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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2007 Nov. 協力:一季出版(株)
貯水力確保と灌水量削減の工夫を
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

異常といわれる気象現象が世界各地に広がりをみせている。ヨーロッパでは今年に入り各地で異常な高温に襲われ、48℃という驚ろかされるような気温も記録した。加えて異常乾燥といわれる現象が各地で発生しているとのニュースが伝わったのはつい先ごろである。

こうしたニュースを耳にする度、わが国のゴルフコースにおける水資源のあり方に何時も疑問を感じるのだが、こうした予期せぬ事態の観点からも水資源確保に対する理解が当然として求められるはずだ。わが国の水利用の実態を見る限り、水不足現象は次第に慢性化しつつあるように思われる。繰り返されるこうした水不足を解消する上からも、貯水の重要性が改めて問われなければならない。

わが国のゴルフコースの50パーセント近くが、雨水を灌漑水として利用している事実からも分かるように、水確保の危機がいつも隣り合わせにあることは否定できない。今日の異常気象は一方に大雨災害を与え、一方では高温による異常乾燥がもたらす被害の想定も視野にいれる必要がある。それは水利用の実態を知ってはじめて理解されるものであり、危機対応の準備がそうしたところから進められなければならない。

例えば、降雨量が望めない砂漠地にあるゴルフ場を例にとれば、水の必要性と水資源の重要性が理解できるはずだ。アメリカ西部の乾燥地帯に建設されたゴルフコースでは、夏の高温期の水の使用量は膨大な量になる。日中温度が42℃を超える日には1日当たりの使用量は約4500トンに達し、日中温度が27℃であっても2000トン以上の散水量が必要とされる。また、砂漠のゴルフ場ほどではないが、比較的降雨量が少なく乾燥地帯といわれる地域でも、1日当たり1000トン以上もの水が消費されている。こうした実態から分かるように、仮に雨水に頼ることが許されない状況に陥った場合、危機的状況に立たされるのがわが国の水資源の実態である。そうした意味での余裕ある水源のあり方が求められることになるわけだが、既存水源の再利用のための改修、改造をはじめ、余剰地を使用した水源池築造、ホールの一部を改造することによる貯水源の設置などは、大きな成果を挙げることになるはずだ。

また、ゴルフ場内から排出される雑水なども、リサイクル処理によって水利用の活用が十分可能になることは言うまでもない。

水不足に対する深刻さは世界に広がりを見せているが、日本といえどもそれは例外ではなく、水確保を巡る問題は次第にエスカレートしてくることが予想される。特に、ゴルフコースにおける水確保は、今後益々その重要性を増すことは間違いない。

過去には貯水力が十分であったはずの水源でも、コース管理での使用量の増加に伴い貯水量の減少が起こり、貯水能力が小さな水源あるいは、高温乾燥が続く時期などでは水不足がより深刻な状態を迎えることになる。もはや、水はエネルギーとしての重要な位置づけがされていることも確かだが、ゴルフ場の水資源の活用をより安定させるためにも、水確保の具体的な対策が求められる。

そこで調査されるべき貯水源のあり方であるが、雨水に頼ることが多い水源では、水の流れが滞ることによる水腐敗が起きやすく、こうした水源では水の健全さが失われることが多い。水腐敗を作り出す原因の多くは汚泥や有機物等の沈殿物の堆積だが、それによって水質汚染が拡大されるとともに、水源の貯水能力に大きな影響を与えることもあるので注意が必要だ。

雨水のみを頼りにする水源では、天候によって貯水量に大きな差が現われ、また、貯水源が小規模の場合には折角の降雨にも関らず、その多くを地区外に流出させるといったムダが発生し、絶対必要量とされる水量確保が望めない場合もある。

こうしたムダを改善する上からも、貯水規模の増大を図ることが必要になる。それは、雨水を水源とした構造池に限らず、地下水利用を基本にした供給減の見直しを含め、大規模に貯水された水源においても、水の安定供給に向けた見直し調査の実施が求められる。

水使用量を減らす土壌改良

土壌の締め固まりは芝生育を阻害するばかりか、固結によって土壌水分を保持できない環境を作り出すことになる。こうした粗悪な土壌環境では多量の散水による芝栽培が必要とされるのが一般的だ。こうした土壌下では、育成管理の活性を図るための土壌改良の必要が生じるが、土壌改善は芝育成の活性を促し、ひいては水使用のコストダウンに繋がるといったメリットも生むはずである。

芝栽培では肥沃な土壌環境にあって団粒構造の維持が求められるが、締め固まりが激化した土壌などでは、土壌固結によって根の伸長が阻害され、芝生育に大きな影響を与えることは確かだ。こうした土壌の多くは土壌水分の低下によって、更なる土壌固結が起こり、結果として芝栽培での多量散水が必要となる。こうした土壌環境の場合、水分保持を高めるため健全な土壌をつくることを前提にした土壌改良の必要性が生まれる。特に、わが国のコースに多く使用されている日本芝の特性から見ても分かるように、締め固まった土壌では絶えず土壌改善、改良が必要となる。

ここで言う土壌改良とは、通常行われる機械的更新を意味するものであるが、エアレーションによる穴あけ、バーチカットによる更新などが主たる作業で、土壌環境の改善をはじめ芝生育の活性に役割を果たし、結果として水利用の低減にも大きく寄与するといった構図になる。

潅水を軽減させる芝栽培

わが国のゴルフ場で多く使用されるコーライシバ、ノシバ種は、今や世界的ブランドとしてその需要が高まりつつある。「暖、寒両地域での栽培にも適する。土壌質の良否を問わない。肥料の選択性がなく経済的管理が図れる」など、芝栽培のすべてに満足できる素晴らしい特長を持っている。また、乾燥に強く、水の使用量が少なくても栽培が可能という点がニホンシバの特性であり、まさに芝生の優等生だといえる。

アメリカでも最近、フェアウェイをはじめラフ、ティなどに日本芝が多く使用されるようになってきた。寒地型芝種に比べ乾燥や病害、磨耗への優れた耐久性を示し、水使用の軽減ばかりでなく、管理予算そのものの削減にさえつながるという点で、日本芝の人気が高まりつつあるという。

このようにブランド化された優等生の日本芝ではあるが、私はこの日本芝を含め、グリーン芝に対する栽培に少なからぬ不安を抱いてもいる。それは、現在は常識として捉えるべき問題かもしれないが、ゴルフ場経営の戦略が大きく変わる中にあって、よりハイクラスな品質管理が求められる時代になった。高度なメンテナンスを求めるが故に水使用量が増大し、大量の水を必要とするコース管理が常識化されてきたことに危機を感じないでもないからだ。

水の経済利用を含め軽減化を確立するうえで、農学的経験に基づいた管理手法が検討されるべきであり、厳密な計画によって利用水量をコントロールするのは当然だといえる。それには芝生が持つ素材の特性を知ることも大切で、植物生育に適した土壌環境の整備をはじめ、地域情報に即した水管理マニュアルの確立が必要となることも忘れてはならない。今後は経済性の面から更なる節水が求められるが、水不足を補うための水源確保こそが最重要課題だといえる。水資源の確保と重要性が問われている事実を、ここに紹介させていただきたい。

 

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