだけの内容をそろえるためにはメンテナンス費用だけでも多額を要する。従って、良い状態のコースでプレーするためにはそれなりのプレー費用がかかることを覚悟しなくてはならない。安価を求める人、ハイクラスの内容を求める人、それぞれの求めるコースが個性化されていくだろう。

日本では設計者が誰かを知らないケースも多い。逆に井上誠一氏のような巨匠になると、後世の人が「井上先生は実はこのように考えていたのだ」などと改善工事をさせない場合も多い。

誰の設計したコースであれ、歴史の流れとともに木も大きくなるから、改善のための磨きをかけてこその名コースになることを認識しなくてはならない。

 

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