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昨今のゴルフ環境をめぐる議論は、発言者の利害に偏向された対処療法的なものが多く、歴史観や理念、また将来の展望に欠けている場合が多いように感じます。かといって、経済状況を無視した理想主義を叫んでも、現実的な解決方法には成り得ません。ゴルフ文化の将来を占うには、多面的な現状認識が不可欠でしょう。

先ずは日本のゴルフ界の、世界での位置付けを見てみましょう。

現在地球上には、2万8千余りのゴルフコースがあるそうですが、国別に見ると米国が1万7千弱で約6割を占めダントツの一位、二位は英語圏という意味で南アイルランドも含めた英国地域が3千弱、第三位は驚くなかれ2千数百の日本です。

ドイツ、フランスなど数百程度、欧州全体でも6千コース程ですから、我が国は期せずして世界有数のゴルフ大国なのです。

また、会員権が市場で売買されている事、預託金制度を採用した会員制を名乗るゴルフ場が大多数を占めパブリックコースが少ない事、プロゴルファーの社会的地位が非常識なほど高い事等、日本特有の事情も少なくありません。

しかし今回は、よく話題となる2グリーンシステムの是非をめぐる話を中心に書きたいと思います。

プレーの連携性を損なう日本独自のルール解釈
ゴルフ創世記の原始的なゴルフの場合、プレーヤー同士はマッチプレーを楽しんでいたでしょうから、グリーンが何処にあろうと幾つあろうと対戦相手と同じ条件ならば問題はありませんでした。

また、ホールのすぐ近くから次のホールに向けてのティーイングショットをする決まりでしたから、ゴルフプレーは1番ホールをスタートしてから最終ホールをフィニッシュするまでの一貫した連続性が確保されていました。

時代が下ってプレー人口が増え、プレーヤー相互の技術差が大きくなると、ティーインググラウンドが複数用意され、飛距離に見合った場所からティーイングショットをするようになりました。

この事は例えばご夫婦でゴルフを楽しまれる場合など、体力差があるもの同士でも一緒にゴルフ競技を楽しめる可能性ができたのです。

しかしこの時点で、原始的なゴルフの持っていたラウンド全般にわたる連続性は失われる結果となりました。

このように現代では当たり前と考えられているホール毎のプレーの連続性は、ラウンドを通しての連続性を失う代わりに、プレー形態の多様性に呼応して獲得されたものでした。

さて、日本ではプレイング4や隣ホールから1ペナを払って戻すなど、1ホール内での連続性を損なうローカルルールが存在し、現在の世界的なルールの原則から逸脱している部分があります。

このローカルルールが、プレー人口の拡大に大きく寄与していると考えている倶楽部もしくはゴルフ場では、信念を持ってこのローカルルールを続けるべきでしょう。

しかし、これらのコースはプレー人口の拡大を優先した結果として、ゴルフの伝統を継承する事を諦めた訳ですから、伝統的な決まり事(例えばクラブハウス内でのブレーザー着用や夏場の短パンとハイソックスなど)を、プレーヤーに要求するのは間違いです。

まして、実体の無い格式を強要する事があってはなりません。

FWよりラフが有利?

さて、百年程前にゴルフが紹介された当時から、日本ではボギーベースの時代を少し経験しましたが、長らくパーという基準打数を基にしたストロークプレーが行われてきました。逆に言えば、長い間のマッチプレーの伝統を経ずに、一足飛びに当時最新のプレー形式を受け入れたことになります。

この事自体は将来を見通した卓見だったと思うのですが、芝草の管理技術が未熟だったこともあり、その後の日本のゴルフ環境に重大な影響を与えたようです。

一つは今回のテーマである2グリーンシステムですが、その前に冬場に枯れてしまう高麗芝や野芝をフェアウエーやラフに使うことによって引き起こされる、もう一つの理不尽な状況を説明しておかなければなりません。

マッチプレーでは同伴競技者は対戦相手なので、相手に比べて有利か不利か常に問題ですが、日本ではマッチプレーの伝統を継承して来なかったため、ラフにある同伴競技者のボールの方が、フェアウエーに打った自分の球よりも有利になったとしても、あまり問題にはなりませんでした。

ストロークプレーでは同伴競技者はその伝統的な意味を失い、極端に言えばお互いのスコアーを助け合う共犯者に近い存在になったように感じます。

フェアウエーよりもラフの方が打ち易くなる不条理は、ラフとフェアウエーの刈り高の差が少なすぎる事からも起こり、芝の枯れる冬場にとどまりません。

プレー人口の拡大措置と称してラフを短く刈り、長くて広いフェアウエーを確保すれば管理面積が増え、維持コスト増大をグリーンフィーに転嫁せざるを得ません。

結局、ストロークプレーにおけるスコアー至上主義が生んだ結末なのでしょうが、見方を変えれば日本のゴルフ環境は、パーという基準打数内でどれだけ簡単なコースを創れるかという壮大な実験をしたとも言えるでしょう。

英国で百年ほど前に誕生したコース設計家の最も基本的な仕事は、公正の原理に基づくハザードレイアウトだったのですが、冬場の日本のゴルフ環境を考えると全く意味の無い議論に思えてきます。

言うまでもなく、冬場の日本のゴルフコースは、フェアウエーに運ぶよりラフに打ち込んだほうが有利になる、という不条理を抱えているからです。

日本式2グリーンの是非

ところで、暖地型芝を使った冬場のゴルフを経験した欧米人は、『茶色のグリーン(緑)とはこれ如何に!』と揶揄していますし、口の悪い私の友人などは『枯れた草の上でゴルフしろと言うのは、腐った物を食べろと言われているような物だ』とまで言うのです。

常緑芝で育った西欧人にとって枯れた芝は、病気を通り越して死んでしまった哀れな植物として認識されているからなのですが、日本は緯度が低くとても暑い国です。

寒地型芝には辛い環境でしょうが、現在では品種改良も進み、オーバーシードやインターシードという技術も開発されています。日本での実績は未知数ですが、優秀な管理技術をもってすれば、必ず日本も常緑のゴルフ環境を得ることができると確信しています。

因みに、毎年4月にマスターズを開催するオーガスタ・ナショナルは、日本と同じ大陸の東側に位置し、緯度は福岡県と同じです。此処も暑い土地柄なので、元々は冬期用のコースとして計画されたようですが、現在では常緑環境を維持しているのです。

さて、やっと2グリーンシステムの是非について私見を述べる時がやってきたようです。

今までの内容からたぶん想像がつくと思いますが、極東の地で独特の発展をしてきた日本のゴルフは、世界標準とは少し違っています。しかし、2グリーンシステム自体も先達が苦労して作った歴史ですし、それを1グリーンにしただけでは問題解決にはなりません。

また改造には多額の資金と時間が掛かり、収支を計算する限り得策とはいえません。

何よりメンバーの献身的な協力と、高邁な精神性が必要でしょう。

初めにもお伝えしましたが、世界第三位のゴルフ大国なのですから、欧米崇拝に陥らずアジアの一国として、独自路線を開拓しても良い時期かもしれません。

 

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