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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2003 May 協力:一季出版(株)
これからのコース改造に問われるもの
佐藤謙太郎
 

日本の気候が生んだ2グリーン

1834年英国にゴルフクラブ・オブ・セントアンドリュースが誕生してから約70年後の1901年(明治34年)、英国のアーサー・グルームが神戸六甲に4ホールのコースを造り、2年後には9ホールに拡張した。それが日本初のゴルフコースである神戸ゴルフ倶楽部で、ゴルフ100年祭が開催された事は記憶に新しい。
昭和初期から日本にもゴルフ時代が始まり、チャールズ・アリソンによる英国ゴルフの影響を受けたコースが各地に創設され、それらが現在の国内の伝統あるコースとなっている。
しかしながら、日本のコースにグリーン用の芝を導入するにあたり、当時の開発者は英国との環境・気候の違いからベント芝の生育が難しく、高温多湿に強いコーライ芝の導入しか選択の余地がなかった。当時の管理技術、芝の品種では、やむを得ない方法でもあった。もっとも最初から2グリーンの設計をしたわけではない。鳴尾ゴルフ倶楽部(大正9年開場)のように、本来のゴルフの思想を頑なに守り、現在でもコーライ1グリーンで運営している伝統あるコースもあるように、当初はコーライの1グリーンから始まった。ところがコーライグリーンの持つパッティングクオリティーが敬遠され始め次第にベント、コーライの2グリーンへと移行していった。
その結果、日本や台湾、韓国等世界に類が無い2グリーンが誕生したのである。しかしながら私は2グリーンを否定しているわけではなく、18ホールで36ホール分の攻略が楽しめるメリットもあると思っている。ただ、日本のゴルフコースの60%以上が2グリーンであり、日本のプレイヤーの多くが、それを当たり前だと思っていることが非常に残念でならない。

1グリーンこそ本来の姿

しかし、ベント芝の管理技術が向上してから後の新規コースはほとんど1グリーンのコースになり、多くのプレイヤーが世界のコースを廻りコース本来の姿を知ってきた。美観的に不自然で緊張感が緩む2グリーンより、本来のゴルフが楽しめる1ベントグリーンを望むようになってきた。
日本の第一次、第二次のゴルフブームに乗って造られたコースは、約100年もの間、コースの良し悪しはそれ程問題視されず、とにかく商業ベースに乗せることを主体に造られた結果、粗製乱造されたコースが少なくなかった。その理由として次の点が挙げられる。

(1) 未経験者によるコース造成・設計
(2) 安易な会員権募集
(3) 厳しい開発規制

特に、次第に環境規制が厳しくなるにつれ、開発が山岳地方へと進み、その結果自然の破壊を招くことにもなった。
ブームに乗って造られたコースも15〜25年が経とうとしているが、長い年月の内に樹が育ち山肌が覆われ、自然なコースに蘇りつつある。しかし、その中には狭い用地に無理に計画されたコースもあり、必用以上な規制に縛られ開発されたため、その規制がなければどんなに素晴らしかったかと残念に思われるコースも少なくない。
最近は、コーライグリーンのベント化が進みそれまでのベント、コーライを2ベントにしたり、コーライグリーンを更新時のテンポラリーとしてしか使わないコースが増えている。

コースが技術の向上を促す

コース改造において最も重要なことは、メンバーからの意見をそのまま取り入れるのではなく、コース設計者及び関係者がきちんとしたスタンスを持って造ることである。改造後、従来と異なる姿になると、必ずプレイヤーから不平不満の声が上がる。ピート・ダイが設計した、かのTPC-Sawgrassでのトーナメントにおいて、各プレイヤーが「サディスティックだ!」「アンフェアだ!」と批判し、彼らの技術の低さを露呈した事があったことが思い出されてならない。
その後のトーナメント開催において、アンダーパーでラウンド出来なかったプレイヤー達も技術の向上によりそのコースを克服し次第にそのような声は消えていった。
即ち、ゴルフコースはそのフィールドがプレイヤーの技術を向上させ、ゴルフ全体のレベルアップに繋がって行く。改造後の不平不満も同様に減っていくのである。
ゴルフ場の改造設計においても、安易に2グリーンを1グリーンにするのではなく、常にショットスキルを求め、14本のクラブを駆使して一打一打を考えながら攻めるコースに改造しなければならない。そしてそのホールを攻略した時の満足感を与えられるコース設計が求められる。

改造メリットと改造後の管理

ゴルフコースの経営者達からは、『オープン当初から2グリーンで営業しているし、それに対してお客から不平不満が出てきているわけでも無い。それに今こんな不景気の時に、敢えて1グリーンにしなくてもいいではないか』という声をよく耳にする。
しかし、生き残り競争の時代だからこそ、また淘汰されるコースにならない為にも、改造を検討していくべきではなかろうか。イニシャルコストは高くなるが、将来的にはプラスになって還ってくる。
コース改造は次のようなメリットを生む。

改造メリット
1.グリーン改造による管理費の削減(2グリーンの1グリーン化)
2.スルーザグリーンの見直しにおける経費の削減(機械化による管理費の削減)
3.全体コースバランス及び美観のアップ
4.カート導入によるサービスのアップ
5.クオリティーアップによる集客の増加
6.イメージ刷新による集客アップ……等々

またコース改造においては、それまでのグリーンの床構造が変わるケースが殆どである。
新規グリーンはUSGA方式、または各設計者が定める構造で、いわゆるサンドグリーンとなるであろうが、それまでと同じ管理をしていたのでは良いグリーンコンディションを維持できない。特に初期段階においては、その手法が著しく異なる事になる。
新規のグリーンに限らないが、近代管理においては管理データをしっかりと記録しておく事が非常に重要である。データの記録は、キーパーの頭の中にしまっておいただけでは、後継者が育たない。
最近は殆どのコースでパソコンを使用するようになってきたが、データには施肥、施薬、発生障害、散水、作業記録、気象記録また、写真記録、調査記録等々がある。
毎日発生するそれらのデータを正しく記録しておく事は、管理者の正しい判断、管理費の低減化などコース管理において欠かせないものになる。

私の設計理念の一つとして「18ホールはパー3の連続ホールである」という考えがある。
80ヤードから250ヤードまで14本のクラブを駆使し、ショットスキル(ドローボール、フェードボール、ハイボール、ローボール等)を求められるコースにするということである。各ホールにより変わる景色と戦略性と難易度がそのホールのリズムとメロディーとなり名曲へと変わっていく。
即ち、改造設計は何の趣もなかった音楽を編曲し直すことにより美しいメロディーへと変えていくようなものである。名曲として生まれ変わったコースは多くのプレイヤーから長く聴かれ、弾かれ、愛されていくことなる。
先人達が創り上げたコースをいかに引き継いで発展させていくか。それが、これからの我々に課せられた責務である。

 

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