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新時代のコース改造
第3章 ティグラウンドの改造
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

プレーに影響するティの形状

ティグラウンドの改造によって配置場所を変えたり、形状を大きく変更するような場合は、プレーイングラインから判断して適正な位置であるかどうかの確認が必要になる。

改造を考える上で最も重視すべきことは、ホール造りの根幹をなすプレーイングラインを改めて見直すことである。つまり改造するティグラウンドがルート上の正しい位置に配置されているかどうかを見極めることが大切であり、このプレーラインの方向性の誤りが時としてプレーに悪影響を及ぼすことを知っておかなければならない。だから改造計画にあたっては基本的ルートの重要性を再確認し、総合的見地に立って位置決定を行う必要がある。

また、ティの設置場所によってボールの打ち出し方向が大きく変わることも理解しておかなければならない。例えば、大きなのり面や覆い被さるような樹林がプレーヤーの背後にあったり、ホールに沿って伸びて視野に入るような場合は、それがプレーヤーに錯覚を与え知らず知らずにスタンスが意に反した方向に向くことが往々にしてある。危険を避けようとする本能がそうした錯覚を生むのかも知れないが、そのような場所では特に方向を重視した配置に注意を払う必要がある。

ティグラウンドの形状で重視されることは、プレーイングラインに対して正確な向きに配置することである。例えばティグラウンドのサイドの線がプレーラインの方向と極端に異なっていると、それがボールを曲げたり打球の方向性を散らす要因となる。また、プレーラインの近くに配置されたハザードや、ショットを遮るように配置される樹木などもボールを曲げる原因となりうる。ティグラウンドの配置場所の不適性であるとか、自然環境が作り出す心理的違和感によっても、ボールの曲がる原因が作り出されていることも忘れてはならない。

ティ造成と設置場所

ティグラウンドの造成はこれまで排水も十分に施さず、周辺の土を集めて盛土するだけといった単純な手法によって建設されてきた。しかし、最近はグリーンの床土壌仕様に倣って基盤排水をはじめ、それに合わせた砂床土壌の使用も増えつつある。

スプリンクラー等の散水設備が充実してきたことから、砂質100%のグリーン同様の床土壌でも十分な管理が可能となった。しかしグリーンとティグラウンドでは、芝生に与えるダメージに明らかな違いがある。同様の床構造とはいえティグラウンドではプレーヤーがクラブを思いきり振り回す。当然足元の芝には大きな負担がかかり、スパイク時代のそれはもっと激しかった。パッティングだけのグリーンとは比較にならないダメージを受けるのは当然である。

ティグラウンドには日本芝が採用されるケースが多いが、芝生の種類によって床構造仕様を決定することも賢い選択の一つである。またティグラウンドはある程度の面積を必要とするが、大きいからダメージが少なくなるというものでもない。ティの利用方法や配置の違いによって、芝ダメージは大きく左右される。そこでダメージを少なくするためには、プレーヤーの動線のつくり方が大きな鍵を握る。ティグラウンドへの出入りが1カ所に集中すれば当然その場所のダメージは激しくなるので、分散させるように配置するなどの配慮が必要だといえよう。

ティグラウンドは日照が遮られる場所や、維持管理に問題を抱えるような場所への配置は避けるべきである。ティは例えバックティでも、全てのプレーヤーが利用できるという配慮もなければならない。お飾りや名目だけで設置するのは極力避けることである。

過去にティ配置の条件の一つとしてホールアウト後、次のホールへの動線の良さがあった。最近は乗用カートが普及したことで次のティまでの距離が多少長くなっても、設置条件が整えばそうした場所への配置も可能になっている。ティグラウンド造形は自然空間にフィットされるべきものであり、ティの形状、勾配等は配置される地形から判断して造成方法を考えなければならない。かつてボールの打ちやすさや水はけを目的に勾配を付けて造成されたものだが、今日ではほとんどのティがサンド構造となり、勾配をつけずに造成されるケースが増えている。

管理から見たティの形と造形

管理機械の大型化につれて管理手法も大きく変化しはじめた。メンテナンスの効率化と経済性を目指したティ改造、特に将来のメンテナンスの効率化を視野に入れた改造も心がけるべきだろう。これまでティグラウンドの管理は段差や小面積のため小型機械に頼らざるを得なかったが、今後は大型機械への対応を前提とした改造、改善が課題となるはずだ。それには幾つかのティグラウンドを統合するなどの方法で、大形機械による管理作業がスムーズに行える形状と面積を作り出す必要がある。

ティの回りは踏圧によってダメージを受けやすい場所である。特に最近は、乗用カートの普及から特定箇所にダメージが集中しやすい。カートの停車位置が常に同じ場所になることが原因の一つと考えられるが、カート道路とティの距離が近すぎたり道路とティの高低差などの位置関係によっても、ティ周辺に大きなダメージを与えやすくなる。ティとカート道路の位置関係が芝生にダメージを与えることがあることも理解し、改造、改修ではそうしたところにも注意を払うべきである。

改造でのホール戦略の考え

ティグラウンドはプレーヤーの技術に合わせるために、距離に差をつけて数箇所に分散配置されるべきである。バックティ、チャンピオンティなどは飾り物として構築するのではなく、誰でも活用できるものとして計画されるべきだ。一昔前のゴルフとは違って、今日のゴルフは用具の改良によって格段に飛距離が伸びており、それを前提にコース改良しなければならないのは当然である。そのためには設計での基本コンセプトを守るとともに、現実に即した施工を心がけなければならない。例えば従来、コース設計でのパーの算定基準は、一般的にパー3ホールが250ヤード以内、250ヤード以上、471ヤード以内はパー4、それ以上をパー5とされていたが、これらはあくまでも参考数値に過ぎず拘束されるものではない。今日の世界のゴルフ事情を見る限り、今までのコース設計に掲げるものとは全くの違いが現れていることは事実であり、過去に例を見ないコース設計数値が今では世界の常識として使用されていることも認識しなければならない。それが証拠に我が国のプロ競技などでも、その様相が次第に変わりつつある姿が見受けられることだ。過去には通常パー5といわれたホールなどが、パー4として使用されるようになったのもその例である。道具類の進化がコース設計の基準までも変化させてしまったといわれる所以であるが、いずれにしても時代の流れに即したホール改造が必要であり、それに合わせるための距離設定が求められるのは当然の成り行きである。

ホール戦略を考えるうえでの改造は、多くのプレーヤーにゴルフプレーの満足を与えるためのセッティングが必要になる。それにはプレーヤーが自由に選択できるプレーイングルートを複数点在させることを念頭におかなければならない。ホール戦略に妙味を持たせ、プレーヤーの技量、力量を確かめさせるそれぞれの攻撃ルートが用意されていることである。プレーヤーをエキサイトさせる、そうしたコースこそが素晴らしいコースと評価されるに違いない。

 

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