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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2007 June. 協力:一季出版(株)
ゴルフコース、時代に合せて 原曲から編曲へ
日本ゴルフコース設計者協会
専務理事 海津 康志
 

ゴルフ場のコース改造は、音楽でいえば原曲を編曲することです。音楽は編曲者によって様々な曲に変化します。例えばクラッシックをポピュラーなどの時代に合った曲に、いく通りにも変えることが出来ます。コース改造も計画の段階ではいろいろ検討出来ますが、施工段階では一つの方向しか無いように思います。

毎年時代に合わせ、少しずつ改造するゴルフ場もあります。毎年4月にマスターズを開催するオーガスターナショナルGCも、時代とともに難度や戦略性を追及し改造しています。大改造は何年に1回のチャンスしかないため、慎重に検討しなければなりません。

改造には大規模なものから小規模なものまでいろいろあり、1グリーン化などのグリーン改造や距離の延長を目的としたもの、バンカーや池等の増設や植栽で戦略性を高めるものなどがあります。

日本のゴルフ場の半分近くが2グリーンを採用していますが、最近は1グリーン化が進められています。日本ゴルフコース設計者協会も1グリーン化を勧めており、世界的にも1グリーンが主流です。そこで私のコース改造設計についてお話ししたいと思います、現在千葉県房総半島中央の房総CC房総G場の改造を進めています。

第1章節 改造計画

房総G場は東18ホール、西18ホールの36ホールで構成されていますが、西コースは東に比べて距離が短くグリーンは品種の異なった2ベント(ペンクロス・ドミネント)です。グリーンは現行のままでグリーン周りにアクセント(バンカー・クリーク・美観池・植栽等)を付け、コースを締めて戦略性のあるホールに仕上げます。またティを後方に増設し、現行6453ヤードを約150ヤード延長し6600ヤードとする予定です。

東コースも現在2グリーン(ベント・コウライ)ですが、ベント1グリーンに改造します。西コース同様ティの増設で約130ヤード延長し、7100ヤードにします。グリーン周りにバンカー・美観池等を増設、コウライグリーンの跡地は造形し植栽でグリーン周りを絞り戦略性を高める計画です。

第2章節 ゴルフ場

房総カントリーの開場は1975年、約30年前に造られたコースで、千葉県房総半島中央の雄大な自然の中にあります。30年前に植栽された樹木も大きくなり、自然が戻っています。中でも進入道路の桜は見事で、クラブハウスまで約500mの桜のトンネルは地元でも有名な名所になっています。

改造は原設計者を考慮すべきですが、設計者の各務鉚二氏(同氏については134ページ参照)はすでに亡くなられています。

第3章節 見せ場

コースには見せ場(いわゆる名物ホール)が必要です。現在の名物ホールに配慮しながら、樹木・バンカー・美観池などで時代にあった新たな見せ場を造ります。見せることで挑戦意欲を高め、ゴルフの楽しさを入れたいと思います。そのためにはコースを何度も視察しどこになにを入れるか検討するとともに、本来のコースのバランスを崩さないことが大切です。

西コースはバンカー・クリーク・美観池の増設、景観と戦略性の向上で難易度を高めました。元設計者の意図も汲み、より戦略性の高いコースに改造する考えです。 西コースの見せ場は5番パー4。現在の438ヤードを460ヤードに延長、グリーン前に美観池を設置して難度のあるホールをより難しく仕上げました。16番パー3、137ヤードはグリーン手前に美観池を設け、失敗は許されないホールとしました、つまりティとグリーンしかないホールです。

東コースの見せ場は12番ホール。このホールは用地が広くグリーンが両サイドに広く分かれたホールだったため、旧ベントグリーン方向の第21P付近にバンカー群を配置し、旧コウライグリーン側を迂回するホールとしました。また13番は、グリーン横に美観池を設け戦略性を増しました。

第4章節 1グリーンへ

東コースはベント1グリーンに改造しますが、旧ベントグリーンをそのまま使うとどちらかに片寄ってしまいます。そこでベントグリーンを中央側に拡張し、反対側を削って出来るだけ中央になるようにしました。コウライグリーン跡は造形・植栽またはバンカーを配置し1グリーンに仕上げました。そのままではコウライグリーン跡が残り、またコースバランスも悪いので良いホールにはなりません。

現行のグリーンを出来るだけ活かしながら、いかに良く・美しくそして戦略性のある1グリーンとして、絞ったコースに見せるかを造成では大変苦心しました。

第5章節 グリーン改造

グリーン改造には二つの方法があります。

第一は現在のグリーンを利用する方法です。メイングリーン(平均450m2)もホールのセンターより左右にどちらかに片寄っていますが、極端な場合はグリーンの右側を250m2広げ、左側を100m2縮小します。またサブグリーンの跡地を植栽・バンカーなどで仕上げました。

第二は2グリーンの中央に新しいグリーンを造る方法です。この場合は旧グリーンに関係なく、新たなデザインで美しいグリーンが造れますがコストが高くなります。しかし時代に合った新種のベントグリーンを造ることが出来ます。

今回は、現行のグリーンを活用する方法を取りました。理由は新グリーンを造るより低コストだからです。欠点は従来の芝と新しく張った芝の色が異なる、床土も現在の砂に近い砂を使用し排水も同じ構造としても、仕上がりの同一性に難しさがあります。完成後のグリーン管理が重要で、グリーンキーパーの腕にかかってきます。

第6章節 コースのバランス

コース改造ではコース全体のバランスも大きな課題の一つです。改造に力が入りすぎて、あまり難しいホールばかり造っても問題です。音楽と同様、山あり谷あり平坦ありの心安らぐコース造り。18ホールを楽しく苦戦して回れる、魅力あるコース造りが目標です。

第7章節 距離

距離を伸ばすことでコースレートも上がります。JGAの審査基準「日本」は「距離÷200+38・25+難易度」です。現在西コースのコースレートは69・3ですが、約150ヤードの延長で71以上、東コースは72・1が約130ヤード増で73以上になる見込みです。

第8章節 運営・営業

房総CCの年間入場者数は東約4万5千人、西4万人と県下でも指折りのコースです。今回この改造で、西コース(9月〜12月改造)は例年同様の数字でした。東コース(1月〜5月改造)は通年より入場者数が4月現在で約10%ダウンしました。プレー料金はお客様にはご迷惑をかけるため平日25%、土日で40%ダウンとしましたが、この方法は全面改造(約半年休業)よりは有利のようです。

第9章節 プレーヤー・お客様

改造にはお客様の理解が必要です。今回の改造は営業しながらの工事でしたが、改造することで、お客様が新生コースに興味をなくす恐れがあります。また、改造のために半年から9カ月休場する方法でも、お客様離れを招く心配もあります。ゴルフ場側の営業努力と、お客様のフォローも必要です。

当ゴルフ場は東西36ホールに加え大上コース18ホールがあるため、改造期間中は18ホールごとの改造ですので、お客様(メンバー)を残るコースに割り振り出来たのが、大きなコルフ場の利点でした。

まとめ

改造設計にあたって設計家が満足しても、プレーするお客様が満足しなければコース改造の意味はありません。コースの難度をあげ難しくなりお客様のスコアが悪くなっても、またこのコースを回ってみたいと思えるコース造りを目標にしています。改造後のお客様に期待して終わりたいと思います。

 

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