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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2007 Oct. 協力:一季出版(株)
コース管理における水源確保の重要性
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

深刻さ増す水不足

07年5月号のゴルフマネジメント誌「地球温暖化と芝草害虫」で、静岡大学名誉教授、廿日出正美先生が、世界の気象変動の驚くべき実態を紹介されていた。

日本における今世紀の気象庁データーによると、1880年から2006年までの100年余りに、平均気温が1.07℃上昇しているという。さらにコンピューターによって2071年から2100年の平均気温を予測すると地球全体では4℃、日本では4.2℃上昇するとされる。となると日本列島の九州、四国は亜熱帯域に、東京は奄美大島と同じ気候になり、今より4℃上昇した夏が約3カ月間も増えて、秋がくるのは翌年の1月になってしまうといったショッキングな調査結果が紹介された。

それを物語るように世界の気象変動はこの数年間、過去に例を見ないほどの豪雨災害や水不足による農作物への影響など、温暖化がもたらす異常気象によって大きな被害を与える深刻な状況が、各地に出現している。わが国でもここ数年、過去に類を見なかった局地的な大雨、大洪水に加え、トルネードといわれる大竜巻が各地で頻繁に観測されるようになった。

集中豪雨などの大きな災害に見舞われる一方で、水枯渇による農作物への被害なども異常気象の一例として挙げられるが、私たちのゴルフ界にもこうした異常気象のしわ寄せが現実に及んできていることを認識する必要がある。それは、将来のゴルフコースにおける灌漑に大きな影響を与えることは必至で、将来の水利用のあり方についての問題提起も重要な課題の一つだと言っていい。異常気象を語るだけで何一つ対策も立てないといった責任逃れは許されない。身近な問題としてゴルフ場の水利用のあり方を、もう一度見直す必要があると思われる。

自然界から供給される資源エネルギーは我々が考えるより遥かに少なく、水資源も枯渇状況に近づきつつあることは事実で、私たちが想像している以上に水不足に陥る事態を想定しなければならない。死活問題に発展する水資源の不足に指をくわえて見ているわけにはいかない。そうした現実を知ることが大切で、危機的状況に追い込まれているということを理解しなければならない。

私は過去に灌漑における水資源の重要性について、幾度となく説明させてもらう機会を得たが、改めてその重要性を見直すべく提言させていただくことにした。

ゴルフ場での水利用の変化

わが国のゴルフ場における水資源の多くは、定期的にもたらされる降雨によって賄われている。全国の水利用アンケート調査を見ても分かるように、使用する灌漑水の多くは雨水を利用するというゴルフ場が、全国で50%近くを占めるという数字が出されている。

果たしてこうした雨水に頼る水確保に不安はないだろうか。異常気象がもたらす水不足現象が各地にその広がりを見せている今日、特に中部、四国、九州などでは例年のように水不足の状況を聞かされるが、こうした影響が全国的にその広がりを見せようとしているのが今日の姿である。わが国のコース管理技術は、世界のトップレベルに位置するまでクオリティの高い技術が確立されるに至ったが、ハイクオリティのメンテナンスを支え、近代コース管理を成功させる重要な役割を担うものとして、改めて水資源のあり方について見直すべきではないだろうか。

ゴルフ場の水使用が大きな転換期を迎えたのは日本経済が最も高度成長を遂げた1970年代だったように思われる。70年代から80年代にかけてのゴルフ場建設では、イリゲーションシステムが近代化を求めて大きな様変わりを見せた。今日の灌漑システムからも分かるように、設備、備品等の進化は旧来とは大きな違いを見せ、システムの近代化はより多くの水使用量の拡大を招き、以前とは比較にならないほど増大の一途を辿っているのが現実だ。そこで重視されなければならないのが、水資源の確保に対する十分な備えである。

ゴルフ場の水資源維持は「いずれは」という問題ではなく、確保するための責任が問われるという課題を背負っている。ゴルフコース産業を成功させるために不可欠とされる重要な任務がそうしたところにあるが、水資源確保は緊急課題の一つとして受け止め、実現させるための対策と、実行のために努力しなければならない。

コース管理に適合した水資源確保が必要であるが、それと併せて、メンテナンスの使用能力に対応した十分といえるほどの貯水量の確保も絶対条件になる。

水源とされるものの多くは「溜まり水」といわれる雨水を集めた施設だが、絶対量を確保するまでの規模にないことも多いようだ。

雨水を確保するためには様々な工夫、努力がなされていると思われるが、高温期での乾燥時などでは、灌漑水として利用される水量確保が不十分で、緊急時に水不足に陥ることがあってはならない。十分な水資源確保のあり方が論議されるべきところである。

水確保のあり方を再点検

コースメンテナンスに使用する灌漑水源には雨水を集めて水源とするもの、また降雨時に発生する芝地表流水や建築施設などからの排水を水源とする貯水池のほとんどは、天然型の「ため池」と称される場所に集水される構造にある。したがって、コース管理での水源池という点では、芝育成に対して安全な水供給がなされているか、安心して利用できる水が十分に確保されているかが重要視される。

先日、 (社)ゴルファーの緑化促進協力会(GGG)が、池水の水質浄化に関して、こうした水利用に関するアンケート調査を実施しその結果がマネジメント誌に紹介された。調査結果から見ても分かるように、コース管理に使用される水のほとんどが雨水を利用していることから、雨水を水源としているコースの多くが水利用に対して不安を抱き、芝生栽培を含め、こうした水利用に対する不安が拭いきれないとの報告がなされている。

雨水利用を目的にして築造された水源の中には、工事中の一時的な防災機能を果たすためものや、土砂流出防止の沈砂池を貯水源として転化利用している場合も少なくない。また、造成時に構築された貯水池などは長い年月と共に、池の底には沈殿物や有機物の残渣が多く堆積し、水質汚染が進んでいる危険性もあれば、十分な貯水量と思える水源でも堆積物により容積が減少してるケースも少なくない。こうした実態を知らずに貯水能力の是非を語ることは危険であり、いざ水不足の事態などには予期せぬトラブルが発生しないとも限らないことになる。

コース管理での水供給は果たして十分といえるのか。利用してきた水源池の能力と対応が問われるところだが、ゴルフ場の水利用の大切さは、重大さに直面して初めてその有り難さを享受できるものである。だが、わが国の水利用は特異的な気象に頼ってきたせいか、残念ながら自然からの恩恵に甘えて、水に対する十分な備えが軽視されてきた向きが無いともいえない。それが結果的に、雨水に頼らざるを得ない水源では、肝心な時に雨不足に見舞われ、貯水確保がままならぬ状況に追い込まれるといったことも少なくないからだ。

私が今日のコース管理を見る限り、十分な水量を確保しているゴルフ場は意外と少ないことに気づかされる。水に対する重要な課題は、分かっているようでその重要性を知る人が少ないことである。「その内」「いずれは」の言葉に終始されるが、ゴルフ産業が続く限り灌漑水の重要性は忘れてはならない。間に合わせ程度に、また遠慮しながらの水利用の事態を回避するためにも、今こそ重要な問題として提起すべきである。

 

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