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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2003 Dec. 協力:一季出版(株)
ゴルフコースをもっともっと勉強したい
中村享治

はじめに
吾が国にゴルフコースが誕生して百余年、この間何回かの建設ブームを経て、現在約2500コースが運営されている。それぞれ設立された年代によってゴルフをとりまく環境も異なり、従って異なった設計思想によって造り上げられている。
 
しかしながら、近年、用具の急速なる進化とプレーヤーの体力、技量の向上はめざましく、これ等の変化に対応すべく多くのコースで距離の延長、ハザードの見直し、グリーンの構造の変更等、各種の改修が検討されている。とりわけッププレーヤーによる競技を開催するコースでは、その飛距離に悩まされることとなる。
 
また、メディアによる情報提供により、大変良く整備された高速グリーンでのスリリングなパッティングを目の当たりにし、通常の営業時にもこれを求める傾向が強く、季節を問わず、ベストに近いコンディションのグリーンを要求するようになってきている。
 
以下、改造等にあたっての要点を記して、検討の一助に供したい。
 
1 グリーン
  途中の広がりを利用しつつも、数百ヤード先のわずか4インチ弱のホールに収斂されていくゲームの目標は当然一つである。2グリーンを全否定するものではないが、それについての議論はローカルで不毛である。
 
  本来、グリーンの面積は、戦略上、コースディスタンスに比して異なる大きさを持つものである。長いホールは大きめ、短いホールは小さくてよい。しかしながら、良好なパッティングクオリティを維持する為には、ある程度の範囲の中に収め、管理の均一性を確保することが望ましい。
 
  グリーン面は、100〜120u程度の、数ヶ所のピンプレースメントを複合したものとし、各々勾配、傾斜する方向を異にし、各種のショットバリエーションを求めるものとする。なおかつ、それぞれの面が、破綻なく結合して1つの面を形成する。想定されるピンポジションの勾配は、3%を超えることなく概ね2〜2・5%の範囲が良い。
 
  グリーン周囲には、管理作業に必要な十分なスペースを確保したい。合理的で機械化された管理作業を支障なく行うことは、良好なコンディションのグリーンを維持する為に、欠くべからざることである。
 
  グリーンの構造は所謂USGA方式というものが定着しており、この構造のサンドベッドによって、日本の夏季の高温と多雨に耐え得る、ベントグラスを維持出来ているものと思う。
 
  混合施用する改良剤は、サンドグリーンが普及しはじめた初期にあっては、かなり大量(20%程度)に使用されていたが、近年その量が見直され、より少ない方向で施工されている。「多過ぎは抜けないが、足らざるは補える」がグリーンキーパーに定着しつつある。改良剤を一切使用しない「ピュアサンド」によって、素晴らしいコンディションを保っているコースも現れている。
 
  草種は、一時期ベントグラスの中のペンクロスが全国的に普及した。この草種の普及によって、関西以南でも通年のベントグリーン使用が可能になった訳で、画期的な品種であったといえよう。しかし近年になると耐暑性、耐病性に優れた、所謂ニューベントと呼ばれる一連の新品種が開発され、使用されている。いずれも長所はあるが短所もあり、使用する気候風土に照らして慎重な選択が必要である。
 
2 ティーインググランド
  用具の進化等によって飛距離が延びたといえども、現在も通常の営業では、トータルヤーデージで6100ヤード程度の距離が面白いと多くのプレーヤー、識者がいう。その前後の距離に相当する、ティーインググランドの充実に配慮すべきである。滅多に使用しないティーインググランドに、コストと経費をかけることは不要と思う。
 
  女性のプレーヤーの増加に対応して、レディースティーの増設が盛んであるが、ただ漫然と前方に設けるのではなく、トータルヤーデージを勘案し、かつ十分なスペースのものを造るべきである。
 
3 ハザード
  極めて多様な項であり、短文をもって解説し得るものではないので機会を改めたいが、フェアウェイバンカーについては述べておきたい。
 
  現在の飛距離に対応していないフェアウェイバンカーが大変多い。上級者に対する障害物であったものが、飛距離アップによって楽々とクリアされ、未熟なプレーヤーのミスに対してペナルティーが課されるという、本来の存在意義を失ったバンカーは、その配置を変更すべきである。バックティーから270〜280ヤード、レギュラーティーからは230〜240ヤード程度の位置に配置されることが望ましい。ただし、救済等を目的としたバンカーも存在するので、各々、その意図について検討する必要がある。
 
4 フェアウェイ、ラフ
  フェアウェイ、ラフの改修工事は概ね次の三つの目的で行われることが多い。(1)ブラインドの解消、(2)コース幅の拡幅、(3)排水不良の解消。
 
  (1)、(2)の場合、目標を達成したもののそれに拘泥するあまり、周囲とのバランスを欠き、違和感のある仕上がりになっているものがまま見受けられる。部分にとらわれず、全体のバランスに配慮しつつ施工することが重要である。(3)の場合、集水枡を小刻みに設置しすぎて、その周囲で排水勾配の為にライが変わり、プレーの妙味を損なうことがある。フェアウェイのライは大きな幅のうねりにして、わずかなポジションの差が幸、不幸を生まぬ様配慮すべきである。フェアウェイは文字のごとく公平"な道でなければならない。
 
5 カートルート
  近年、乗用のカートが急速に導入され、その普及率は70%を超えようとしている。特に西日本にあっては90%以上であるという。
 
  カートルートをいかに配置するかは、各コース共おおいに頭を悩ますところであろう。当然のことながらコースの景観の中に人工物があることは好ましいことではない。従って、先ず、出来るだけティーインググランドから見えない配置を考える。
 
  しかしながら、そのことに拘泥するあまり、無理矢理、景観の外に配置して、結果として非常に使い勝手の悪いルートになっていることがある。自然な曲線で、周囲の地形に合わせてうねらせながら配置すれば、けして見苦しいものではないと思う。利便性を求めて導入する機能なのであるから、プレーの妙味を損なわない範囲で出来るだけ、そのことは追求されるべきであろう。
 
おわりに
 
  以上、主要な構造物の改修について思うがままに述べてみた。大変厳しい経済環境にも拘わらず、プレーヤーはより高い質を求める。提供する側は、そのニーズに応えなければ生きては行けぬであろう。少ないコストでより有効な成果を求めることは当然である。しかしながら、現地のスタッフのみによる場当たり的な改修は、得てして全体のバランスを崩し、そのコースの品格さえも損ねてしまうことがある。
 
  それぞれのクラブが、自らのコースを奈辺に存立せしめるか、コンセプトを確立し、しっかりとしたマスタープランに基づいて対応することが必要である。
 

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