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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2006 Sep. 協力:一季出版(株)
世界への道を阻む日本の2グリーン
日本ゴルフコース設計者協会 理事長
大西 久光
 

「WRONG GREEN」の原点

その国のゴルフのレベルを見るにはゴルフコースを見ればよい。欧米に多くの名コースがあり、選手が多いことは言うまでもない。

オーストラリアにもロイヤルメルボルンなど素晴らしいコースが多くある。オーストラリアのゴルフ人口は日本よりはるかに少ないが、全英オープン5勝のピーター・トムソン、世界ナンバー1を長く続けたホワイトシャークのニックネームで有名なグレッグ・ノーマン、2006年全米オープンを制覇したジェフ・オギルビー、06年米国マネーランク7位のスチュアート・アレンビー、8位のアダム・スコットなど多士済々である。

「名コースが名選手を育てる」は言い古された言葉だが、まさにオーストラリアがそれを証明している。その点で、なかなか世界で活躍できない日本はどうだろう。

日本のコースは欧米やオーストラリアと比較して、トッププレーヤーが技術を磨くのに十分なコースが少ない。人気コースランキングの上位に2グリーンコースが多いことも残念なことだ。

さらに残念なことは、いまだにトーナメントコースとして2グリーンコースが使用されていることである。しかも依然として2グリーン擁護論まである。過去のトーナメントで起こったことだが、太平洋マスターズでセルジオ・ガルシアがスペアーグリーンに乗ったボールをドロップしてペナルティを科せられた。これと逆のケースとして、日本で開催された米国女子ツアーのミズノクラシックで宮里藍がスペアーグリーンのボールをそのまま打って、ペナルティーを科せられたこともある。1グリーンでは起こらない混乱である。

私はルールの専門家ではないが、何故こんなことが起こったのか説明してみたい。日本のトーナメントルールでは、その日に使用しないグリーンはスルーザグリーンとして扱うので、そのまま打つのが通常になっている。一方、米国LPGAの解釈は、ルールブックの「WRONG GREEN」をスペアーグリーンに適用したのだ。欧米には2グリーンが無いから、このような誤解が生まれる。

WRONG GREEN」は「正しくないグリーン」といった意味で、そのホール以外のグリーンを指している。つまり18番ホールでプレーしている時に、隣りにある15番ホールのグリーンに乗ったケースである。当然の事ながら、そのグリーンの外にドロップしてプレーしなくてはならない。然し、日本の場合には18番ホールをプレーしている時に使用していないグリーンはグリーンではなく、スルーザグリーンでしかない。従って、プロトーナメントではそのままプレーすることが許されている。ルールの専門家の中に日本のスペアーグリーンにも欧米式の「WRONGGREEN」を適用するのが正しいと主張している人がいるが、少なくともゼネラルルールの中に2グリーンに関するルールがあるとは思えない。つまり「WRONG GREEN」はプレーしているホール以外のホールのグリーンを意味していると解釈すべきである。このように2グリーンはトーナメント開催のルール解釈だけでも混乱が起こる。ましてますます国際化され、外国人選手も増えてくる時代に出来るだけ混乱を避けるためにも、トーナメント開催は1グリーンコースに限定すべきであろう。

2グリーンではゴルフ文化を理解できない

もともと高麗芝もベント芝も四季を通じてよい状態を保てないことから2グリーンが採用されたが、既にメンテナンス技術が進歩し沖縄などを除いてベントの1年使用に耐えている。米国では熱いマイアミですらベント芝が採用されているから、沖縄でもベントの1グリーンが実現する日も近いだろう。

では何故高麗芝ではなくベント芝が多くなったかは明白である。トーナメントなどでの「速いグリーン」が一般にも浸透し、一般ゴルファーの強いニーズになってきたからだ。「速いグリーン」は少しの傾斜にも反応し、パッティングに心理的な難しさを作る。1mのパットが難しくなると、アプローチ、セカンドショット、ひいてはティーショットを難しくする。単に難しいだけではなく、考えるゴルフ、深みのあるゴルフへと変化する。管理上も18のグリーンと36のグリーンとでは作業量やコストにも大きな差が出てくる。

だからといって、全てのコースで1グリーンに改造すべきだと主張しているわけではない。せめてトッププレーヤーの大会では1グリーンのコースを選んでもらいたいと熱望しているのである。

05、06全米オープンに日本選手として唯一人活躍した今田竜二プロはジュニア時代に単身米国にわたり、米国のゴルフ文化の中で育った。米国文化に鍛えられたたくましい精神、良いコースに教えられたコースマネージメント、厳しいコンディションの中でスコアメークできるショット技術などの全てを米国生活から学んだ。

オーストラリアの選手は欧米に行っても言葉や食文化などに大きな差は無く、日本人よりなじみやすいだろう。然し、その基本にあるのはジュニア時代から良いコースに教えられたゴルフへの理解である。「ゴルフとはどんなスポーツか」をよく理解することこそ重要だが、その多くは良いコースから学び取るものである。

多くの日本選手がパー4、パー5のホールでレイアップすることを嫌うだけではなく、ドライバーを使えないホールは悪いデザインのホールだと断言する選手すらいたぐらいなのだ。そのような選手がメジャー大会に行っても、うまくスコアメークできる可能性は無い。日本選手も良いスイングを身につけ、素晴らしいショットを打つ技術は年々大きく進歩している。然し、そのショットが何故メジャーや海外のトーナメントで発揮されないのだろう。

タイガー・ウッズは子供の頃から父親のアルーさんに「グリーンから振り返ってティーグランドを考えろ」と教えられた。つまり、ホールの位置に立って、より高い確率でバーディーやパーが取れる攻め方はどこからこのホールのどの位置に、どんなクラブで攻めるべきだったかを常に考えさせられたのだ。そしてそのような攻め方をするためのショット技術を磨いてきた。練習場で漠然と良いショットを身につけるのではなく、コースを攻めるイメージ作りに時間を費やしたと想像する。それで無ければ、オーガスタの16番ホール奥からのチップインやあれほど果敢にピンを攻めるショットは出来ない。常に次のショットへの心の準備が出来ているのだろう。

これらの考え方はフェアーで良いデザインのコースから教えられる。自然から学ぶといっても良い。球聖ボビー・ジョーズにしてもスコットランドのセント・アンデュルースでの全英オープンで苦しめられ、短気を起こした。その結果、ゴルフが自然との闘いであり、自分との闘いであることを教えられ、年間グランドスラムという空前絶後の記録を打ち立てた。

私は40年以上前に日本滞在中のP・トムソンのお世話をさせてもらいながら、色々とゴルフを教えられた。コース設計にも卓越していたので、今も思い出す言葉が多い。「セント・アンデュルースは神が創ったコースだ」と14世紀のゴルフに関する歴史まで教えてくれた。神が創ったコースとはまさに自然そのものだということである。良いデザインほど元の自然の美しさを破壊していない。「これからのバンカーはポットバンカーが良い」「バンカーは障害物だからあまりきれいに均してはだめだ」など、これからのゴルフ界が考える至言も聞かせてくれた。

日本にはラフよりやさしいバンカーが多い。スコットランドではもともとバンカーは避けてショットするのが原点だった。

 

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