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21世紀ゴルフへの提言
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2003 Sep. 協力:一季出版(株)
ゴルフコースの遺言書
嶋村唯史

序文
日本のゴルフはここ数年で大きく変わってきているようです。特にゴルフ場は過当競争と不況の影響下の中、生き残りをかけて頑張っているというのが現実の姿だと思います。
 
よくゴルフは「イギリスで生まれて、アメリカでショーになり、日本でビジネスになった」と言われています。ではビジネスになったその後は……。
 
バブル以後 社用族が激減した分、趣味として気の合う仲間とゴルフを楽しむ、プライベートゴルファーが多くなってきました。また廉価なプレーフィと、ネットを通じての予約、女性をはじめとした層の広がり等を背景に、ゴルフライフの選別も含めたレジャーの多様化が始まったと考えられます。
 
ではビジネスになったゴルフは本当に大衆化したのでしょうか。また、適正な料金と気に入ったゴルフ場で、数多く(リピート)プレーを愉しんでもらうという、プレーヤー主体の原点に立ったとき、今後のプレースタイルはどのように変化してゆくのか。プライベート、パブリック等どのようなタイプのゴルフ場が将来的に求められているのか。これらの問にはバブル以後、受身に徹し諸問題に何ら対処してこなかったゴルフ界全体に対する、警鐘の意味が含まれているのかも知れません。
 
設計を担当する立場から、これからのコースの見直し(継承)の考え方と、ゴルフライフの方向性の2点について、私の希望も含め考えを述べたいと思います。
 
コース設計の変化
一部のゴルフ知識人による初期のコース造りから始まり、C・H・アリソンの来日、彼によるゴルフ設計理論(造り方)の導入、その影響下、その後日本にも多くの専門設計家が誕生し、今日に至っております。
 
現在、日本には約2500カ所のゴルフ場があります。その中でも新設(工事中)のコースは数カ所だと思います。今後新設コースの計画はほとんど無く、コースの設計も既設コースのリニューアル、リメイクなど改造計画が中心となりつつあります。つまり今までのように無から有を生み出すのではなく、限られたなかで有から別の有を造り出すパターンの設計に変ってきました。将来的にコースをどのように維持管理していくか、時代のニーズに合わせた手直し、改造をどのように行うのかが問われる時代となったのです。
 
実際に改修計画をたてるには基本的に二つの考え方があると思います。ひとつはオリジナルコースのベースを変えない、絵画で言えば修復を中心とした原型の再生です。当然参考とすべきデータ(図面・資料等)が重要となります。もう一つは全面改修も含めたリメイクです。新しいデザインの導入といっても良いでしょう。戦前からの名門コースのツーグリーンへの改造を多く手がけた井上誠一氏は「ツーグリーンは本来のゴルフコースの姿ではない。ましてワングリーンとして長く親しまれてきた現状デザインを改修することはまさに苦渋の選択であり、全てを台無しにしてしまう可能性もある。いかに原設計(前任者)のコンセプトを生かしつつ、新たなツーグリーンを違和感のないように仕上げるか。そのために大切な事はまず黒子に徹する心掛けだよ」と話しておられたのを直接聞いた事があります(1979年、談)。
 
いずれにしても、ヒントはオリジナルのコース設計図にあるのだと思います。
 
このように、日本独自のツーグリーンパターンのゴルフ場が誕生してすでに約半世紀が経過しましたが、今成熟期を迎え、再びワングリーンへもどす志向が高まってきているようです。
 
「新しいコースを創るより、出来上がっているコースを直すほうが難しい……」とはよく言われることです。オーガスタナショナルGCをはじめ内外問わず、改造後の評価を問われたケースも決して少なくありませんでした。
 
コース設計の変化
ゴルフコースはプレーヤーがいる限り永遠に残るでしょう。時代の関係者、設計者は死んでもコースは残ります。残されたコースをどのように育てていくか、そのためには何をどのように、人から人へ受け継いでいくかが大切だと思います。
 
私はコースの設計に携る立場なのでコースを中心に考えておりますが、それは、ゴルフクラブとしていかに気風と伝統を守っていくべきかというテーマとまったく同じだと思います。
 
コースについて申しますと、やはりコース設計図が重要だと思います。それゆえにコース設計者の立場も、明確に認識されるのだと思います。
 
設計図は単なる図面ではありません。コースがこうあるべきだという、一貫したコンセプトの表現が凝縮されたものだと考えるからです。その意味でメッセージの伝わらない図面は、コースを造る為の一時的な道具にすぎません。
 
当然改修を担当するものは、必ず元の設計者の資料および図面を分析します。そして自分なりのコンセプトを考え出します。さらに関係者のコンセンサスを得て、はじめて取り掛かるのです。設計図は造るために必要ですが、出来たあともさらにコースを長く維持管理していくためにも必要なのです。ゴルフ場によっては図面を財産として、金庫にしまってあるところもあると聞いたことがあります。
 
もし設計図及び関連資料がなかったり、紛失した場合はまず将来のために今からでも作るべきです。かたちのある財産として後継者に残すべきです。既存のコースをトータル的に見直し、専門家も含め理論(コンセプトの確認)付けることも、コース設計の重要な要素なのです。「造り方がわかれば直し方がわかり、直し方がわかれば自信を持って新しいものを作れる」。設計図は全ての計画に必要不可欠のものです。ゴルフ場には言い伝えのように、設計者の意図が残されていることがありますが、一部の実力者による曲解から正確に伝えられていない場合が多々あります。だから真のコンセプトの解説書が必要であり、それが設計図なのです。それゆえに私は設計図をコースへの遺言書と考えます。
 
川奈ホテル本館からゴルフコースへ向かう回廊の途中で、アリソンのコース設計図を見る(公開)事が出来ます。70年前のゴルフコース設計の原点(誕生)の手引書として、多くの設計家が学んだ図面が現実にここにあります。
 
今後の要望
アメリカのゴルフ場運営形態の構成を調べますと、パブリックが70%を占めており、プライベートコースは30%弱です。誰でも何時でもゴルフの出来る環境が身近にあると言えましょう。ジュニア育成の本質は「ゴルフ禁止の公園」ではなく、親子でクラブを振り回せる環境(広場)作りだと思います。開放日のアンドリュースGの情景が思い浮かびます。
 
もう一つは広くメディアも含め、皆に親しまれる歴史(実績)づくりです。12年前イギリスのロイヤルジョージズGCを尋ねた時のことですが、セクレタリーに次のような質問をした事があります。「全英オープンはなぜ古いリンクスコースばかりを使うのですか、長老連が頑固なのですか」
 
彼は「びっくりしないで下さい。本当は年寄りより若い人の方が、リンクスを使うべきだと主張しているのです」と話していました。トーナメントで見る真剣で紳士的なプレースタイル、裏方まで深慮した優勝スピーチなどを思い浮かべ、この若者のエピソードから、やはりゴルフに対する国と個人の認識の深さ、つまり日本と英国との歴史の違いを改めて考えさせられたものでした。
 

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