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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2003 Jun. 協力:一季出版(株)
コース改造の基本と経済的工事手法
小林佑吉

T. コース改造の基本
  ゴルフ場を取り巻く様々な環境の悪化により、どのコースも生き残りをかけて大変な時期を迎えています。そんな悪条件のなかで最も重要な点は、コースのインフラ整備とコース改造です。特に改造が急務になっているゴルフクラブは多いと思いますが、そのコンセプトの作成にしても準備段階での具体的作業、改造の場所や規模、資金、工期等々、色々と悩みも多いと察せられます。
 
  特に悩むのは工事による休業の問題でしょう。休業期間中の従業員の処遇とメンバーのプレー権の確保、予算措置等の問題が生じます。そこで資料を作成し、会員や各委員会などの関係者に十分説明し了解を得なければなりません。古く伝統のあるコースほど抵抗が強く、説得に大変な時間と労力を要します。永い間慣れ親しんだコースの改造は、メンバーやプレーヤー各人の歴史に刻まれた記憶を消しさってしまうからです。だからコース改造には、大きな勇気とエネルギーが必要となります。
 
  では、何処をどう改良すればよいのか、コンセプトの作り方や要点を考えてみましょう。
 
1. 改造方法と改造内容
  最初に重要なことは、そのコースの持つ性格や特徴をあまり変えずに新しい手法でコースに変化を与え、イメージチェンジできるかということです。グリーンのベント化や周辺の改造は勿論の事でしょう。幅の狭いホールの拡幅やティグラウンドの移設増設をはじめ、サンドバンカーやクリークの整形、修景池などのハザードの設置も十分に考慮し、多少の驚きや意外性を取り入れることも必要です。へビーラフの清掃やホール間の樹木の整枝剪定、戦略木や目標木の植栽も大事な項目です。グリーンの大きさや芝の品種、基盤の構造も真剣に考えねばなりません。
 
  二番目に戦略性の点から考える必要があると思います。どうすれば戦略性が増し、美しさと印象度を高められるか。全体の距離と各ホールの距離のバランス、難易度、ドラマ性ある配置になっているかなどが大事な検討項目でしょう。
 
  三番目に美しさや清潔感をどのように保つかです。バンカーやフェアウェイラインの整備、水はけの悪い箇所の改善、異種の芝(ティフトン芝等)の除去などが考えられます。また管理道路では、ホールを横切ったり目立つ部分のルート修正にも良いチャンスです。
 
  四番目に経営や運営上で、コースの欠陥部分の改良も不可欠な課題でしょう。例えばOBの出易いホール(外部にボールが飛び出し危険なところも含む)、狭くてトラブルが発生し易い場所、進行の悪いホール、ボールの落下点や前のプレーヤーが見にくく安全性に問題のあるホール、バンカーや池等のハザードが見えにくいところなどがウィークポイントと考えられます。またメンテナンスが合理化でき、最良のコンデェションが年中保てるようなコースにする事を考えるのも当然でしょう。
 
  次はコースの諸設備の改善が急務になってきます。乗用カートの導入も避けて通れない問題で、当然カートロードが必要になります。そのルートの選定や構造も加味しなければなりません。グリーンのベント化による散水の確保も重要で、水質や水量の慎重な検討や深井戸の場所、貯水池の規模、散水配管やポンプ設備、それに伴う電気配線等々が関係してきます。
 
2. 改造資金
  当然改造工事の規模によって変わってきますが、まずは正確な設計図を作成し、工事の規模や数量を正確に把握した詳しい設計書を作り、資材や機材の単価を精密に調査します。請負業者に発注する場合は必ず数社から見積もりを取り、適切な業者と契約するとともに、仕事に精通した経験豊かな専門家に工事の監理監修を依頼することも肝要です。特に重要なことは「倶楽部直轄の工事が出来るか、出来るとすればどの範囲でどの工種か」をきっちりと線引きして自前で作業をすることです。自前工事はコース管理の範疇で原価管理ができる大変有効な手段です。従業員は大変ですが、汗を流した分だけコースに愛着も湧き、強い連帯感も生まれて意識改革と仕事に対する意欲の向上に繋がります。
 
3. 着工時期と工期
  着工は本州以南の場合、常識的には秋から(10月〜11月)です。 その年の春から測量等の調査を開始し、設計図書を作成して選定した工事・資材・設備等の各業者と契約、秋頃着工します。翌年梅雨明けには竣工し、その後メンテナンス期間を置いてグリーンの生育状態を見ながら9月か10月頃にオープンするのが一般的です。ゆえに工期は9ヵ月から10ヵ月が標準ですが、グリーンの大幅改造を伴わない場合は5ヵ月くらいに短縮できると思います。
 
4. 工事中の営業
 

方法として次の4点が考えられます。

 
(1) あらかじめテンポラリーグリーンを準備し営業を行う。
(2)   完全に休場(9ヵ月から10ヵ月間)し工事を行う。
(3)   営業をしながら9ホールづつ二つに分けて工事を行い、2年がかりで完成させる。
(4)   営業をしながら4年から5年をかけて徐々に行う。
  これは工事の規模により選択すればよいと思います。
 
5. 工事期間中の従業員の処遇
  完全に休場の場合は、次の三つが考えられます。
  (1) 解雇し、失業保険を受ける。
(2) 休業し給料補償をする。
(3) 全員で工事に従事し、並行して色々な研修や営業の教育を行う。
 

前にも述べたように一般的には(3)の工事に参加し「一緒に汗を流し仕事の喜びを分かち合う」のが一番よい選択だろうと思います。

U. 経済的な工事の進め方
  第一印象で「良くなった」と思われるコースにする、より簡単で安価な方法を考えて見ましょう。
 
1. グリーンの改造
  グリーンの面だけを掘り取り、基礎排水と土壌のサンド化とベント芝の播種を行います。(排水の良い構造ならオーバーシードも可能)
 
2. サンドバンカーの修景
  グリーン周辺のバンカーラインを修正し、見やすくするとともに砂を入れ替え(5cm程度)ます。
 
3. フェアウェー刈り込みラインの修正
  戦略ルートに叶ったフェアウェーの刈り込みを行い、いつも清潔なラインを見せるようにします。
 
4. ティグラウンドの修正
  常時使用するティグラウンドを移動または増設(大きさ、標高、形を変え、また飛球ルートを変える)することによってイメージチェンジを図ります。
 
5. ヘビーラフの清掃片付け
  笹やススキ等の下草、雑木や灌木を刈り払い、根株の除去と落ち葉等の掃除をします。場所によっては客土を施し張り芝を行います。
 
6. 残存森林等の間伐
  間伐をして60%位まで密度を減らし、整枝伐枝をすることで隣のホールや溜池、クリーク等をよく見通せるようにします。打球の確認が容易になり、ロストボールも減ってプレーの進行を早める効果があります。また樹の根元に日照を与え風通しが良くなり、芝生の病気や害虫の被害が減少します。
 
7. 残存樹木の移植
  オープン当時に植えた樹木が思わぬところで見つかったり、また想像以上に成長して価値ある成木になっていたりします。その樹木を見易い場所に植え替えることでイメージの向上を図ります。
  これらの工事は直轄のコース管理の範囲(前述)で行える部分ですし、あまり資金もかからなくて経済的だと思います。
 
  この改造工事を節目として今まで永い間コースにあった古い空気を入れ替え、従業員やメンバーの心の改造、意識改革をする良い機会となるでしょう。それがより質の高い営業につながり、健全な経営の基本になると思っています。
 

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