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新時代のコース改造
第2章グリーンの勾配、面積、品種転換

日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

グリーン勾配について

ゴルフコースは新旧によって自ずとコース管理の方法に違いはあるが、今日では多くのコースが10フィート(3・04m)以上のグリーンスピードを求められ、それを達成するため個々に努力が続けられている。しかし、特に速さを求められなかった時代に造られたグリーンと、近年のグリーンでは明らかな違いがあることも理解しておかなければならない。中でもグリーン勾配は時代によって大きく異なるため、グリーン芝のコンディション作りにも大きな違いが現れて当然ということになる。

グリーンの傾斜勾配が急になるほど、あるいは造形のアンジュレーションが大きくなるにつれて芝は刈り高の制約を受けることになる。同時にそうしたグリーンは勾配が急すぎるため、刈り高による微妙なスピードコントロールが難しくなることさえある。過去に建設されてきたゴルフ場のグリーン面の設計勾配は5.7%が最も多く、それがグリーン勾配の基本とされる時代もあった。しかし今日のグリーン設計では、0.3%が傾斜の一つの目安となっていることからその差は歴然としている。過去に建設された急勾配のグリーンで、今日流のスピードを求めて低刈りの近代管理を試みるとするならば、パッティングに与える大きな影響を承知の上でなければならない。時代の流れがコース設計仕様を大きく変えることになったが、時代の変革と共にこうした設計数値の見直しを図ることの必要性こそが、今後のコース改造を進めるに当たって重視されるべき一つになるはずだ。

今後はグリーンの近代化を図るための構造の見直しをはじめ、新たな芝生に転換するための改造工事が盛んに行われると思われるが、グリーンはまず周辺の状況から形状が決定されるため、その形状をもとに勾配設定が行われるべきであり、適正勾配と戦略を兼ね合わせた造形が必要である。また戦略性と同時に降雨、散水時などの水処理を考慮して排水勾配を組み合わせるとともに、造形を引き立たせる役割をグリーン勾配に与えなければならない。さらにアンジュレーションを加えるときは、戦略性に加えてカップの切れる平坦なエリアを複数個所確保することも重要だ。また、一方向に偏りすぎた勾配は避け、複合勾配を組み合わせたバラエティあるパッティングの楽しみ方が感じとれる勾配を作り出す必要がある。

グリーン勾配設計のポイントは、戦略性に加えて雨水排水の双方の状況を取り入れた設定を行うべきであり、併せてメンテナンスを容易にする配慮も加味していなければならない。

グリーン面積

一時期、大きなグリーンがもてはやされた時代があった。それはグリーンの管理能力に対する不安から、安全を確保するために取られた手段であったと考えられる。大きなグリーンに加えて特徴的な起状(アンジュレーション)を付けることが一時期流行ったこともあり、「高いクオリティを確保したい」「芝育成管理の失敗は許されない」との相反する切実な二つの思いがグリーン面積の拡大を助長したことは否定できない。大きければ良いとの風潮は当時としては美学とも言い表されたこともあったが、今日のメンテナンス技術から判断する限り、必ずしも大きなグリーン面積に頼らざるを得ないという状況にはなく、経済的な面積に落ち着きを見せようと回帰したのが今日の流れのようである。メンテナンス技術の向上によって必要以上のグリーン面積を必要としないというのが今流であるが、適正なグリーン面積を保つことは管理コストの低減につながり、さらにはプレーに与えるコース戦略性をはじめ、ゴルフの醍醐味を与える環境作りにつながる要素であることも理解しておきたい。

グリーン面積を小さくすることへの不安は簡単には消えないとしても、プレーの動線やハザードの配置方法を検討することで十分な対応を図れる場合も少なくない。例えば、グリーンに入る側とホールアウトする側のプレーの流れを適正化し、踏圧磨耗の回避を図ることも対策の一つであり、プレーの流れをスムーズにさせるためのグリーン形状、ハザードの配置方法なども重要なカギを握ることになる。最も重視すべきことは、グリーン面積の全体を平等に利用することを考えたグリーン造りであり、小面積の中にもピンポジションとしての平坦なエリアを複数確保するなど、小さなグリーンに対する過去の設計上の失敗例を見直すことで経済的グリーンの面積を求めることが可能になる。

芝生の種類

ニューベントグラス種は画期的なグリーン芝として、近年採用するゴルフ場が増えている。従来のベントグラスに比較して病害に対する抵抗力が高まり、パッティングクオリティの高さが評価の理由にもなっているが、葉が細く密度ある芝は高速グリーンをつくり出すことに最も適した芝であることは間違いないようだ。新しいタイプの芝であるが故に、栽培に当たっては思考錯誤で取り組んでいるコースも少なくないようだが、仮に施工期間短縮のために張り芝で18ホールを一気に転換する場合は、注文栽培により生産者から大量購入することも可能だし、2.3ホールずつ転換していくなら広さに余裕があればナーセリで独自に少しずつ栽培することも決して難しいことではない。また既存のグリーンに対して、インターシーディングを試みるのも対策の一つだ。いずれにしてもニューベント種は多くのメリットを持ち、我が国の将来に大きな変革を与えてくれる、新しいタイプの芝であることは間違いないだろう。

ニューベント種に転換するための改造計画では、採用を前提に地域周辺で栽培されている実例を視察し、諸問題を調査することも必要になる。ニューベント芝には多くの種類が用意され、国内での利用も多く報告されているが、他ゴルフコースの使用例を参考にしながら地域に合わせた種子を選択することが肝要である。ニューベントに切替えた周辺コースの栽培経過を参考にするのは当然として、種類選択に苦慮する場合などには、栽培知識が豊富な研究者などの関係者から技術論を聞くことも大切な準備工程になるはずだ。

ニューベント芝は芽数の多さと葉の細さが従来の芝生と異なるところに特徴があり、密度と葉細がグリーンのスピードを作り出すことに最も適した条件であると考えてよい。これらの芝は低刈りにも耐える性質を有しており、改造計画ではこうした一連の芝生を使用するに当たって、従来進めてきたグリーン勾配の見直しを含め、新グリーン設計ではより緩やかな勾配に転換することも忘れてはならない配慮の一つである。

「参考」
グリーン改造の注意事項
グリーン構造(USGAグリーンセクション)

  • 混合土 30p(砂+土壌改良材)
  • 小砂利 5p(目潰砂利)・砂利  10p(基礎砂利)

グリーン床施工

  • グリーン造形施工に当たっては、予め、設計地盤高を表示するために測量杭を設置する。
  • 床土壌は設計仕様に基づき砂厚が均一になるよう施工する。
  • グリーン床土壌の使用は、予めグリーン以外の場所で肥料、改良材等で混合したものを使用する。
  • 床砂を運搬機械で搬入する場合は、締固まりの不一致が起こりやすいので細心の注意を払い施工する。
  • グリーン表面の整形仕上げは最も重視されるべき造形作業の一つになることから、最終仕上げでは入念な施工を心がける。
 

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