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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2005 November. 協力:一季出版(株)
ゴルフ場施設が地域、環境に果たす役割(2)
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

環境整備された土壌が創りだす貯水構造

ゴルフコースは総面積の約65〜70%を森林が占め、残面積の大部分が芝生緑地で形成されている。ゴルフ場建設費用の約50%が緑化事業費に充当されていることを考えれば、ゴルフ場は緑を創出するための事業であり、緑化環境を守る上で無くてはならない施設であることが証明される。ゴルフ場建設では植生に適した土壌を創り出すために、多額の予算が投下されていることは意外と知られていない。植生改善を図るための良質土壌の購入もその一つであるが、芝生クオリティを維持するための排水や土壌改良等は、ゴルフ場建設での欠かせない重要な作業の一つになっている。

『自然環境は手を差し延べることによって守られる』ことを再三説明してきたが、重要なのは手を掛けずして放置される森林は、土壌荒廃や生態系の崩壊を招く危険性を秘めていることである。こうした荒廃が進む森林とは違い、ゴルフ場は地域の環境保護と緑化保全を守る役割を果たしている。整備の行き届いた残地林、芝床は団粒構造によって保水能力の高い土壌を構築し、植生に欠かせない環境を作り出す。降雨等によって土壌に蓄積された水は徐々に地下深く浸透し、新鮮な地下水となって還元される仕組みだ。ゴルフ場では水のリサイクル活動が絶えず行われ、貴重な用水作りに大きな役割を果たしている。貴重な水資源を確保するための「緑の貯水ダム」の役割がゴルフ場にはある。

一方ゴルフ場と異なり管理放棄され続ける森林の多くは、土壌の保水能力を失った結果、生態系にも大きな影響を与える。ゴルフ場が創出する緑化環境と、環境破壊を引き起こす森林荒廃は、全く異なった意味を持っていることを多くが認識すべきである。生態系維持と自然破壊は紙一重だ。人が手を差し延べる努力があるからこそ、環境を維持し保護することの必要性が理解できるのである。

私たちが21世紀に向けて訴え続けなければならないのが環境問題である。環境保護と環境創設の上でゴルフ場こそ貴重な財産であり、環境維持と緑化創生するうえで大きな役割を果たしている。

広大なゴルフ場敷地は緊急避難場所に最適

ゴルフコースが他の産業と大きく異なるところは、緑化環境を維持し、恵まれた自然環境を提供することを主たる産業としていることである。特定のゴルフ場利用者のみに恩恵を与えるだけのものでなく、地域社会への公益還元でも、他の産業と類比できないほどに公共性を持っていると言っていい。ゴルフコース内に点在する緑地や芝生による緑化空間は、環境機能を充分満たしてくれる憩いの空間であり、環境保護のための広域共有空間である。ゴルフ場内には、新鮮な空気を汚染する煤煙も無ければ、科学物質で汚染された雑排水が流れ出すといった心配もほとんど無い。こうした緑化保護区域としての存在以上に、ゴルフ場は災害時など緊急時に於ける避難場所として、大規模都市公園をも上回る公益性の高い施設に早変わりできる機能を持っている。あの阪神大震災の時には、ゴルフ場が多くの被災者に緊急避難場所を提供したことは記憶に新しい。

このように地震に限らず、ゴルフ場は台風災害、地域防災、その他緊急事態の退避場所として、利用可能な施設なのである。緊急避難場所として指定された施設は少なくないが、ゴルフ場ほど敷地の広い施設はほかにはないはずだ。一時的な避難場所として、さらに仮設住居の建設場所としても、ゴルフ場が果たせる役割は多い。

不慮の事態に備えた農業用地への転換

広大な面積を有するゴルフコースは不慮の事態に遭遇した際、食料を確保する為の食糧生産基地に早変わりさせることも可能である。ゴルフ場の芝地床は改良材、混合肥料等によって肥沃な土壌に置き換えられていることから、植物の栽培には適した土壌環境にある。だから農地に切り替えるのは極めて簡単であり、農業生産する為の代用地としての期待も大きい。予期せぬ世界の天変地異、緊急事態発生に備えた食糧生産基地として簡単に農地に転換し利用、活用できるのがゴルフ場施設なのである。事実、日本は過去において、ゴルフ場が食糧生産の場としてその役割を果たした時代があった。食料事情が厳しかった一時代の出来事であったが、「備えあれば憂いなし」を過去形にしない為にも、ゴルフ場が社会に貢献する身近な存在であることを忘れてならない。ちなみに、大胆な発想であるが、日本全国約2400のゴルフ場すべてを農地に転用し、食糧の生産量を試算すると新たに生まれる農地は11万ヘクタール強、生産量は穀物類に換算すると約40万トンになる。つまりはゴルフ場の農地転用で、年間百万人分程度の食料供給地を創出できる計算になる。

ゴルフ場設備は災害防止の役割を果たす

災害防止の観点から、ゴルフ場施設の安全性を見逃すことは出来ない。ゴルフ場建設に伴い、開発区域内には洪水調整をする為の貯水池(調整池)を築造することが義務付けられる。流出する土砂の沈砂、洪水調節を目的に構築されるものだが、構造規模、設計基準の高さは、完成後にあっても矛盾するほどの安全性が確保されていると言っていい。完成して数十年経過したゴルフ場にあっても、造成工事での土砂流出を見込んで構築された調整ダムでさえ、流出土砂の堆積は全く見られない。それは工事期間中や、その後においても土砂の流出が全く無かったことを示している。これは芝生による地覆緑化の効果だと考えられる。この地覆緑化が土砂流出を抑え、災害防止に大きな役割を果たしていることを見逃してはならない。その事実を物語るように、ゴルフ場は数多く建設されたが、それによって大きな災害がもたらされたとの報告はほとんどない。ゴルフ場の施設がいかに安全であるかを裏付ける何よりの証明でもある。

地域に経済効果をもたらすゴルフ場施設

ゴルフコース建設が盛んに行われた頃、建設反対論が各地に起こり、ゴルフ場が悪の代名詞に扱われた時代もあった。開発に対する法的規制と総量規制なるものによって、ゴルフ場開発に大きな影響が現れたことから、建設計画の中座、断念に追い込まれたゴルフ場も少なくなかった。一方では開発行為が長期に及ぶことも珍しくなく、莫大な資金捻出を余儀なくされることも常識の範囲内であった。こうした厳しい条件を克服しながらも、苦労して創り上げられたのが今日のゴルフ場である。こうした苦労とは裏腹に、今やゴルフ場は地域経済を支える上で欠かせない産業として定着しているが、ゴルフ産業が地域にもたらす経済効果と、それによってもたらされる波及効果を見逃すことはできない。

ゴルフ場が与える地域への最も大きな経済効果は、ゴルフ事業によって創出される利用税、法人税をはじめ、固定資産税、住民税等の税収還元である。地方自冶が必要とする財源はゴルフ産業によって創出される割合は大きく、地域振興に大きな役割を果たすことになる。同時に、雇用促進を図る上で地場産業としての責任を充分果たす公共性をも備えている。

ゴルフ場は一部のゴルファーの為に存在し、特定の人達に与えられたスポーツであるとの誤った見方も少なくないが、ゴルフ場施設こそが、社交の場として多くの人に利用されるパブリックゾーンであることは間違いない。地域産業としての活性を図り、地域貢献に大きな役割を果たしているのがゴルフ産業である。

 

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