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新時代のコース改造 第1章グリーンと新種芝
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

日本にペンクロスベントが持ち込まれたのは1957年のことである。それ以前にも西洋芝への挑戦を試みた歴史はあったものの、当時としては日本独特の気候、風土が西洋芝といわれるベント芝の栽培を、困難なものにしていたことは間違いない。しかしここ数年、我が国のメンテナンス技術は、世界に勝るとも劣らない勢いで急成長を遂げている。グリーン芝のクオリティを高める技術の向上に多くの関係者が努力を重ねてきた結果だが、これと並んでハイクオリティな芝作りに貢献しているのが、最近脚光を浴びているニューベント種だろう。

今や世界のゴルフコースでこのニューベント種への転換が盛んに行われており、日本でもそうした動きが各地で見られるようになった。グリーンスピードを求めるための芝生転換の改造もその一つだが、同時にコース戦略を求めたハザードの配置の見直しであるとか、コース整備の充実を図るためのリニューアル改造、改修への投資が全国的に高まりを見せている。

改造計画に当たっては、改造工事の目的と計画意識をしっかりと見極めることが重要になる。改造というと比較的安易に受け取られやすいが、改造工事を成功させるには計画の熟慮と、的確な施工が現場に求められることはいうまでもない。改造は目的によって設計仕様が異なり、施工方法に違いが生ずるのは当然である。改造計画を立てるにはその中味を知ることが大切で、目的とする改造の予備知識を持ち備えることも必要になる。逆に改造が受け入れられなければ評価を落とすという危険のあることも忘れてはならない。計画の熟慮こそが成功の鍵を握る唯一の手助けになることは間違いないのである。

改造計画においては本来、専門家であるコース設計者にその任を委ねるべきである。しかし小規模改造や軽微な改修などでは、ゴルフ場側の裁量で実行されることも少なくない。そこで改造工事を進めるにあたって、改造計画についての予備知識といったものについて紹介することにしたい。

芝品種転換とグリーン改造

既存グリーンの原型を崩さないで新しい芝生に転換する改造では、グリーン床土壌の適合性には十分注意し、改造しないグリーンがある場合は従来と極端に異なる構造は避けるべきだろう。また新しい芝品種に合わせて、グリーン面の適正勾配の見直しが必要である。グリーン勾配を大きく変更する場合は土壌の入替えが必要となるが、その場合はグリーン全体にわたっての土壌改良を行うべきである。土壌の入替えが不用な場合でも、固結の激しい床土壌では攪拌によって改良を図ることも予測しなければならない。

グリーン床土壌の入れ替えを行った場合、或いは土壌改良のための施工を行った場合に発生しやすいミスとして、グリーン表面の不等沈下が挙げられる。整形仕上げでは沈下によって引き起こされる凹凸を無くすためにも、施工に際してはローラー転圧に加え、慎重・入念な仕上げ作業が要求されることになる。

改造では計画する改造範囲に留まらず、これらに付随する工事拡大が付きものであることも忘れてはならない。工事に関わる造成範囲の如何が、造形仕上げの成否を決定付ける場合もあるからだ。例えば、既存グリーンの勾配変更や形状変更でも、周辺に工事の影響が及ぶことはよくあるので、アプローチに与える影響などを総合的に判断し計画することである。

新しい芝生へ転換するための準備にあっては、種子類の選定をはじめ、グリーンへの播種仕様であるとか、ナーセリ栽培での対応策など、施工に当たって2グリーンの場合と1グリーンの条件下では工事仕様の違いもあり事前対策が必要になる。いずれにしても営業をしながらの改造、改修施工は顧客サービスの不評を招きやすいことから、改造の時期をはじめ、作業手順を考えた計画のもとで実行されなければならない。

床土壌を交換するための改造

国内ではベントグリーン床土壌として100%の砂を使い始めた歴史は新しく、コース建設の最盛期を迎えたころから増加したといえる。旧来行われてきたグリーン床土壌仕様は、建設地内で発生する良質土と川砂をミックス、或いは改良材等を混合して作るというのが一般的だった。こうした床構造こそが日本風土に適した仕様とされてきたが、既に、アメリカではゴルフ場における床土壌構造の基準が確立され、床砂100%のグリーン床が高い評価を得てきた。我が国でもグリーン構造の見直しによって導入されることになったが、USGAの土壌構造仕様は我が国のベントグリーン栽培に重要な役割を果たし、今日の素晴らしいグリーンターフを作り出す基礎になったことは間違いない。

砂100%だからクオリティが充実しているとか、USGA土壌構造だから芝管理が万全であるなどと過信してはならない。古い土壌構造仕様でも永年改良を重ね、ベント芝栽培に適した床構造が完成されているのであれば、敢えてリスクを犯してまでの土壌変更や改良の必要はない。永年培った土壌下では植物の生態系に必要な環境が必然的に完成され、芝栽培に適した団粒構造が確立されていることも少なくないのである。

床土壌の入替えなどの大掛かりな改造変更は、必ずしも即戦力として活用できる保証が無いことも知るべきだ。新しい土壌下で栽培された芝が、良好なパッティングクオリティを得るまでには、長時間の猶予が必要なことは常識である。新床土壌の条件下では2.3年という短い期間内でターフを形成することは難しく、4.5年の年月を経て完全なターフが出来上がることも理解しておかなければならない。

USGAグリーンセクションの仕様が2004年に改訂され、床砂径を0・25.1・0oと推奨しているが、国内では規格通りの材料を厳守することは非常に難しいといわざるを得ない。調達可能な材料の選択が肝要と思われるが、材料選択は後の芝管理に大きな影響を与える要素もあり、材料、材質の選定にはより一層の慎重さが求められることになる。

グリーン床土材料

改造工事では床土壌として使用する砂の材料選定が、最も重要な役割を果たすことになる。材料選定では、シルト、ダスト含有が少なく、丸みを帯びた砂材を使用するのが一般論とされるが、砂材選定にあっては目的とする改造グリーンの構造設計をはじめ、過去に使用してきた材料、材質の種類把握も必要になる。

例えば、ホール全体の改造とは違って限られた幾つかのグリーンを改造するような場合には、新グリーン構造と既存の床土壌に大きな違いが生ずるのは必至である。しかし既存グリーンと異なった材料の使用や、構造仕様に大きな違いがあってはならない。グリーン改造による床土壌の変化は、当然、芝生の成長に大きな影響を与えることになり、新旧グリーンの土壌構造に違和感を生じないための土壌つくりが必要となる。養分吸収の違い、土壌含水保持、排水に与える影響などの床土壌の環境の違いが芝管理に大きな影響を与えるといったことも材料選定では重要な役割の一つとして考えたい。

土壌の違いから引き起こされる弊害は、同じ手法で管理しても芝の生育が不安定になるということだ。時として、土壌の違いが病害の発生の有無をはじめ、パッティングクオリティの違いを引き起こす要因さえ作り出すことになりかねない。床土材料の規格を保つことの難しさはあるが、床土壌構造の均一化を図るためには、土壌改良剤の使用も選択肢のひとつとして考えるべきことである。

 

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