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開発規制とゴルフ場建設
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

ゴルフコース誕生には様々な逸話が残されている。その生い立ちは華々しい歴史に彩られていたと思われがちだが、ゴルフ場造りを成功させるその裏に 開発行為に対する厳しい規制とのせめぎあいがあったことも忘れてはならない。

開発規制の始まり 大規模開発指導要綱

国内でゴルフ場の建設が本格化したのは、昭和40年代に入ってからである。それ以前は緩やかな地形を利用して造られていたこともあり、いわば手造り.でゴルフ場が造成されてきた。しかし昭和40年代に入ると高度経済成長期を迎え、かつて経験したことの無い勢いで大型重機によるゴルフ場建設が進められた。その新規ゴルフ場建設に歯止めをかけようとして生まれたのが開発規制である。過去には届出のみで処理されてきた開発行為であったが、森林法による「大規模開発指導要綱」が制定されたのは昭和48年のことであり、以後その規制を受けることになる。

森林法は大規模開発における緑化保全を目的に施行され、開発区域に対する残存緑地の確保、ホール間における林帯保全が含まれ、ゴルフ場建設での造成面積を最小限に抑えることを目的とした指導要綱であった。

ゴルフ場開発に対する制約は、後の「森林法見直し」によって更に厳しさを増すことになったが、法規制の中で行われるゴルフ場建設の多くに、”諸悪の根源”とされる大きな壁が立ちはだかった。

指導要綱は再三にわたり改定され、その度に開発規制はより厳しさを増すことになるが、法改正による開発規制は建設費の高騰に止まらず、ゴルフ場造りの根幹であるコース造成にも大きな影響を及ぼすことになった。ゴルフコースには相応しくないコンクリートダム、洪水調節ダムの巨体が異様な姿で立ち塞がるといった具合である。勿論、こうした規模の増大に伴い買収用地も拡大する。それもこれら規制の結果であり、そうしたしわ寄せがコース幅までも狭くするといった悪循環をもたらしてきたのだと言っていい。

開発規制はゴルフコース建設のあり方を大きく歪める何ものでもなかったが、もちろん規制の網を潜り抜けて違法行為をしようとすれば、即、工事中止命令が勧告されるという状況下でもあった。ゴルフ場建設、コース造成においても自由奔放な工事施工が許される道理など全く無く、開発規制がもたらしたアンバランスの狭間で多くのゴルフ場が誕生してきたと言っていいだろう。

このような経過から規制に縛り付けられて誕生したゴルフ場はもとより、ゴルフ場のあるべき姿やゴルフコースの本来のあり方を、改めて見直す必要性が生まれてきたのは当然の帰結であろう。

開発規制を受けて作られたゴルフ場

ゴルフ場開発行為は、国、県が開発許認可の制定、行政指導を行なう仕組みになっている。従って、ゴルフ場開発では大臣許可、県の諸機関の許認可をなくして開発行為は行えないというのがこの制度である。都市計画法、森林法、農地法から始まり各行政の末端までの許認可を得て工事着手となるわけだが、提出書類の審査、開発に関る数値計算であるとか、設計基準のあり方を巡って多くの時間が費やされることになる。申請書類の提出から着工許可を得るまでには膨大な資料や関係書類を提出し、開発要綱に則った厳しい条件をクリアして初めてゴルフ場建設に着手できるのである。

この要綱は、コース造成の利用面積を極力少なくすることを狙いとしているから、開発面積に対するホール造成利用を極端に少なくするといった仕組みにおかれることになる。開発総面積が小規模であればコンパクトなホール造りが強いられ、複雑な地形の中ではホール幅、高低差に影響が出るのもそうした関係からだ。ゆとりあるコース造りを望むのであればそれに合わせた取得面積が必要となり、それは総体的に予算を増大させることを意味する。広大な面積を取得した場合も許可条件の中には、地形環境、高低差の違いが開発不適合とされる場合もあり、土地利用についての制約につながることもある。こうした開発規制こそがコース造成においての悪の根源につながり、意図するものを造り上げることに大きな障害となってきたことは間違いない。

土地利用の制約を受けて造成されたゴルフ場の中には、ゴルフプレーの満足感を得られないような内容のコースも少なくない。特に、新設コースでは用地取得の困難から土地利用が厳しい状況におかれ、さらに複雑な地形を利用して建設されたコースなどでは、より一層その矛盾が表面化している。

ゴルフ場の新設ラッシュが終焉した現在では、厳しい規制は過去のものとなったが、規制によってコース造りの原点が歪められてきたという事実は決して消えない。今後は将来のゴルフコースのあるべき姿を求めて、コース改造や改修によってリニューアルの必要性は次第に高まっていくことだろう。そうした意味では、厳しい開発規制によってゴルフコースは何を得たのか、そうした疑問を過去の反省から学び、次の時代に生かすことができる改造方法を学ぶ必要があるように思われる。

将来展望を見つめたコース改良

山岳地が70%を上回るわが国の地理実情から判断して、ゴルフ場造りの好条件に恵まれた地域は一部にしか存在しないことがわかる。しかしながら当時としては、国内のゴルフ熱が急速に高まる中にあって、需要とのバランスからコース建設が丘陵地からさらに山岳地へと移行したのも、こうした経緯から生まれた自然の成り行きであった。その上、土地利用が制約される厳しい開発規制が追い討ちをかけたことから、コース造りにも大きな制約が生まれたと言っていいだろう。こうした開発規制の被害者的立場に立たされたのは言うまでもなくゴルフ場経営者であるが、何よりも、責任感は持ちつつコース設計やデザインの面において、自らの意思と感覚を発揮し得なかった憤りと悔しさを、コース設計者であれば全員が持たされたものと思われる。

それは開発規制が、設計者の思い描くコース造りやデザイン感覚とは、全く別の方向を向いているからだ。コース造りに全力を傾けながらも、規制から逃れることができずに造成されたゴルフ場が、意図するゴルフコースとはならなかったのは当然であろう。

規制を受ける中で誕生したゴルフ場は、ゴルフコースとして不適切な部分を必ず持っている。それは改造によって改善していくべきことであるが、その認識はあっても低迷を続ける経営環境の中で即実行に移せない状況にあることも事実だ。だが、将来の経営戦略を見つめる上で、方針転換の必要性は一段と高まってきている。

時代の流れが大きな変化を見せようとしている今こそ、新たな方向性を見出す重要な時期ではないだろうか。ホール幅、アップダウンの解消だけが改造ではない。その中には、クラブやボールの進化への対応もその一つとして含まれる。またセルフプレーにおける安全対策、楽しさを求めての改造も例外ではない。コースの新鮮さを求めて時代のニーズに合わせた改造、改修も必要だ。ゴルフ場の付加価値を高め、財産価値の高いゴルフコースの改良、改善が不可欠の時代になるはずである。

繰り返すが諸問題を多く抱えるゴルフ場にとって、コース改造や改修などの余裕がないのは事実である。だからこそコース設計の専門家集団である設計者協会が、これからのゴルフ場のあり方について積極的に発言し、正しいゴルフ文化の発展に貢献していくべきであり、協会員の一員としてその責任を今強く感じている。

 

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